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鳥取県内の建設業に総合専門紙を発行する新聞社が生き残りをかけたPODによるフルカラー化を実現
有限会社日刊建設工業新聞

業種:印刷・出版・デザイン | 従業員規模:1~49名 | 成果:業務効率の向上、顧客満足度向上、商品サービスの強化

日刊建設工業新聞は、鳥取県内の建設業に向けた総合専門紙。政府所管である日本郵政から第3種郵便物の認可を受け、約3,000部を日刊で発行。建設関連会社のほか、役所や地元議員、資材販売店、ガソリンスタンドなどに届けています。
「昭和26年(1951)の創刊以来、県内の建設産業界を中心に支持を得て、愛読され続けています。紙面には、20名の記者が役所や県内の業者を飛び回って集めた、正確で役立つ情報を掲載しています。」と話すのは、代表取締役社長の松本紳一郎さん。
imagePRESS C850によるPOD(デジタル印刷)や組版ソフトであるEdianWingの導入について伺うと、新聞業界の厳しい現状を伝えてくれました。「全国紙、専門紙に限らず新聞業界は、インターネットの登場などもあって、現在、凋落の一途をたどっています。そのような状況のなかで、どうやって生き残っていくかを考えるなかで、きれいなカラー印刷を可能にして、効率化が期待できるPODの導入に至りました。新聞における自社生産でのPODは、恐らく日本初ではないかと思います。」
さらに、それまで使用していたオフセット印刷機の老朽化や、印刷を担当するスタッフの確保が困難だったことなども重なり、松本さんはPODでの新聞印刷を決断します。

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導入背景老朽化したオフセット印刷機、人材不足などの問題に試行錯誤

タブロイド版で発行している日刊建設工業新聞は、オフセット印刷機が使われていました。しかし、老朽化が目立ち、買い替えなどが検討されます。
「同型の印刷機は、今後の需要が見込めないためか現在はつくられていないことがわかりました。購入するとなると中古品しかなかったのですが、それも非常に高額でした。」と松本さん。他の印刷所に依頼することも考えますが、金額やスケジュールが折り合わなかったとのこと。
また、印刷機についての試行錯誤が続くなか印刷を担当していたスタッフが辞めてしまい、印刷自体ができないのではないか、という思いに至ったことも。「どうしようかと悩んでいたときにPODの話を聞き、偶然、手にしたチラシをきっかけに訪問した展示会でキヤノンに出会いました。」

選定理由紙を選ばないことがポイントに

「キヤノンのきれいなカラー印刷を見たときに、これで新聞が印刷できたらいいな、とイメージすることができました。」と振り返る松本さん。他社のPODとの比較検討も行った結果、種類を選ばず新聞に適した紙が使用できることが大きなポイントになったとも教えてくれました。
「imagePRESSC850導入を機に、紙面を全てカラー化して好評を得ています。キヤノンの担当者さんは、夜遅くまで点検や調整をしてくださいました。とてもありがたいと思っています。」専務の山本剛護さんには、組版ソフトEdian Wingについて伺いました。
「デモを見たときに、扱いやすいソフトだなと。現場のスタッフからも旧来の組版ソフトの延長上で使えるという感想がありましたので、キヤノンを選びました。移行も問題なく行うことができましたよ。」

導入後の成果作業時間、紙のロスなどの削減に加え、油やインク汚れのない、きれいな職場に

「旧来の組版ソフトでは1ページに30分くらいかかっていた作業が、EdianWingですと10~15分でできるようになるのではないかと。作業時間が削減されることで、編集作業の締め切りに余裕ができるのではないかと思います。」と語る山本さんに、imagePRESS C850の成果についても伺いました。
「POD導入前は、オフセット印刷での色調整が難しく、色調整による紙のロスが大量に出てしまったりしていました。」当時は仕方がないことと思っていた不具合も、imagePRESS C850導入後は解消されたとのこと。
印刷後に発生していた手作業による“折り”の作業も自動化され、その大きな違いを実感しているといいます。「オフセット印刷では紙粉が舞いましたし、油やインクで汚れることが多かったのですが、職場をきれいに維持できるのもうれしいですね。」

今後の展望読者の満足度向上を目指して

imagePRESS C850やEdianWingへの導入によって作業時間の削減し、“働き方改革”につなげることができたとの声も寄せてくれた松本さん。「日刊建設工業新聞のフルカラー化が実現できたことで、紙面の高級化も図れました。広告主にも満足していただけて、広告の価格も上っています。読者の落ち込みを減らしたいと考えて実践したことが実り、若干ですが部数も伸びています。逆風が吹いたこともありましたが、そんなときに出会ったキヤノンには本当に助けられました。」
また、IT化に成功した新聞は例が少ないのが現状ではあるものの、電子新聞にも挑戦していきたいといいます。「読者の満足度が向上することを目指し、紙の文化として続く新聞としての可能性を広げていきたいですね。」と語ってくれました。

有限会社日刊建設工業新聞

事業内容:日刊建設工業新聞の発行、月刊経審の発行
所在地: 鳥取県米子市祇園町2丁目33 -13番地

※本記事は取材時(2017年12月)のものです

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