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スキャナーとイメージ管理システムの連携で電子化と業務効率化を加速、お客さまとのチャネル(接点)強化を図る福岡ひびき信用金庫

業種:金融 | 従業員規模:300~999名 | 成果:業務効率向上、従業員満足度向上

スキャンの手間や時間が削減し、業務効率化を実現

福岡ひびき信用金庫では顧客とのチャネル強化のため、さらなる業務効率化を目指し業務のデジタル化を推し進めてきました。
「イメージ管理システム」の導入によって、金庫内で発生する多様な文書の電子化、イメージデータの業務横断的な管理・検索を実現しました。 また、タイムスタンプ機能を実装することで、法定保存文書の電子化も実現しました。
ベンダーの選定を担当したシステム部の部長 吉田氏と弘友氏に、詳しい背景や選定理由、導入後の効果などについて伺いました。

01 導入背景電子帳簿保存法やインボイス制度などの法制度に対応する

福岡ひびき信用金庫では、他社製のスキャナーを長期にわたって利用していたが、その間に改正電子帳簿保存法やインボイス制度など、法制度の変更が決定したため、スキャナーの更改と同時にこれらの制度対応とペーパーレス化を推進できるしくみを2021年末ごろから探していた。
当社とは2019年から投資商品販売支援システム「しんきん預かり資産ナビ」を導入したご縁で、2022年のはじめにキヤノン製のネットワークスキャナー「ScanFront 400(以下『SF400』)」と立山科学製イメージ管理システム「SFS Lite PLUS(以下『SFSLP』)」をセットにしたソリューションを提案し、同年10月に本格稼働を開始した。

お客さまとのチャネル強化のため業務効率化したかった

福岡ひびき信用金庫では世の中で「DX」が叫ばれる以前から、システムを内製しながら独自に業務のIT化を進めてきた。さらにお客さまとの接点強化を図るには、より一層の業務効率化を図る必要があると考えた。
そこで、同金庫のシステム部では1つのシステムで、「手形小切手、本人確認記録書、入出金伝票など多種多様な書類を管理すること」「スキャン操作時のインデックス(顧客情報等)入力を省力化すること」をポイントに検討。システム部長の吉田氏は、「できるだけ管理負荷を軽減するシステムを採用することにより、業務の手離れを良くしたかった」と当時を振り返る。

また、お客さま窓口業務ではさまざまな書類をスキャンする場面がある。以前のスキャナーでは、免許証のように表裏がある書類は両面同時にスキャンできないため、表面と裏面をそれぞれスキャンすることや、 お客さまの機微情報消し込みのため、一度コピーしてマスキング処理の後にスキャンする手間が発生していた。

電子交換所への対応も目的だった

吉田氏によると、手形小切手の電子交換所に対応することも目的の一つだった。電子交換とは、2022年11月にスタートした電子交換所により金融機関間の手形や小切手の交換をイメージデータの送受信で完結できるようにする仕組みである。「今回設置したスキャナーを利用し、営業店にて手形小切手をスキャンするだけで、本部の担当部署に現物のイメージ伝送ができるようになった。これにより、営業店での現物持出の負荷を軽減することができ、また、手形小切手の現物輸送時間を考慮する必要がなくなった。結果として、本部側での電子交換所持出までの作業時間に余裕を持つことができた」と吉田氏。

システム部 弘友綾音氏
システム部 部長 吉田篤史氏

02 選定理由使いやすさのほか、既存システムとの連携など将来の拡張性への期待

適用業務イメージ(例)

導入の際には、事前にデモ機を設置し実際に使って試していただいた。「顧客番号(顧客属性)をスキャンした文書に紐づけして管理できるのが一番便利だった」と吉田氏は語る。今までは免許書等の本人確認書類を一度コピーしてからスキャンする必要があったが、そのまま読み込めたこともポイントになったと言う。

当初、イメージ管理システムは他社製のものを検討していたが、SF400との親和性や集中スキャナーへの対応も可能な点、電子帳簿保存法対応に必要となる改ざん防止・タイムスタンプ付与ができる点が評価され、当社の提案が採用された。イメージ管理システムとスキャナーを同一ベンダーから納入できれば、サポート窓口を集約でき、問い合わせ時に便利なことも選定理由の一つだった。

トラブル対応への速さも決め手に

「トラブル時の迅速な対応も決め手でした」とシステム部員の弘友氏は語る。同氏によれば、SF400のデモ機を検証していたときに一度不具合が発生した。「システムを起動したときに完全に初期化されて焦りました。営業担当に連絡をしたところ、すぐに技術部門の方と連携していただき、設定を変えることで不具合を解消することができました」と当時の様子を語ってくれた。営業担当と技術部門が連携した迅速なトラブル対応力も、キヤノンマーケティングジャパンの強みである。

03 導入後の効果スキャン時の手間が減り、その分お客さま対応に使える時間が増えた

スキャン時の手間が減り、その分お客さま対応に使える時間が増えました

SF400では、原稿の種類(厚紙、薄紙)、印字面(片面、両面)、印字方向が混載した書類も気にせずスキャンができる。更にSFSLPの機能を併用することで、「本人確認媒体のスキャン時など、スキャン画面上で指をスライドさせるだけで機微情報のマスキングも可能になり、表裏もA4片面に自動割付されるため、従来の煩雑な作業をなくすことができる。

従来1件あたり2枚を要していたコピー枚数も1枚になり、またコピーミスも減ったことで、紙の使用量削減にも貢献している。

本人確認媒体の表裏コピー取得、機微情報マスキングというちょっとした手間が減るのは些細なことかもしれません。しかしながら、10人お客さまがいるとすれば10回分の手間が減ることになります。1回分の作業で削減できる時間はわずかですが、それが積み重なってお客さま対応に使える時間が増えましたね」と弘友氏は笑顔で語る。

金庫内からも「スキャンしやすくなった」の声

直感的に使用できる画面操作性
習熟度に依存しないスキャン操作性

また、営業店に勤める弘友氏の同期からも、「スキャンしやすくなった」との声が届いている。「融資担当も帳票をスキャンする回数が多いので、SF400を導入することで手間が減り、業務効率アップにつながっていると思います」と弘友氏。 今回、SF400とSFSLPを連携し、入力方法や用紙の置き方といった操作方法を画面表示させることにより、直感的に使える仕様にした。 これまで同金庫では、スキャナーの使い方がわからない場合はシステム部に問い合わせが入っていた。操作画面の表示により、問い合わせ対応に費やす時間を大幅に削減し、システム部の負担軽減も実現できているという。

04 今後の展開スキャン文書のOCR処理やドキュメント管理の自動化を進め、さらなる業務効率化を図る

SFS Lite PLUS 操作画面イメージ
SFS Lite PLUS 操作画面イメージ

今回、キヤノン製のスキャナーに加え、立山科学製のイメージ管理システムを導入したことにより、業務横断的な管理・検索を実現。また、契約書などの一定期間および永久保存が必要な書類の電子化実現のためにタイムスタンプ機能を実装した。「問い合わせ窓口の対応や営業担当のレスポンスはとてもよいので、この体制を維持してほしいです。また、他金庫や地銀などの事例についても情報をいただければありがたいです」という要望をいただいている。

今後の展望について、吉田氏はこう語る。「キヤノンMJさんのドキュメントソリューションの強みを活かし、スキャニングした書類のOCR処理やドキュメント管理の自動化も進めていくつもりです。相続関係の書類など、電子帳簿保存法に対応した帳票の種類を増やし、紙を極力持たないようにしたい。そうして創出できた時間で、アプリバンキングの充実やお客さまとのチャネル強化を進めていきたいですね。信用金庫はセキュリティが命なので、セキュリティを確保しつつお客さまとの接点を強化して情報発信していきたいです」。

SSBソリューション社や他社システムとの連携も期待

スキャナーとイメージ管理システムに加え、さらに、信用金庫業界で圧倒的なシェアを獲得している「経費支払システム(SSBソリューション社)」との連携も近日中に予定している。これも、改正電子帳簿保存法やインボイス制度の対応を見越してのことだ。吉田氏からは「大手ベンダーでは他社との協業は難しいようですが、キヤノンMJさん・立山科学さん・SSBソリューションさんと3社で協業していただけるのはありがたいです」と評価をいただいている。
福岡ひびき信用金庫全店へのキヤノン製のスキャナー導入は実現できたものの、業務用途を拡大していくのはまだまだこれから。キヤノンマーケティングジャパンとして、さらに協業ベンダーとの連携を強化させ、投資信託や保険、相続などさまざまなお客様の業務をサポートすることで、デジタル化や業務効率化に貢献していく。

業務システム連携イメージ(将来像)
今後も強固なパートナーシップを継続します

福岡ひびき信用金庫

事業内容 : 信用金庫
従業員数 : 567名
所在地 : 福岡県北九州市八幡東区尾倉2-8-1
設 立 : 1924年1月
資本金 : 34億77百万円

※本記事は取材時(2023年2月)のものです

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