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3Dプリンターへの投資、自己資金だけで考えていますか?補助金活用 採択率アップの鉄則

  • ものづくり
3Dプリンターへの投資、自己資金だけで考えていますか? 補助金活用 採択率アップの鉄則

3Dプリンターを導入するうえで、多くの企業が気にされる費用の問題。「補助金(助成金)を活用して、イニシャルコストを抑えたい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。補助金(助成金)の採択率を上げるためのポイントについてご紹介しています。



補助金を活用して、3Dプリンター導入をスムーズに。

3Dプリンターを導入するうえで、多くの企業が気にされる費用の問題。「補助金を活用して、イニシャルコストを抑えたい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

「ものづくり補助金」をはじめ、毎年制度改訂されている補助金。
採択される可能性を高めるには、申請者自身が補助金の目的を理解し、その内容に準じた適切な申請手続きを行うことが大切です。

しかし、補助金の条件や申請のタイミングを見極め、必要書類を準備するには、ある程度の知識やノウハウを押さえておかなくてはなりません。

そこで今回は、「補助金受給申請の支援サービス」などを手がけている株式会社エフアンドエム様を訪れ、補助金の採択率を上げるためのポイントについてお聞きしました。

  • 同社は、経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)として3年連続全国第2位の採択支援実績を誇り、他の多くの認定支援機関と異なり、申請支援から採択後の補助事業期間のフォローまでトータル的に中小企業の事業実現に向けてサポートしています。
株式会社エフアンドエム 本部長:小林 卓矢 氏、シニアコンサルタント:氷見 敦 氏

「補助金受給申請のプロ」に学ぶ、採択率アップの鉄則。

補助金の採択率を上げるためには、大きく次の4つがポイントになります。それぞれの項目にそってご説明しましょう。
補助金 採択率アップのために押さえておくべき鉄則です!

I.「制度」を理解する

3Dプリンターの導入に伴う補助金では、主に「ものづくり補助金」を活用される場合が多くなります。

株式会社エフアンドエム

オールマイティーに活用できる補助金としてスタートし、4年ほど経過した「ものづくり補助金」は、毎年少しづつ制度が改訂され、補助事業の目的、申請条件、補助金額などが変わります。
まずは、募集されている補助金の内容を理解し、事業計画を作っていくことが重要になります。

採択率アップのワンポイント
国の政策にマッチした導入効果を示せているか?

補助金には政策的な観点が含まれているため、「3Dプリンターを利用することで、どれだけ生産性向上につながり、その産業が活性化していくか」「その結果を、雇用の拡大や賃上げなど、従業員へ還元し、経済の活性化に結びつけることができるか」というところを、しっかりと申請時に示すことができると、制度設計を行う国の思惑にも合致し、採択率アップのための加点ポイントとなります。

  • 賃上げしている企業は加点が高くなります。反対に、設備投資を理由に人員削減につながる印象を与えてしまうと、それが減点ポイントと判断される可能性があります。

このように、自社の目的と補助金制度の背景にあるものがきちんと合致している場合、採択率が高まる傾向にありますが、逆にそれらに合致していない場合には、著しく採択率が低下してしまいます。
加点ポイントを上げ採択率をアップさせるためにも、制度の中身をしっかりと理解することが、とても大切なのです。

II.「自社」を分析する

自社の現状を分析し、3Dプリンターの導入(補助金の活用)が、問題解決にどうつながるか。それがどれほど有益なものかを把握します。

  • 3Dプリンターが、なぜ必要なのか?
  • 導入によって、生産性の向上などがどれほど見込めるか?
  • 競合他社と一線を画すような、付加価値の高い事業の在り方を示せるか?

このような点を踏まえながら、3Dプリンターの導入メリットと、それが自社の抱える問題の解決にどうつながるのかを明確に打ち出しましょう。
企業者の真の目的は、事業の成功であり、補助金受給でありません。しっかりと自社の分析を行うことで、本事業による真の課題解決を自社の中でも再整理する必要があります。

ここで考えた内容は、申請書類の作成だけでなく、これから自社が進むべき方向性を定めるうえでも重要なテーマとなってきます。

採択率アップのワンポイント
導入目的は、制度と合ったものになっているか?

制度の内容とそれに則した導入目的の紐付けができていないと、矛盾ばかりが目立ち、採択率は著しく低下します。そのような矛盾した環境で3Dプリンターを導入しても、稼働率は上がらず、無駄な資産となってしまう可能性があるからです。

特に、3Dプリンターは業務の効率化=人員削除という考えになりやすいため、生産性の向上などを伝えることが難しい設備です。いかに効果的に示せるかどうかが、申請書類をまとめるうえでのポイントとなっています。

III.「具体的数値」を示す

申請時には、以下の点を考慮した書類作成が必要になります。

  • 問題解決や競争強化につながる達成目標を、数値を交えて明確に示す。
  • 目標となる数値を達成した結果、得られる効果や必要な経費を提示する。

これらの数値や分析結果を正確に分かりやすく示すことで、採択率が向上する可能性が高まります。

採択率アップのワンポイント
事業化に向けた、具体的な裏づけとストーリーがあるか?

具体的な数値を掲げた後は、実際にそれらがどこまで事業化され、自社の生産性や利益率向上に影響するのかを具体的に示すことが求められます。
また、得られた利益を内部留保するのではなく、前述した「雇用の拡大」や「賃金アップ」など、従業員への還元などを具体的な目標の一つとして掲げることも大切です。

IV.「タイミング」を逃さない

「自社で利用できそうな補助金があったのに、制度を知ったタイミングが遅くて申請できなかった」
こんなケースから「チャンスを逃してしまった!」と悔しい思いをされた方も、少なくないはずです。
毎年新しく制度が見直される補助金を上手に活用するためには、できるだけ早い段階から準備を行うのがベスト。
しかし、いつ、どんな補助金の公募が開始されるかを知ることは、一般の方には難しいところです。

採択率アップのワンポイント
申請書類の提出まで、6ヵ月ほどの準備期間があるか?

過去の実績から、申請期限の半年ほど前からの準備がベストであると考えられています。締め切りギリギリに駆け込み申請を行なった場合、前述した自社分析などを十分に行うことができず、不備の目立つ申請書内容になりがち。採択率も著しく低下してしまいます。

補助金を活用するためには、早い段階から専門家に相談し、情報収集と申請手続きの準備を進めることが大切です。

補助金制度の申請から事業化状況報告までの手順

申請支援:申請登録サイトへの入力→計画書申請→採択 採択後支援:交付決定→実績報告書作成・提出→確定検査→交付額決定→事業化状況報告

以上、補助金(助成金)分野の専門家である株式会社エフアンドエム様の取材協力をもとに、補助金の採択率を高めるポイントをお届けいたしました。
キヤノンマーケティングジャパンでは、エフアンドエム社と協力し、お客様にとって最適な補助金(助成金)制度の内容や、それらの活用方法について、早い段階からご支援することが可能です。
お気軽に、お問い合せください。

取材協力

株式会社エフアンドエム(認定経営革新等支援機関 近畿経済産業局:20121016近畿第46号)

設立

1990年(平成2年)

事業内容

  • 個人事業主及び小規模企業向け経理代行
  • 中堅中小企業向け管理部門支援サービス
  • 中堅中小企業向け経営力強化支援サービス(認定支援機関関連業務)
  • 会計事務所向け支援サービス
  • 社会保険労務士事務所向け支援サービス
  • ISO・Pマーク認証取得支援サービス
  • パソコン教室

認定支援機関別 ものづくり補助金 支援実績3年連続全国2位
平成25年度223社 平成26年度241社 平成27年度128社



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