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クラウド型のAI OCRソリューションでFAXと紙の受注プロセスをデジタル化 大幅な効率化を通じて組織力の強化を目指す株式会社タナカ



業種:建材メーカー | 従業員数:454名(2021年6月現在) | 成果:業務効率向上・ミス低減

木造住宅用の耐震金物を提供する株式会社タナカ様。同社はFAX で受けた紙の注文書の処理をデジタル化するためにキヤノンマーケティングジャパンが提供するクラウド型のAI OCRソリューション「CaptureBrain」を活用しています。注文書データの基幹システムへの入力作業を自動化し、大幅な効率化とミスのリスクの低減を実現。この改善を営業事務の役割の再定義と、営業部門全体の組織力強化につなげたいと考えています。

01 導入背景FAXで受けた注文書を転記入力/デジタル化が難しい紙のプロセス

木造住宅用の耐震金物、補強金物の開発・製造・販売を行う「住宅資材」、帳票やDMなど印刷物を扱う「情報メディア」、公営の選挙ポスター用掲示板を提供する「選挙ディスプレイ」という3つの事業を展開するタナカ様。中でも住宅資材事業は、住宅の耐久性に対するニーズの高まりを受けて、近年、急速に成長しています。

現在、同社はデジタル技術を活用した様々な課題解決に取り組んでいます。その1つが受注業務の改善です。
同社は鉄鋼メーカーから仕入れた材料を工場で加工・成型し、住宅1棟分ごとにアッセンブルして顧客である施工会社や木材加工会社に提供します。
その注文を効率的に処理するためにデジタル化を進め、独自のWeb受注システムを構築したり、メールで受け付けたExcelファイルを基幹システムに投入できるようにしたりして、受注からピッキングリスト生成、出荷までを効率的に行える業務プロセスを構築しています。

しかし、FAXによる受注だけは、どうしてもデジタル化が難しい状況でした。
「高いハードルとなっていたのが『紙』によるアナログな作業です。FAXで紙の注文書を受け取ったら、担当者が1件ずつ基幹システムに転記入力して業務受注処理を開始します。1日およそ80棟分の注文をFAXで受けていますが、1棟分の注文書には20~40行の明細情報があります。この膨大な数の転記入力に追われる担当者には、当然、大きな負担がかかります。また、人手で作業するわけですからミスの懸念も拭いきれません」とタナカの網代 猛氏は語ります。

02 解決策クラウド型のAI OCRソリューションを採用サポートを受けてスムーズに利用を開始

FAXと紙による受注処理をなんとか効率化したい。そのために同社が導入したのがスキャニング/文字認識(OCR)技術です。転記入力を自動化して業務効率と正確性を向上しようと考えたのです。
具体的にはキヤノンマーケティングジャパンが提供するクラウド型のAI OCRソリューション「CaptureBrain」を採用し、既に一部の注文からデジタル化を進めています。
選定時はCaptureBrainの豊富な実績が証明する読み取り精度や、導入しやすいクラウドサービスであること、使いやすさなどを高く評価しましたが、キヤノンITソリューションズのサポート力も高く評価しています。
「そもそもITの専門家ではない私たちがすぐに使いこなせるくらい、シンプルで分かりやすい仕組みですが、利用開始にあたってはハンズオンセミナーを複数回実施してもらうなど、サポートを提供してもらいました。そのおかげで新しいプロセスの設計や、必要な帳票の登録作業などの準備をスムーズに進めることができました」とタナカの鈴木 陽子氏は強調します。

受注処理業務の改善イメージ

03 導入後の成果3時間の作業を1時間で完了 入力ミスの発生もゼロ

CaptureBrainを活用して、タナカ様はFAX 受注のプロセスを次のように改善しました。
受信した注文書は複合機内でPDF化され、指定したフォルダに格納されるようにしています。そのPDFファイルをCaptureBrainにアップロードしてOCR処理を実行。テキストデータをCSVフォーマットのファイルとして出力し、それを基幹システムに投入し、その後のピックアップリストの生成、出荷へとつなげています。

「毎週3日、最大で25棟分/日の注文を新プロセスで処理しています。項目数にすると1日あたり約1000項目のデータを処理している計算です。以前は担当者がかかりきりで行っていた膨大な転記入力を自動化することができ、少なくとも3時間はかかっていた処理が約1時間で完了するようになっています」とタナカの横尾 綾氏は説明します。
また、入力ミスは一度も発生しておらず、ミスのリスクも低減。「私たちが納品する部品に不備があると、その後の工事予定が狂ってしまうなど、お客さまに大きなご迷惑をおかけしてしまうことになります。ですから受注処理のミスは、極めて重大。そのリスクを軽減できたことは、お客さまの信頼だけでなく、担当者の精神的な負担軽減にもつながります」と横尾氏は続けます。

04 今後の展開営業事務の役割を再定義 組織力の強化に期待

CaptureBrainによる成果を受けて、同社はFAXで受けているほかの受注処理も新しいプロセスで処理することを検討しています。
「パイロットの意味合いも兼ねたチャレンジが無事に成功し、自信を持って適用範囲を拡大していけます。これまで注文書の転記入力は営業事務の人員があたってきましたが、本来、彼・彼女らに期待したいのは営業活動のサポート。営業事務の役割を再定義して、組織力の強化につなげていきたいですね」と網代氏は力強く語ります。
その一環としてCaptureBrainによる業務の属人化の解消にも取り組んでいきたいと考えています。
注文情報を基幹システムに投入する際は、商品コードを追記するルールとなっていますが、商品が汎用品ではなく、独自仕様のカスタム品である場合は、商品コードが特殊なため特定の担当者の経験と知識に頼る部分が多く、それが受注業務の属人化につながっていました。「自動補正を行うためのCaptureBrainユーザー辞書機能を応用すれば、注文書の商品名に商品コードをひも付けて、自動で追記される設定を実現できるとキヤノンITソリューションズにアドバイスをいただきました。現在、その実現に向けてプロセスをさらに改善しようとしているところです。業務の属人性は休暇の取りやすさにも影響するため、今後の働き方改革にもよい効果があると考えています」と鈴木氏は言います。
このように同社は、CaptureBrainを活用して、デジタル化が遅れていた紙の受注プロセスを大幅に効率化しました。既に述べたとおり、属人化の解消に向けたチャレンジなど、今後もプロセス改善を継続し、さらなる課題解決を図っていく構えです。

プロジェクトの中心メンバー
左から営業統括課 課長 石川修一氏、横尾氏、鈴木氏、網代氏

株式会社タナカ

所在地:茨城県土浦市藤沢3495-1
事業内容:1950年の創業以来、「よきモノづくり」を通じて社会の発展に貢献することを理念にビジネスを展開。今日では「住宅資材(木造住宅用補強金物)」部門、「情報メディア(印刷)」部門、「選挙ディスプレイ(選挙ポスター掲示板)」部門の3つの部門体制で、各領域において常に進取の精神を持ち続けて事業に臨み、顧客に対する新たな価値提供を目指している。

  • 社名、問い合わせ先等は取材当時のもの使用しております。
  • クラウド型AI OCRソリューション「CaptureBrain」は2022年7月にキヤノンマーケティングジャパンに商品事業が移管しました。


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キヤノンマーケティングジャパン株式会社 デジタルドキュメントソリューション企画課