「仮面ライダーゴースト」のテレビ主題歌として、親世代・子ども世代に愛されている氣志團のニューシングル「我ら思う、故に我ら在り」。ミュージックビデオはいつもの仲間たちとつるんでいたところに、悪い奴らに絡まれている女の子に遭遇。そこでお決まりの乱闘になり、彼女と仲良くなってと、まるで青春ドラマの王道のようなエンターテインメント性の高い映像が完成した。
千葉県船橋周辺の海岸や線路の上、市場など様々な場所で撮影。サングラスに革ジャンで決めた氣志團を、日中、夕方、逆光、薄暗い市場での決闘、そして何十灯ものライティングを施したド派手な演奏シーンなど、様々なシチュエーション押さえながら、しかも1日で撮らなければならない。デジタル一眼レフカメラ、EOS C300、EOS-1D Cなど、数多くの作品をCINEMA EOS SYSTEMで作って来たスミス監督は、今回の撮影でEOS C300 Mark IIをセレクト。昼間から夕方にかけてのドキュメンタリー要素の強い映像と夜の市場にばっちりライティングしたライブシーン。そんな様々な光の条件をクリアして美しい映像に仕上げている。
スミス
映像演出家。2000年より演出を開始。氣志團、フジファブリック、フレデリック、でんぱ組inc.などのMVやTV CMを演出。2014年から振付師としても活動。
─今回、EOS C300 Mark IIで撮ろうと思った理由を教えてください。
スミス まずはEOS C300 Mark IIが新しく出たので使ってみようと思いました。カラコレがすごくやりやすくなって、RGB4:4:4の画質が向上したと聞いていましたし。今回はかっこいい氣志團を撮ろうというのが狙いだったので、硬くて映画っぽいトーンを狙っています。撮影1日でシーン数を稼がなきゃならないのでかなり酷使しました。逆光や夜のライトのシーンなど、光がバラバラだったので、シーンごとに色を調整しながら撮っています。
─EOS C300よりも画質が良くなっていると感じたそうですね。
スミス EOS C300と比べても画質は向上していると思いますし、綺麗に撮れたという手ごたえもあります。市場で行なった演奏シーンではもう何十灯もライトを使いました。白トビすることもなかったし、派手な革ジャンの質感など今までにない画が撮れました。データが残っていて色をいじりやすいのはいいですね。そこは優位点ではあると思います。2KのRGB4:4:4が綺麗なんだろうと思います。色に関して、以前はキヤノンっぽいテイストがあって、それが自分らしさを出しづらいと思っている人もいたと思うんですけど、Canon Log、Canon Log 2を選択できるようになったことで、表現の幅が広がった気がします。
─レンズはなにを使ったのですか。
スミス 逆光の夕日のシーンでは撮影監督の私物のオールドレンズを使っています。今回の撮影では使わなかったのですが、ズームレンズはEF11-24mm F4L USMがいいですね。次はぜひ使いたいと思っています。
─編集はどのように行なったのですか。
スミス 素材をプロレゾ変換して一度編集して、そこから元素材に戻ってDaVinci Resolve 12でカラコレしたものを書き出しています。画質とかカラコレに関してもまったく問題ないですね。夜のシーンは撮影している時にはノイズがあるんじゃないかと心配していたんですけど、カラコレしてみるとデータにはしっかり階調が残っていました。
「暗い中でも階調が残っているので、ライブハウスなどの収録にも向いていると思います」(スミス)。