システム導入による「車両の見える化」で、営業車の数を削減し事故の発生件数も大幅減
アサヒ飲料株式会社
業種:製造 | 従業員規模:3,000~9,999名 | 成果:コスト削減、業務効率の向上
伝統を大切にしながらも新たな成長に挑む、総合飲料メーカー・アサヒ飲料株式会社
「三ツ矢」「カルピス」「ワンダ」など数多くのメジャーなブランドを擁し、15年連続のプラス成長を続ける一方で、「アサヒ飲料 健康チャレンジ!」~自分も会社も世の中も健康に~というスローガンを掲げ、健康で快適な生活に貢献することに取り組んでいるのがアサヒ飲料株式会社です。
同社の首都圏統括本部では、5つの営業所を統合して拠点を一ヶ所に集約することになったのをきっかけに車両を一元管理し可視化できるしくみを導入。稼働実績のデータから適正台数を割り出して無駄な営業車の削減を実現し、また営業担当者の安全意識を高めることで事故の発生件数を大きく減らすことにも成功しました。
システムを導入することになった背景や選定理由、導入後の業務の変化、今後の展望などについて、人事総務部 総務グループ 前田氏、人事総務部 東日本人事総務部 森氏、澤谷氏の御三方にお話を伺いました。
導入背景「一人一台」を続けることで、無駄なコスト負担がかかっていた
横浜、千葉、大宮、恵比寿、晴海の5拠点を統合して晴海の一ヶ所に集約することになったのをきっかけに、アサヒ飲料株式会社では営業車の削減を検討していました。
「当社では営業担当者一人に車一台を基本にしてきましたが、全ての車両が毎日稼働しているわけでもなく、多くの無駄が生じていました。
システム導入で車両の無駄を見える化したい
今回拠点を集約することになった晴海(首都圏統括本部)は立地的にも駐車場が少なく、駐車場代も高額です。そこでこの機会に車両管理をシステム化し、適正台数を見極め、車両の削減を図りたいと考えました」と語るのは、今回の導入プロジェクトの中心メンバーである前田氏。
「また、一人一台ということは、営業活動で持参する販促物や商品見本も営業担当の人数分用意しないといけないわけですが、使い切れずに廃棄することが多くありました。車両台数を減らし、共有化することでそれらのコストも削減できるのではと思ったのです」。
選定理由単に商品を提供するだけでなく、運用ノウハウも提供してもらえるから
一口に車両管理システムと言ってもさまざまな製品がある中で今回Cariotが選ばれた理由はどこにあったのでしょう。前田氏が続けます。
「商品の売り込みだけなら他社からもさまざまなアプローチがあったのですが、キヤノンさんが他と違ったのは、使う側に立ったご提案をしていただけたこと。
生の運用ノウハウまで提供してもらえる
何よりキヤノンさん自身が車両の見える化により、営業車両および交通事故・違反を大幅に削減できたことを、まだ検討段階でありながら、実際に運用を行っている総務部門との情報交換の機会も設けていただき、より具体的に導入イメージを持つことができました。商品だけでなく、『利用者』の視点で運用ノウハウも含めて提供してもらえることはやはり選定の一番のポイントになりましたね」。
(写真:人事総務部 東日本人事総務部 森 宏明さん)
付け外しが簡単で、他拠点に使い回しもできる
システムの選定にあたっては、設置が簡単で営業担当者が自分で取り付けられることも大きかったと言います。
「もし営業車の台数が減り、機器に余剰が出たとしても、付け外しが自由にできるので、他の拠点で簡単に使い回すことが可能です。
加えて、今まで一人一台体制で車両を自由に使えていたぶん、乗りたい時になるべくスムーズに乗れるようにと予約管理の機能を要望したところ、バージョンアップで実装対応いただけることに。
対応一つひとつに信頼を置けたことが最後の決め手になりました」。
(写真:人事総務部 東日本人事総務部 澤谷 将雄さん)
導入後の成果約20台の車両台数削減を実現して、事故の発生件数も前年比31%削減に
導入初年度で10%の車両を削減
「5拠点で計176台あった車両は、システム導入後に158台まで減りました。一台あたりのランニングコストは、駐車場代やリース代でおおよそ月額7万円くらいなので、これだけでも相当なコストダウンになったことがお分かりいただけると思います。一人一台時代は個々の荷物も積んだままでしたし、各自が自分の必要とするモノを取り付けたりして、さながら自家用車のようでした。部ごとの共有車両になったことで皆さんずいぶんきれいに使うようになりました」と語るのは、澤谷氏。
また、導入後の成果として、安全面の向上を挙げるのが東日本人事総務部の部長としてプロジェクトを指揮する森氏です。
後追いの安全対策から、未然の予防へ
「これまでは事故が起きてから後手後手で危険運転対策を考えていたのですが、車両管理システムを導入することで急加速や急ブレーキの回数など危険運転をデータで確認でき、予防施策の実施が可能になりました。実際に所属長などが集まる定例会議でもデータをオープンにすると皆さん興味を持っていただけます。そして所属長から部下に直接指導がいくようになり、社員一人ひとりの安全意識がかなり高まりましたね。数値的には前年比で事故件数が31%削減となり、効果はてきめんだったと思います」。
今後の展望より一層の台数削減を目指すとともに、大阪・名古屋をはじめ、全国にも順次展開
やり方次第でまだまだ削減の余地はある
「現在の稼働率は最大80%で、平均すると70%くらい。今は部ごとの共有なので、これを支社ごとに共有の範囲を広げたり、外部のシェアカーを取り入れていくなど、取り組みを強化し、導入2年目では更に20台強の削減を計画中です。
なお、使うメリットがないとなかなか活用されないので、走行データや行き先などを書いた営業日誌もシステムに取り込み、自動化することで営業担当者の負担を軽くしていこうと計画しています。
また、ログイン時にアルコールチェック結果の入力を必須にするなど、次回のバージョンアップでの機能追加も進めています」と語る前田氏。交通機関が発達している東名阪を皮切りに、順次、全国の拠点にも導入予定という同社の取り組みに期待です。
アサヒ飲料株式会社
事業内容:各種飲料水の製造、販売、自動販売機のオペレート、その他関連業務
所在地:東京都墨田区吾妻橋一丁目23番1号
※本記事は取材時(2018年6月)のものです