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検査画像共有システムの構築で超高齢化社会のニーズに応える先進医療体制を実現JCHO 中京病院

業種:医療| 病床数:580床 従業員数:1177名(非常勤含む)| 成果:業務効率の向上・安定稼働、コスト削減、顧客/従業員満足度向上

患者の心に寄り添い、地域とともに歩む。安全で質の高い総合医療を提供するJCHO中京病院
​社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院の3つの団体が統合されて誕生した、全国57の医療機関からなる独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の中で最大規模を誇る中核病院。急性期総合病院として5疾病(がん・脳卒中・心筋梗塞・糖尿病・精神科疾患)をはじめとするさまざまな病気の診療に力を尽くすとともに、地域の医療・介護・福祉機関と密に連携した質の高い医療サービスを提供しています。同院では、夜間の救急診療において当直医と自宅で待機する専門医がコンサルテーションを行う際、検査画像が院外で確認できないことで、より精度の高い診断を共有しにくい課題を抱えていました。そこでキヤノンITSメディカル(以下、キヤノンIM)のMedical Image Place モバイル画像参照サービス」を新たに活用することで、目覚しい成果を挙げています。医師の前田氏、仁紫氏、三宅氏、医事課の池戸氏、医療情報管理室の望月氏に導入における背景やシステムの選定理由、運用の効果などについて詳しく伺いました。

01 導入背景夜間の救急診療におけるコンサルテーションの精度を追求

超高齢化社会を迎え、より高度な医療が求められる中、地域の中核病院の役割も変化しつつある日本。目まぐるしく変わる時代の流れの中で、同院の診療においては具体的にどういった課題があったのでしょうか。

院内外の連携においても検査画像の共有が重要

当院では、急性期総合病院として夜間の救急外来に対応しています。例えば、脳神経内科においては、脳梗塞の発症が疑われる患者様が救急車で運ばれて来ることが珍しくありません。特に当直が研修医で判断に迷った場合は、自宅で待機する専門医にコンサルテーションを求める体制を取っていますが、院外では脳内の検査画像を確認できないため、専門医であっても診断が難しいケースが出てきます。
​伝える側にも正確な情報を言語化する能力が必要で、電話でのやり取りにフラストレーションを生じることがしばしばありました。過去には脳出血という報告を受け、専門医が病院に駆けつけて院内で検査画像を読影したところ、実際には正常範囲の脳内の石灰化による一時的な軽度の頭痛であったことも。そこで業務体制の見直しを図り、昼夜問わずに質の高い診療を提供するために医療DXが急務となっていました。

高水準のセキュリティポリシーが新規導入のネックに

当院は独立行政法人のため、新しいシステムを調達する際には、競争入札を行うというルールがあります。一方でJCHOグループは安心・安全な先進医療を実現するべく、非常にレベルの高い安全管理の基準を設けており、規程に見合う製品が見つかりにくいという、もう一つの課題を抱えていました。こうした実状の中で唯一無二のご提案いただいたのが、キヤノンIMさんの「Medical Image Place モバイル画像参照サービス」でした。

統括診療部長 脳神経外科 前田 憲幸 先生
脳神経内科 医長 仁紫 了爾 先生
臨床研修センター 三宅 悠太 先生
医事課 兼 将来構想推進室 課長補佐 池戸 航 氏
医療情報管理室 医療情報管理係 望月 昭洋 氏

02 選定理由高度なセキュリティ基準を満たすシステム構築と高い実用性

時代のニーズに応えるより良い先進医療を実現する方法の一つとして、キヤノンIMのMedical Image Place モバイル画像参照サービスを選択した理由はどこにあったのでしょう。提案内容や導入の決め手となったポイントなどを伺いました。

選定の3つのポイント POINT1 高度なセキュリティ基準に合致 POINT2 優れた操作性と画質の良さ POINT3 キヤノンIMの技術力と対応力

セキュリティ管理の規定を完全クリア

JCHOグループでは、サーバーの設置場所が指定されているほか、外部のインターネットと院内システムをダイレクトに連動させてはいけないなど、いくつもの規定を設けています。競争入札で提案を受けた中で、こうした条件をすべてクリアしていたのは、キヤノンIMさんのMedical Image Place モバイル画像参照サービスだけでした。
​一番の決め手となったのは、検査画像共有の仕組みづくりです。検査画像の取り込み専用端末と、それをMedical Image Place(クラウド)にアップロードするためのゲートウェイ端末を院内に設置し、この2ステップを踏むことで規定を満たしながら実用性の高いシステムを構築できたのは、キヤノンIMさんの確かな専門性と技術力があってこそだと感じています。

高度医療の実現を支える優れた機能性

もう一つの大きなポイントとなったのが、実施していただいたデモンストレーションで体感した使い勝手の良さです。どの医師でも扱えるユーザーインターフェースのシンプルさに加え、システムにアクセスするまでの段階が簡潔なので、診療にあたりながら素早く検査画像をアップロードできると実感できました。さらに、高精細な検査画像を共有でき、院内外の連携において精度の高い診断を下せるとイメージできたことも導入の後押しとなりました。

03 導入後の成果毎月100件前後の診療に活用し、365日24時間体制の高度医療を提供

夜間診療におけるコンサルテーションの精度が向上

現在、当院の脳神経内科をはじめとする8つの診療科で計30台のタブレット端末を準備して運用しています。院内のどのPCからでもアクセスでき、リモートデスクトップで送りたい検査画像を開いて送信ボタンを押すだけというシンプルな操作で簡単に画像を共有できるので、飛躍的な業務改善を実現できたと高く評価しています。
​最も活用しているのが脳神経内科の夜間診療です。緊急性の高い脳梗塞の患者様が少なくないため、院内外で連権を図る際はスピードが重要になりますが、Medical Image Place モバイル画像参照サービスはCTやMRIといった大容量の画像データを素早く転送できます。感覚的には送信ボタンを押して2~3分でクラウドにアップロード。それから院外の専門医に電話をかけ、手元のタブレット端末で検査画像を確認するまで、トータル10分くらいの短時間で行えるのではないでしょうか。
​自宅で待機する専門医は、院内の電子カルテと同等の高精細な検査画像で診断できるため、的確に指示できるようになりました。専門医が病院に駆けつけてからの処置の流れもスムーズになり、患者様の尊い命を救う適切な治療につながっています。

タブレット端末で検査画像を確認する様子
病院から検査画像を転送する様子

医療業務の効率化と低コストによる運用を実現

医療業務の効率化を実現 院内→Medical Image Place モバイル画像参照サービス→院外 POINT1 セキュアの環境で大容量の画像データを素早く転送 POINT2 医療従事者とのコミュニケーションの精度が向上

以前は、院外の専門医が検査画像を見られなかったため、実際には必要なかったにも関わらず、病院に向かうケースが多々ありました。自宅からの移動に1時間以上を要する職員もおり、まさに無駄足と言わざるを得ません。しかし、導入後は取るべき行動を的確に判断できるので、医師の働き方改革にも役立っています。
​また、Medical Image Place モバイル画像参照サービスは、低コストで運用できる点も魅力。導入時の初期費用はもちろん、連携するモバイル数に制限がなく、タブレット端末を何台準備しても同額なのでランニングコスト面でも実用性が高いと実感しています。

04 今後の展開時代の先をいく診療体制をめざし、さらなる医療DXに挑戦

Medical Image Place モバイル画像参照サービスの導入によって、より良い医療体制の構築と業務効率化を実現した同院。最後に、これからますます加速する超高齢化社会を見据えた取り組みや展望についてご教示いただきました。

中核病院としてJCHOグループの発展を牽引

まずはJCHOグループ内での横展開を検討しています。先述の通り、高水準のセキュリティポリシーを設けていますが、中核病院である当院が先頭に立って新規システムの導入による業務改革をリードすることで、グループ全体の医療の質向上につながると考えています。
​また、現在はCTとMRIの検査画像に限った運用を行っていますが、今後は心電図などの画像データを共有できるシステムの構築も視野に入れています。高齢化が進む日本において、私たちに求められるのは、診療サービスの充実化と医療の進化。地域社会の健康を守る基幹病院として積極的に医療DXに取り組み、より安心で質の高い先進医療を提供できるよう力を尽くします。

JCHO 中京病院

事業内容:医療
従業員数:1177名(非常勤含む)
所在地:愛知県名古屋市南区三条一丁目1番10号
設立:1947年12月

  • 本記事は取材時(2025年8月)のものです。

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