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  • CINEMA EOS 商品情報

VOICE CINEMA EOS SYSTEMを体験した、プロフェッショナルたちの活用事例。

CINEMA EOS SYSTEM

THE BED ROOM TAPE ft. 川谷絵音 「命の火」MV

THE BED ROOM TAPE ft. 川谷絵音 「命の火」MV (コマーシャル・フォト 2015年12月号掲載)
EOS C300 Mark II

インストゥルメンタル・バンド・Nabowaの景山奏(ギター)のソロプロジェクト、THE BED ROOM TAPE。2年2カ月ぶりの新作となるミニアルバム「YARN」に収録される「命の火」には作詞を担当した川谷絵音(indigo la End、ゲスの極み乙女。)がゲストボーカルとして参加した。
ミュージックビデオにはアーティストは出演せず、女の子(モデルの坂井香)が徹夜して曲を作っていて、朝方閃いたメロディが流れるというストーリー。彼女が曲を作っていくまでの心象風景を音楽とそして映像で表現しようというアイデアなので、凝ったセットやライティングなどを使わず、自然のままの状態でドキュメンタリーのように撮っていこうという狙いがあった。EOS C300、EOS C500など、数多くの作品をCINEMA EOS SYSTEMで撮影・演出してきた林響太朗監督(DRAWING AND MANUAL)は、今回EOS C300 Mark IIをセレクト。しかも2台使用し、全編ハイスピード(120P)撮影に挑んでいる。逆光、夕景、マジックアワー、陽が落ちた後の暗い部屋、夜景など、難しい条件のシチュエーションをLEDなどの補助光を使わずにCanon Log 2で撮り切った。

制作=DRAWING AND MANUAL Dir+P=林響太朗 P(2nd)=渡邊晢 P(Making)+Pr=河村瑞英 T=坂井香 ST=藤沢ゆき

写真:はやし・きょうたろうさん はやし・きょうたろう
1989年東京生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒。在学中よりプロダクトデザインやインタラクティブ作品を制作、写真やCGにも造詣が深く幅広い制作をこなす。

Interview 林響太朗(ディレクター) EOS C300 Mark IIで全編120P収録に挑戦した

EOS C300 Mark IIはEOS C300の伝統を引き継いでさらに使いやすくなった

─今回、EOS C300 Mark IIでハイスピード撮影(120P /2K HD)を行なったのはなぜですか。

林 以前からEOS C300の画作りが好きでハイスピードを撮りたいと思っていたのですが、EOS C300 Mark IIはキヤノンのクオリティでハイスピードの映像が撮れると聞いてこれで撮ろうと決めました。ハイスピードの撮れるカメラには10秒でストップしてしまうものもあるんですけど、EOS C300 Mark IIはどこまでも長回しで撮れるのでついつい撮ってしまいました。しかも2カメ体制だったので600GBは超えました。

─DRAWING AND MANUALではこれまでEOS C300でさまざまな映像を撮っていますが、今回EOS C300 Mark IIを使ってみて、その機能の向上を実感したそうですね。

林 EOS C300の時は外部ディスプレイの接続部分が複雑でデリケートな作業を求められたんですけど、EOS C300 Mark IIはカチッとハマって安定するし、メンテナンスもしやすくなっています。RECボタンが赤くなったのもありがたかったですね。暗い中で撮影する際にも目立っていましたし。グリップはいろんな形にカスタマイズできるようになったのでレンズとのバランスで調整できます。グリップのRECボタンも押しやすくなっていたりとか、細かいけれど撮影時にストレスになっていた部分をいろいろ改良してくれているのが嬉しかったです。今回の撮影ではバックアップしながら撮っていたのですが、CFastで転送が速くて助かりました。撮影が終わると冷却システムが作動し始めてファンの音が聞こえます。それが頼もしく感じました。EOS C300を使い続けてきた者にとっては細かいところまで配慮されているのが嬉しいですね。カメラは長年使っていると操作性などを身体で覚えているものなんですけど、EOS C300 Mark IIはEOS C300の伝統を引き継いで、その上でさらに使いやすくなっていました。

─早速、会社でもEOS C300 Mark IIが導入されたとか。

林 インターフェースもEOS C300の良さを受け継いで向上しています。4K画質も撮れるし、ハイスピードも撮れる。機動力やデータ容量を考えてもバランスのいいカメラです。これからこれでどんどん撮っていきたいと思います。

撮影時の様子。ロケ地はビルの屋上とみなとみらいの部屋と恵比寿付近。自然の変化を追いかけるようにEOS C300 Mark II2台体制で撮影した。

「命の火」の主なワークフロー

逆光でわかるEOS C300 Mark II(Canon Log 2)の実力

逆光を多用した撮影でしたがシャドー部分もディテールのつぶれを気にせず撮れました

今回のミュージックビデオでも撮影を担当した林響太朗監督にEOS C300 Mark IIおよびCanon Log 2の画作りについて解説してもらった。

─実際どのように撮っていったのですか。

林 今回は機動性重視でスタビライザーなども使わず手持ちで撮っています。ハイスピード撮影を手持ちで行うとそこに臨場感が生まれるので、それは意識しています。

─映像的には満足していますか。

林 いろんな時間帯に撮っていたのですがさまざまな光の表現が描写できました。グレーディングしない状態でも表現力の高さがわかります。これはCanon Log 2の良さなのかなという気がします。

─Canon Log 2の画はどうでしたか。

林 解像力も高いし、色味の幅の広さを感じます。Canon Log 2はシャドーの紫が強めなのですが、もともとCanon Logの時から後処理で紫を足していたぐらいなので好きな色です。今回の撮影では逆光のシーンを多用しているんですけど、シャドー部分もディテールのつぶれを気にせず撮れるのがいいですね。情緒ある絵に仕上がりました。Canon Log 2はシャドーの表現がいいですね。逆光で髪の毛にかかる影になった部分のトーンもしっかり表現できています。EOS C300の時からハイキーの良さは感じていたんですけど、シャドー部分もかなり詳細に出してくれますね。編集時に驚いたのですが、白く飛んでいるような明るさで撮っていてもデータは残っていますし、暗部を上げてもノイズが全く気になりませんでした。

逆光(ビルの屋上)

─夜の室内を外からの明かりだけで撮影しています。

林 夜の部屋のシーンはフリッカーが出ないようにシャッタースピード100に合わせて、フレームレートも100Pで撮っていました。補助光もほぼなしで撮っています。

─肉眼ではほぼ真っ暗な状態ですね。

林 外にかすかに写っている夜景の光だけです。それでも顔の側面の立体感が残っています。影がつぶれているんだけど、少し残っている感じの描写力が絶妙ですね。髪の毛も一本一本かなりきれいに出ています。ISO6400からISO4000で撮っているのですが、外の光だけで撮っても体の輪郭やディテールがしっかり出ています。EF50mm F1.2L USMとEF85mm F1.2L II USMのレンズだったので、それもあいまって、ISO感度を上げなくてもかなり撮れたというのはあります。通常だったらもっとノイズが乗っているかもしれませんが、これぐらいなら描写に関わるレベルではありません。補助光で作り込まなくてもレンズとCanon Log 2で描写できました。

真っ暗な室内

目のアップ

「今回驚いたのは目のアップの描写。レンズはEF100mm F2.8L マクロ IS USM。ピントはマニュアルで合わせています。マクロレンズで顔のアップを撮ると、HDでも睫毛の一本一本まで見える。ディテールの再現力がすごいです。環境は相当厳しいのですが狙い以上の絵が撮れました。彼女には気の毒なほどシャープに映し出していました」(林)。

─ほかにEOS C300 Mark IIのここが面白いという感じた機能はありますか。

林 オートフォーカスの顔追尾の精度が素晴らしいですね。暗い場面でもサポートしてくれます。今回はハイスピードで使えなかったので、これからぜひ使ってみたいと思います。

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