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カナ文字未対応だったOCR処理を完全自動化 4時間の業務を1時間に短縮するなど大幅な効率化に成功十六電算デジタルサービス株式会社



業種:ITサービス | 従業員数:62名(2022年3月末現在) | 成果:コスト削減・業務効率向上・ミス低減

AI OCRを活用して業務を大幅に効率化した十六電算デジタルサービス株式会社

十六電算デジタルサービスは、事業者が顧客から受け取った口座振替依頼書を取りまとめて金融機関に提出し、代金回収を行う収納代行サービスを提供しています。扱う依頼書は、多い月は13,000枚にもおよび、依頼書管理システムへのデータ入力作業が大きな負担となっていました。そこで、同社が採用を決めたのがキヤノンマーケティングジャパンのAI-OCRソリューション「CaptureBrain」です。従来のOCRソリューションが抱えていたカナ文字対応や文字認識率、画面操作性の向上といった課題を解決し、約4時間かかっていた業務が約1時間で完結するようになるなど、大幅な業務効率化を実現しています。(掲載:2022年12月)

01 導入背景口座振替依頼書の提出を代行するサービス

十六銀行を中心とする十六フィナンシャルグループの一員である十六電算デジタルサービス。AI(人工知能)やRPA(Robotic Process Automation)などの多様なデジタルソリューションで岐阜、愛知を中心に企業や自治体のDXをサポートしているほか、金融業務に関する豊富なノウハウを生かした代金回収ソリューションで多くの企業の業務効率化に貢献しています。

口座振替依頼書受付サービスも業務効率化に貢献するサービスの1つです。

同サービスを利用することで、事業者も利用者も集金や支払いに関する手間を省略できるとあって、新聞の購読料、学習塾の月謝、フィットネスクラブの会費など、定期的に発生する代金の決済手段として口座振替は広く普及しています。事業者が口座振替を行うには、予め顧客の口座名義や口座番号、振替金額など、必要な情報を記入した口座振替依頼書を金融機関に提出するわけですが、毎月、何十件、何百件ともなると、その負担は決して小さくありません。

「そこで、当社が依頼書の提出を代行しています。お客さまから口座振替依頼書を受け取ったら、記入漏れ、ハンコのかすれといった不備がないかをチェックし、依頼先の金融機関に提出。その際、手続きの進捗管理や問い合わせ対応、集計処理などをするために、依頼書の内容を当社の『依頼書管理システム』に入力しています」と十六電算デジタルサービスの可児 直樹氏は説明します。

十六電算デジタルサービス株式会社
DX事業部 部付部長
可児 直樹 氏

カナ文字に対応できないOCRでは効率化の効果も半減

同社が代行して提出する振替依頼件数は年間約15万件。多い日は1日に約1,800件の依頼書を扱うこともあります。これだけの情報を入力するとなると工数は膨大。そこで同社は、かねてOCRを活用して入力業務の自動化を進めてきました。

しかし、利用していたOCRソリューションが対応していたのは英数字だけ。依頼書管理システムに入力している情報のうち、金融機関番号、支店番号、口座番号は自動入力できても、カナ文字で書かれている預金者氏名は手で入力しなければなりませんでした。「当然、手入力の手間が残る上、転記ミスの懸念も避けられません。せっかくOCRを導入していながらデジタル化のメリットを十分に享受できていない状況でした」と可児氏は言います。

02 選定理由認識精度や帳票の自動仕分け機能などを高く評価

十六電算デジタルサービスは、依頼書管理システムのリプレースを契機にOCRソリューションの見直しに着手。PoC(Proof of Concept)を実施して複数のソリューションを比較し、最終的にキヤノンマーケティングジャパンが提供するAI OCRソリューション「CaptureBrain」の採用を決めました。

まず評価したのが文字認識精度の高さです。「CaptureBrainは、英字、数字に加え、カナ文字を含む日本語も高い精度で文字認識するOCRエンジンを搭載しています。氏名や住所、金額などに特化したOCRエンジンも複数搭載しており、認識対象に応じてエンジンを切り替えて対応。手書き文字にも強く、高精度な読み取りが可能でした」と十六電算デジタルサービスの坂本 幸司氏は言います。

また予め登録しておけば異なるフォーマットの帳票にも自動対応できる帳票仕分けも評価しました。「お客さまからいただく口座振替依頼書はさまざまなフォーマットがあります。現状、約20種類くらいのフォーマットが混在しているのですが、人手で事前に仕分けたり、フォーマットに合わせて設定を変えたりせずとも、一括アップロードすればCaptureBrainがフォーマットを自動仕分けして適切に情報を読み取ってくれます」と坂本氏は続けます。

さらにCaptureBrain のベリファイ(突合確認)画面の見やすさも採用を後押ししました。「スキャニングして取り込んだ帳票の原本イメージと認識結果が上下に並んで表示されるため、最小の視線の移動でベリファイを行えます。効率的な上、確認ミスも減ると感じました」(可児氏)。

CaptureBrainの帳票仕分けイメージ
A社、B社、C社……異なるフォーマットの依頼書を一括アップロード。異なる帳票を認識。自動で仕分けしてOCR処理。

03 導入後の成果16時までかかっていた業務が午前中で終わることも

CaptureBrainの導入によって、同社は英数字だけでなくカナ文字まで、口座振替依頼書に記入されているすべての文字を自動入力できる環境を実現しました。「専用のスキャナを使ってOCR処理を行うのですが、数秒程度で高速に読み取ってくれます。カナ文字対応、ベリファイのしやすさ、そして高速処理という特長によって、依頼書管理システムへの入力業務は大幅に効率化されています。以前は6名の人員で11時から16時ごろまでかかっていた入力業務が、現在は早ければ午前中に完了しています」と十六電算デジタルサービスの河合 里奈氏は言います。

専用のスキャナ(DR-M260)が数秒程度で高速に読み取り

セキュリティーに配慮した提案と対応に感謝

また、新システムはセキュリティー面での工夫も施されています。

CaptureBrainはクラウドサービスであるため、口座振替依頼書のイメージはクラウドにアップロードされます。口座振替依頼書には「銀行印」が押印されているため、そのままアップロードすることには抵抗があったといいます。「そのことをキヤノンマーケティングジャパンに相談したところ、スキャナのソフトの機能を応用して帳票イメージから印影だけを削除する方法を提案してくれました。実際の運用にあたっても、粘り強く陰影の検知精度を上げるためのチューニングを実施してくれました。提案力と対応力に感謝すると同時に、さすが『イメージング』の会社だと感心しました」と可児氏は語ります。

CaptureBrainの導入とさまざまな工夫で口座振替依頼書受付サービスの業務を大きく効率化

04 今後の展開実践で得たノウハウを生かしグループ企業や顧客のDXを後押し

このように十六電算デジタルサービスは、人手が残っていた入力業務をCaptureBrainで完全自動化し、大幅な効率化を実現しました。今後はCaptureBrainの導入を通じて得たAI OCRの活用ノウハウをお客さまのDX推進支援にも生かしていきたいといいます。「実際、あるグループ企業とは既にCaptureBrainを活用した業務改善を進めています。世の中にまだ紙が残っている業務はたくさんあります。それらの業務のデジタル化にCaptureBrainは大いに役立つはず。積極的に提案していきたいと考えています」と可児氏は強調しました。

十六電算デジタルサービス株式会社

業種:ITサービス
従業員数:62名(2022年3月現在)
所在地:岐阜市神田町7-12
設立:1985年8月1日
資本金:3億6,080万円
事業内容:十六フィナンシャルグループのITサービス会社として、岐阜、愛知エリアを中心とした事業者、自治体のDX推進を支援する各種ソリューションの提供、および集金代行サービス「JCSネット」を2本柱に地域密着型のビジネスを展開。

2022年3月現在



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キヤノンマーケティングジャパン株式会社 デジタルドキュメントソリューション企画課