現場が楽になる在庫管理のポイント
製造業や小売業などにおいて、在庫管理は重要な業務の1つです。しかし、在庫管理を厳密に行なおうとするあまり、現場作業者の負荷が増大し、生産性を下げてしまう可能性があります。
この記事では在庫管理を効率化するためのポイントと、システム化手段について解説していきます。
目次
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それぞれのモノを優先度によって分類する
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重要かつ、システム化可能なモノであれば、積極的にシステム化を行う
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システム化する場合、モノによって適した管理手法を選択する
- バーコード(1次元、2次元コード)の活用
- RFID(Radio Frequency Identification)の活用
- IoT重量計×クラウドサービス(SmartMat Cloud)の活用
在庫管理とは
「在庫」とは将来販売することを目指して、企業が所有するモノを指しています。
小売業においては仕入れた商品が該当します。製造業では製品のみならず原材料や仕掛品、商品を生産するのに必要な消耗品も在庫にあたります。
「在庫管理」とはこれらの「在庫」を数量や状態を適正な水準に保つための活動です。
在庫管理はなぜ重要なのか
在庫は少なすぎると売り切れを起こしてしまいます。多すぎても商品の保管や管理のコストが増大しますし、最後まで売れずに大量に処分せざるを得ないこともあります。製造業においては原料や仕掛品を適切に管理出来ていないと、生産が滞ってしまいます。また、在庫がどこにあるかというロケーションの管理が出来ていないと、探す時間もかかってしまいます。
在庫を適切に管理することは、売上の維持や、コスト管理、生産性の向上において非常に重要であると言えるでしょう。
正確な在庫の把握が重要だが・・・、現場の負荷にも・・・
適切な在庫管理をするためには、「何が」、「どこに」、「どれだけ」、「どのくらい使われているのか」という記録を取ることが重要です。
入出庫時の記録や棚卸を行うことで、在庫状況の最新化を行います。在庫がどれだけあるかを把握していれば、補充もやりやすくなります。しかし、在庫管理を厳密に行おうとするあまり、棚卸の頻度を高めすぎると現場作業者の負荷が増大し、生産性を下げてしまう可能性があります。次の章では在庫管理をする際に気を付けておきたいポイントについて解説します。
現場が楽になる在庫管理のポイント
現場作業者の負荷をかけ過ぎずに、適切な在庫管理をするためには以下のようなポイントがあります。
1. それぞれのモノを優先度によって分類する
すべての在庫をリアルタイムかつ完璧に管理することは理想ですが、コストや管理負荷とのバランスを考える必要があります。その為にはABC分析※などを行い、重要なモノとそうでないモノを分け、管理レベルを変えると良いでしょう。
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ABC分析・・・売上、出荷量、使用頻度などの評価軸を決め、その数値が高い順にA~Cの3つのクラスに分類して重要度を分ける手法。
2. 重要かつ、システム化可能なモノであれば、積極的にシステム化を行う
重要度の高いモノは棚卸し頻度を増やすなどが考えられますが、人手がかかります。現場作業者の負荷を軽減するためにも、システム化による効率化を積極的に検討すべきでしょう。重要度の高くないモノにおいても、安価な仕組みを採用して効率化するということも考えられます。
3. システム化する場合、モノによって適した管理手法を選択する
在庫管理を効率化する手段にはバーコードやRFIDの活用など様々な手段が存在します。これらの手段の特徴を理解し、求められる要件に合った仕組みを導入することが大切です。
次の章では、様々な効率化手段とその特徴、オススメの利用シーンについて解説します。
様々な在庫管理のシステム化手段と特徴
バーコード(1次元、2次元コード)の活用
管理すべき対象にバーコードを付与して、在庫を管理する方法です。
特徴
- 他の手段に比べて、安価かつ手軽に始めることができる
- ハンディターミナルなどで、情報を付加することで、ロケーションや作業者の情報も記録可能
- バーコードの付与や読み取りを行うので、負荷がかかる。
オススメの利用シーン
- 紙などアナログで在庫の把握をしており、効率化したいが、手軽なコストで始めたい場合
RFID(Radio Frequency Identification)の活用
RFID(Radio Frequency Identification)とはタグに情報を読み書きできる記録媒体で、無線通信によって情報の読み書きが出来ます。このタグをつけて情報を付与することで在庫を管理する方法もあります。
特徴
- 1度の読み取りで複数のタグを読むことができるので、バーコードに比べて読み取りの負荷が軽減できる
- タグの情報を書き換えることができるので、多様な情報を付与出来る
- RFIDタグはバーコードに比べて費用がかかる他、タグの取り付けなどの手間がかかる
オススメの利用シーン
- トレーサビリティを高めるなど、個体管理をしたい場合
- データの追加や変更が頻繫に必要な場合
IoT重量計×クラウドサービス(SmartMat Cloud)の活用
最近では重さを計ることで、在庫を把握する手法のソリューションが注目されています。代表例は「SmartMat Cloud」です。IoT型重量計を在庫品の下に敷いておくだけで、自動計測されたデータはクラウドサービスへ連携され、重量から在庫数を換算できることで、在庫の増減を遠隔地からでもタイムリーに把握することが出来るというサービスです。(SmartMat Cloudについてはこちらをご覧ください。)
特徴
- IoT重量計が設定された時間(間隔)等で自動的に載っているモノの重さを計測し、インターネット経由で専用クラウドサービスにデータ連携できることで、作業者大幅な省人化・効率化がはかれる。閾値を設定しておくことで自動メール通知などの機能により発注タイミングや必要数量の把握も容易
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バーコードやRFID利用が難しい小型部品、粉体、液体、ケーブル(使う分だけ切断するモノ)など、今まで数量カウントが難しかったモノも管理可能
- 但し、商品の重量に個体差がある場合や、個体識別が必要なモノは適さない
オススメの利用シーン
- 棚卸業務や発注業務にかかる人手や工数を大幅に削減したい場合
- 遠隔地やクリーンルームなどの立ち入りしにくい場所にある在庫を高頻度で把握したい場合など
比較表(バーコード、RFID、IoT重量計)
ご紹介したそれぞれの仕組みの「現場作業の負荷」、「コスト」などの指標で比較しましたので導入検討時の参考にしてください。
現場作業の負荷 | 導入のスピード | 誤差の発生しにくさ | コスト | |
---|---|---|---|---|
バーコード | × | ○ | ◎ | ◎ |
RFID | △ | × | ○ | △ |
IoT重量計 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
まとめ
在庫管理は製造業や小売業にとって非常に重要な業務の一つです。一方で在庫管理を重視しすぎるあまり、頻繁な棚卸しを行い、現場作業者の負荷が増えてしまうと、その他の業務が滞り、残業での対応が必要になってしまう可能性があります。管理したいモノの重要度や特性に合わせて効率化やシステム化を検討し、適切な在庫管理を目指しましょう。
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SmartMat Cloud(スマートマットクラウド)は、株式会社スマートショッピング社が開発・運営するサービスです。
キヤノンマーケティングジャパンは、スマートマットクラウドの再販パートナーです。
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