もはや不可欠となっていた全社的なコンテンツ管理システムの構築キヤノン株式会社
業種:製造 | 従業員規模:10,000名以上 | 成果:業務効率の向上、セキュリティ強化
各事業本部の独自性が強く、これまで経営層レベルに満たない情報共有は事業本部ごとのルールで行われてきたが、社内にさまざまな文書管理システムが混在する状態では部門間の連携が難しく、既存システムでは対応できない業務も増えていたことから、海外会社も含めた全社的なコンテンツ管理システムの構築が急務になっていた。
導入前の課題
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文書の上長承認はメールや口頭で、公開方法はメール添付による転送かファイルサーバーへのアップロードが通常であった。
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社内に文書管理機能を持つ複数のシステムが乱立し、各部門が個別に運用管理していたため、運用コストが重複していた。
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社内の数多くの申請書類・提出書類は紙と捺印に依存。内部統制部門や監査部門等から要求される承認証跡の確認を取るのに、かなりの時間がかかっていた。
導入後の効果
- 情報資産を保護し、コンプライアンス体制を確立
- 部門間のナレッジ連携を実現し、生産性も向上
- ペーパーレス化で文書のライフサイクルを効率的に管理
今後は、機密文書のナレッジ化や各業務に応じたアプリケーションとの連携を。
企業には、どうしても外部には漏らせない機密情報があります。これまでも、全社をあげて機密保持に努めてはきましたが、結構大変な労力で、部門によっても守り方が違う・・・そんな状況にありました。これを一元化したのが今回のシステムであり、どんな機密情報もここに置いておけば大丈夫、という場所を用意することができました。
今後の展開としては、まず機密レベルに応じて、文書の取り扱いを変えていく必要性を感じています。というのも、一口に機密文書と言っても、厳重に管理すべきものと、安全性は確保しながらも社内で共有することで役立てられる文書があると思います。
私たちは後者のような文書のナレッジ化に取り組んでいきたいと考えています。また、各業務のワークフローに従って動く文書もありますが、用途ごとにシステムを開発、運用するのは大変です。
1つのプラットフォームの中で各業務に応じたアプリケーションを用意できるようなしくみをつくるのが、今後のもう一つの課題です。
情報通信システム本部
ITシステム開発センター
品質環境・技術情報システム部長
中下 和彦 氏
キヤノン株式会社
設立:1937年8月10日
本社所在地:東京都大田区下丸子3-30-2
※本記事は取材時(2015年10月)のものです