4Kディスプレイ導入事例
テレテック中継車を4K対応に更新モニターウォールにDP-V2410を導入
4K/8K放送の未来 HDR制作を見据えた選択
映像技術プロダクションの株式会社テレテック様は、4K/8K放送に向けて機材更新を進める中で、スポーツ中継などで活躍する「HD-108号車」を4K対応にアップグレードし、2016年春より運用を開始した。この中継車のモニターウォールにはキヤノンの4KディスプレイDP-V2410が導入され、HD/4Kの中継現場における運用だけでなく今後のHDR(High Dynamic Range)映像制作でも活躍が見込まれている。
同社の機材導入などを統括している放送機材/システム担当の保坂雅一氏に、DP-V2410導入の背景や使用感などについてお話を伺った。
機材更新にちょうどよいサイズの24インチ
-4K放送に対する御社の取り組みについてお聞かせください。
4K/8K放送のロードマップが敷かれている中で、なるべく早い段階で対応機材への置き換えに取り組まなければならないだろうという思いはありました。
DP-V2410が搭載されている新しい4K対応中継車HD-108号車は3月から稼働しており、ちょうど今年(2016年)の8月から試験放送が始まったり、12月からBSによる4K・8K試験放送が始まるので、良いタイミングになったとも思っています。そういった将来的な放送に向けて取り組んでいます。
-DP-V2410を導入した背景についてお聞かせください。
ちょうど良いサイズだったというのが一番の理由です。中継車内を4K対応に更新する際に、モニターウォールの部分はインカム関係機材とモニター機材は全部残しました。このモニターウォール上部に元々設置してあった3Dモニターを4Kモニターに更新したいと思っていたところ、DP-V2410がぴったりだったわけです。このモニターは制作やプロデューサーに4K映像を確認してもらうためのものです。
モニターウォールにあるほかのモニターはHDでの素材確認です。そのほかも一部機材はHDしか対応してない機種がありますが、そこはうまくやりくりしています。
-DP-V2410に求めていた機能は何でしょうか?
DP-V2410は2015年のNAB(National Association of Broadcast:毎年米ネバダ州ラスベガスのラスベガス・コンベンション・センターで開催される放送機器メーカーなどが一堂に集まる展示会)で確認し導入を決めました。30インチのDP-V3010はすでに検証済みで、非常にきれいな印象を持っていましたから、性能は信用した上での即決でした。ただ、現場によってはカメラからスイッチャーを通してディスプレイに入るまで2SI(2-Sampie Interleave Division)でやらなければいけないところがあるので、事前にLogや2SIがファームにて対応予定であることを確認しました。それと、現在は一般家庭で見られているテレビがほとんど液晶なので、現場のどこかで液晶によるチェックもしなくてはと考えていたのも理由の1つです。パネルの材質ごとに当然メリット・デメリットはありますが、制作している映像が液晶ではどう流れているのかは知っておかなければいけないと思っています。
今後必ず伸びるHDRの分野で活躍を期待
-映像を見た印象はいかがでしたか。
画質面や見た目の感じは可もなく不可もなくですが、じつはそれが一番良いと思っています。我々の要望を充分に満たしているということですから。また4Kだけでなく、HDで確認したときの画質も違和感なく見られるというのは大事な点ですね。
現場での使用ではLogも使いましたが、見た目はとてもきれいでした。制作の方々からは大抵「きれいだね」というコメントしか出てこないですけど、4Kではそれが1番大事ですからね。 それからメニューが非常にわかりやすいと思います。メニューはけっこう階層が深くなりがちですけど、キヤノンの4Kディスプレイのメニューはシンプルでわかりやすい作りになっていると思います。
-具体的には現場でどのように活用されていますか。
最近では4Kカメラを7カメ使用したHDRの収録がありました。このときにもDP-V2410を使用しています。
コンサートもので収録尺は2時間半くらい。全部パラで収録してガイド的にスイッチングを行っていました。仕上げはHDRで編集して、最後にITU-R BT.709のLUT(Look-up table)をあててオンエアーしました。
また、野球の4K収録も今後予定されています。スポーツもこれからという感じですが、音楽と合わせて4K制作は今後増えるだろうと見込んでいます。
-4K制作における今後の展望をお聞かせください。
4K/8K制作の中では、HDRは今後必ず伸びる分野だと思って期待しています。4Kをやっている以上、HDRは避けて通れないですよね。その点でも、DP-V2410は活躍すると思っています。HDRの場合、極端にいうと収録するのであれば編集段階でどうとでもグレーディングできてしまうので「きちんと撮れていればOK」みたいなところはありますから、ライブでやるか収録して編集するかで大きく変わると思います。ライブとなると、リアルタイムでHDRの良さをどれだけ引き出せるのかという課題が出てきます。ライブプロダクションとしてそこで失敗はできません。
HDRの検証はすでに進めています。スカパー!などの放送局もHDRは積極的に進めていく方針のようですので、弊社も積極的に進めていきたいと思っています。
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キヤノンマーケティングジャパン株式会社 放送映像営業部