製造業のヒューマンエラー対策「ポカミスを防ぐ映像の活用方法」
製造業のポカミスとは?
ポカミスとは作業手順に対して、作業を抜かしてしまったり、作業順番を間違うこと、作業(時間や量)が十分でないことを指します。
自動車業界における手作業工程の例

<エンジン組立>
- ボルトやビスの締め忘れ
- ボルトやビスの締め順間違い

<塗り・拭き作業>
- 所定の領域を拭き取れていない
- 必要なエリア全域に接着剤が塗布できていない
家電・住宅設備機器における手作業工程の例

<住宅設備の組立>
(お客さま毎にカスタム)
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オーダーごとに異なる部品を組み付ける
必要があるが、オーダーと違う部品を選定
- 指定工具以外の使用
ポカミスを防止するための手順
- 問題の特定と根本原因の分析(なぜなぜ分析の実施)
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発生したミスの内容・頻度・作業箇所を記録します。作業者へのヒアリングを行い、前後の作業内容も含めて、真の要因を掘り下げます。
- 作業手順の見直し 対策書の作成
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ミスの発生頻度が高い場合は、発生しないように手順の変更や、留意すべきポイントを作業手順書に追記します。それをもとに、原因と対策内容を関係者に周知するために対策書を作成します。
- 作業員の教育と定着確認
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作業ミスが特定の人に依存する場合、対象の作業者に対して教育を行います。対策後、特定箇所のポカミス発生率をモニターし、対策の効果および定着具合を評価します。
さらにポカミスを防止する次の一手「ポカミス防止サービス」
ヒューマンエラー対策を強化する「ポカミス防止サービス」とは?

「ポカミス防止サービス」とは、ネットワークカメラを活用して、人作業の手元を常時撮影し、作業漏れやミスがあれば、即座にモニターやライン管理者に通知するシステムです。
工具の識別、および作業員の手や腕の動きを解析することで、作業漏れや作業ミスを自動的に検出することができます。
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ポカミスを防ぐ仕組みは「ポカヨケ」とも表現されます
「ポカミス防止サービス」の4つの特長
- リアルタイムに手先推定が可能
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ネットワークカメラの映像から人の手先の動きをリアルタイムに検知することができます。
- 工具や上半身の関節点検出も可能
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手だけでなく、工具や上半身の関節点の検出も可能であるため、様々な作業の判定に適用することができます。
- 作業判定と結果表示のための機能が充実
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手先や工具、上半身の情報と判定機能を組み合わせることで様々な作業の判定に適用することができます。
- 録画システムとの連携による要因分析
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録画システムと連携することにより、記録した画像から対象個体の作業工程録画映像を即座に検索可能となり、要因分析に活用できます。
「ポカミス防止サービス」の活用例と効果
以下のようなさまざまな現場でポカミス防止の支援が可能です。
- 機械組立作業におけるポカミス対策
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組み立てる対象は、例えば複写機など、多くのビス締めが作業としてある場合に、ビスを締めていく順番が手順通りか検知することができます
→手順通りに行われなかったミス検知
- 機械清掃作業におけるポカミス対策
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食品加工の加工機を定期清掃する際に、清掃箇所がすべて清掃されたかを検知することができます
→清掃漏れ検知 - アルコール拭き作業におけるポカミス対策
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自動車のフロントガラスなど透明な部品を接着する前に、接着面をアルコール拭きする際に、所定のエリアをアルコール拭きできたか検知することができます
→拭き漏れ検知
- 設備点検作業におけるポカミス対策
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重要設備点検では点検手順通り作業する必要がありますが、作業手順をモニターし、抜けがあった場合、作業員に通知することで本来の作業手順、点検項目を確実に実施できるようになります
→点検漏れ検知 - 多品種組立作業におけるポカミス対策
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多品種製造している工程では、品種に合わせて組み合わせる部品が異なりますが、組み立てている品種に対し、数ある部品箱から取り出す部品が合っているか検知することができます
→部品の選定ミス検知
- 加工作業におけるポカミス対策
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稼働中に人の手が入ると危険な加工機に対し、手が危険エリアに入る手前で検知・通知することで、作業者の安全性向上を実現できます
→危険エリアへの侵入検知