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導入事例(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)

ESET NOD32アンチウイルスの導入により
セキュリティと利便性の両立を実現
従業員のPC利用環境の安全性を強化

概要

IT本部 ITインフラ部 ネットワークインフラ課
課長 古川宗徳氏

カメラや複合機といったキヤノン製品に関し、日本国内で幅広いマーケティング活動を担うキヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)。総勢19,000人が在籍する同社のグループにとって、従業員が日常利用するPC環境の安全性を確保することはセキュリティ対策上の重要なテーマである。しかしこれまで使用していたウイルス対策ソフトには、スキャン時にPCの動作が遅くなるなど、いくつかの課題が生じていた。そこで、同社ではグループ内のキヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)が販売総代理店を務める「ESET NOD32アンチウイルス」へリプレース。同製品を採用したことにより、従来の課題を解消するとともに、大規模ユーザー環境下での管理性の確保や新種のウイルスへの対策、問題発生時の対応のスピード化などを実現した。

事例のポイント

お客さまが実現できたこと

  • ウイルススキャン処理が他の業務ソフトに及ぼす影響を最小限に抑え、生産性とセキュリティを両立できた。
  • 新種のウイルスが発生した際にも、確実にリスクを排除できる仕組みを実現できた。
  • スピーディーな製品サポート対応により、問題発生時にも迅速な対応がとれるようになった。

お客さまのご要望

  • グループ19,000 人のPC 利用に関わるウイルス対策を、より効率的に強化したい。
  • 従来行ってきたウイルス対策に関わる集中管理の手順を踏襲し、管理負荷の増大を回避したい。
  • ESET 製品の企業向け用途における拡販戦略を見据え、社内での実践を通してノウハウを蓄積したい。

導入前の課題と背景

ウイルス対策をめぐる従来の課題をお聞かせください。

「キヤノンMJ グループでは、以前から全社をあげて情報セキュリティ対策に関わる取り組みを継続的に強化してきました。中でも、グループに在籍する19,000 人の従業員が日常利用しているPC 環境における安全性の確保は、最も重要なテーマの1 つです。そこで当社では、OS のセキュリティパッチやウイルス対策ソフトのパターンファイルの配信・適用などをはじめとする、セキュリティ対策に関わる管理業務をグループ内で一元化。センター側からのコントロールによって、対策がグループ内すべてのユーザーにおいて確実に実施されるような仕組みを整備しています。
こうした運用を続ける中で、クライアント・セキュリティの要となるウイルス対策ソフトに関し、いくつかの課題が浮上してきました。その1つがウイルス対策ソフトの稼働中に起こるPC への影響です。当社では、週1 回の所定の時刻に、各自のPC 上でハードディスク内のウイルスを検出するためのスキャン処理を自動的に開始される設定を行っています。ところが、長期にわたる利用の中でウイルス対策ソフトのパターンファイルの肥大化が進んでいたこともあり、スキャン処理が始まると他のアプリケーションの動作がとたんに遅くなるといった問題が発生してきていたのです。ユーザーによっては、スキャン処理中はPC での操作がほとんど行えない状態になってしまうケースもありました。このように、業務生産性の観点からも切実な課題となっていたのです」

導入の必然性

そうした問題の解消に向け、どのような取り組みを行いましたか。

「もともと当社では、ウイルス対策ソフトに関し、毎年定期的に検討を行っており、優れたものがあれば、積極的にリプレースしていきたいと考えていました。折しも、数年前からグループ内のキヤノンITS がESET 社の販売総代理店となっていたことから、『ESET NOD32アンチウイルス』にターゲットを絞って製品の評価・検証を行うことにしました」

検証の結果はいかがでしたか。

「検証項目としてまず重要だったのは、当社が標準で採用しているソフトウェアがきちんと動作するかという点。これについては、まったく問題ありませんでした。また、懸念であったスキャン処理中の動作についてもきわめて軽快で、稼働環境の性能低下が極限にまで抑えられているという印象を受けました。さらに、既知のウイルス検出に加え、ヒューリスティック機能※によって新種のウイルスに対応できる点も高く評価しました。
加えて、管理面に関しては、これまでの運用をそのまま踏襲し、個々のPC のセキュリティや各種設定を一元管理できることが必須条件でした。これについても、主要ウイルス対策ソフトベンダーが提供する製品と同等の機能が実装されており、当社のようなエンタープライズ向けのニーズにも問題なく応えられるものと考えました。以上のような点が決め手となり、ESET NOD32アンチウイルスのグループ内への適用を決定したのです」

  • 検査対象のファイル内部を解析し、ウイルス的な挙動を行うかどうかを判断する機能

運用の工夫

導入に際して工夫した点を教えてください。

キヤノンMJ グループのPC 利用環境に関するインフラの構築・運用管理に携わるIT インフラ部コンピュータインフラ第一課の藤原悟氏(左)と鈴木司氏(右)。
キヤノンMJ グループのPC 利用環境に関するインフラの構築・運用管理に携わるIT インフラ部コンピュータインフラ第一課の藤原悟氏(左)と鈴木司氏(右)。

「採用決定後、直ちにグループ内の各社への展開に取り組みました。このとき、移行に関わるリスクを回避しながら、円滑な導入を行うために、綿密な展開手順とスケジュールを定めて臨みました。
具体的には、展開対象となる企業をいくつかのグループに分け、あるグループはこの期間に行い、別のグループはまた違った期間に実施するといった具合に、段階的に導入を進めていきました。その結果、移行は問題なく進み、作業開始から約3 カ月後には、19,000 ユーザーすべてのPC への導入を無事完了することができました」

取り組みの成果

導入後の成果はいかがでしょうか。

今回導入した「ESET NOD32アンチウイルス」の管理画面のイメージ 。
今回導入した「ESET NOD32アンチウイルス」の管理画面のイメージ。

「まず、苦情の声が多かったハードディスクスキャンによる性能低下の問題については、社内アンケート調査の結果、8 割以上の従業員から性能が向上したとの回答を得ています。作業を中断する必要もなくなったという声も届いており、業務の生産性とセキュリティ対策を両立できたものと評価しています。また、管理性に関しても、検証時に評価したエンタープライズ用途への適合性を実践の中で改めて確認し、大規模な企業にも十分に耐えうる仕様であることがわかりました」

他に新しく評価されたポイントはありますか。

「キヤノンITSによるサポート対応が非常に充実していることも、運用上の大きなメリットとなっています。例えば、ウイルスの誤検知など何らかの問題が発生した場合も、その対応は非常に迅速です。問い合わせた日のうちの遅くとも3 時間以内には何らかのレスポンスが得られるため、業務上の手間やリスクが低減されるとともに、トラブルへの対応がスピーディーに行えるようになりました。また、新種ウイルスの発生などに関する情報が速やかに提供される点も、PC を運用する部門にとっては大きな安心感につながります。特性や対処方法がわかるだけでも、過度な対策を行わなくてすむからです」

将来の展望

今後の課題や展望についてお聞かせください。

「今後、情報セキュリティに対する社会的な要請がさらに高まる一方、登場してくるウイルスもますます巧妙化・凶悪化してくることが予想されます。そうした中で、より厳格なセキュリティポリシーに基づく運用への移行を常に繰り返していかねばなりません。今回、より確実にウイルスの脅威を排除しながら、大規模なユーザーに対しても適切かつ迅速に必要なポリシーの適用が行える仕組みを整備できたことは、将来に向けての大きな安心感につながるものと考えています」

導入部門の声

「エンタープライズ用途に応える十分な実力を証明できました」

「今回の導入は、『ESET NOD32アンチウイルス』のエンタープライズ分野への拡販を見据え、グループ内での実践を通しての製品のブラッシュアップや活用ノウハウの蓄積といった意味を持つ取り組みでもありました。導入に先立つ評価・検証、さらには導入後の実際の運用を経て、この製品が特に管理性の点でもエンタープライズ用途のニーズに十分に応える実力を備えた製品であることを実証することができたと思っています」

業務フロー

業務フロー

計19,000 台ものセキュリティ対策を一元管理

キヤノンMJ では、ESET NOD32アンチウイルスを導入し、センター側の管理(ERAS)サーバー(ないしはミラーサーバー)から、グループ各社で利用されている全PC に対して定義ファイルや各種設定情報を自動配信する仕組みを構築。一方、各PC 側から管理サーバーに対して、ウイルス検知情報などの各種ログが送信される仕組みも整備しており、計19,000 台にのぼるPC に関するセキュリティ対策の一元管理を実現しています。

お客さまプロファイル

法人名 キヤノンマーケティングジャパン株式会社
Webサイト   
設立 1968年
職員数 連結19,000名
事業内容 キヤノン製品ならびに関連ソリューションの国内マーケティング

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