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4Kディスプレイ導入事例

スカパー東京メディアセンターVRC(ビデオレコーディングセンター)にDP-V2410を導入

4KとHDの素材確認用モニターとして活躍

スカパー東京メディアセンター(スカパーJSAT株式会社/東京都江東区)では、新しい4Kチャンネル「スカパー4K体験」の開局や4K HDR放送の開始を見据えて機材の増設を行い、2015年にリファレンス用モニターとしてDP-V2410を導入。4K収録の拠点となるVRC(ビデオレコーディングセンター)のプレビュー卓に設置し、収録映像や回線センターから出力される信号のモニタリングを行っている。
DP-V2410を導入した経緯や使用感などについて、同社の技術運用部門 放送技術本部 放送運用部長 永目和弘氏と、同部の水谷昌史氏、藤田孝政氏にお話を伺った。

4K制作のキーになっているのがモニターであるのは間違いない

-4K放送における取り組みをお聞かせください。

永目「弊社では2015年3月から4K放送として「スカパー4K総合」と「スカパー4K映画」という2チャンネルを放送していますが、2016年5月に新しく無料で視聴できる「スカパー4K体験」を開局しました。プレミアムサービスの付加価値として、このチャンネルで4Kを体験していただくことで視聴者を増やし、ひいては4Kテレビの購買促進にも寄与したいと考えています。
また、最近は4Kをどう発展させていくかという取り組みの中で、HDRの放送をいち早く実現するために色々と準備をしています。」

水谷「4KのHDR放送が可能になったらコンテンツが必要ですし、どう制作するかということも事前に検証しておかなければいけません。我々としてはなるべく早く実現するために、どう撮って編集して放送にもっていくかを研究しているところです。」

-その検証の中には機材の選定も含まれていますよね。

永目「もちろんです。4KやHDRはいかに映像信号を調整するかが肝ですので、モニターも重要になります。
Jリーグの4K中継などはHDでサイマル放送していますが、もし4K HDRをスポーツ中継したらそれも完全サイマルにしたい。そのためにさまざまな信号がコンバート後にどんな画になるのかを検証しています。元の画をいかに適切にコンバートできるかがポイントなので、現場のエンジニアの教育も大事ですが、機材面ではモニターが重要になってくるんですよね。そういう意味で、4K制作のキーになっているのがモニターなのは間違いありません。」

-DP-V2410を導入した経緯を教えてください。

水谷「DP-V2410は2015年に2台導入しました。VRC(ビデオレコーディングセンター)と呼んでいる収録センターと回線センターに1台ずつ導入しています。
弊社がChannel 4Kの業務受託をしていたときから4Kのマスター設備はありましたが、そのあと自社で放送することとなり、さらには生放送をするという話がでてきました。単発で年に数回であれば臨時で機材を借りて組むこともできますが、毎週生放送することになり、これまでのHDチャンネルと同じ運用に落とし込む必要があったのです。
VRCでは業務で扱う信号をモニターできるプレビュー卓があるのですが、そこにDP-V2410を追加しました。収録中の4K信号をリアルタイムにモニタリングしたり、一回収録したものをプレビューするなどの用途で使っています。」

-導入の決め手となったポイントは何でしょうか。

水谷「今回導入させていただいた一番の理由は小型の24インチサイズであったことです。VRCのプレビュー卓にある既存のモニターアームに据え付ける必要があり、大きいサイズのモニターを導入すると改修ボリュームが大きくなる恐れがありました。
また、HDと平行運用することになったので、事前に4K信号とHD信号の両方で動作確認をさせていただき、充分に要求を満たす品質が得られたため導入を決定しました。
プレビュー卓に入ってきた4KとHDの信号は、卓上のスイッチで切り替えてDP-2410に出すことができるようになっています。」


4K、HD、logなど様々な素材が適切かどうかを判断できる利便性の高さ

-実際に使用してみた印象をお聞かせください。

藤田「DP-V2410は4KモニターながらもHD 59.94iの信号を入力しても違和感がありませんでした。4KとHDの兼用という点ではかなりいい感触です。サイズも手ごろなサイズです。」

永目「VRCはさまざまな素材を扱う場所です。SD、HD、PAL、SECAM、まだ少ないですが、4Kの50pを60pに変換したり。そして各種4KのHDR Logの素材も存在します。そういったさまざまな素材が適切かどうかを判断できるモニターという点で、DP-V2410は非常に利便性が高いと思います。
4KだけではなくHDも日頃見慣れた画質がそのまま見られるところなど、多様性に優れているのではないでしょうか。」

水谷「VRCではモニターの用途が編集ではないので、ずっとカラーバーが映っていたり、静止画が長い時間流れることもあるのですが、液晶は焼き付きが少ないというメリットもあるので今回の用途からすると安心していられます。」

-視野角やメニュー設定などインターフェースの使用感はいかがですか。

藤田「メニューもわかりやすい作りになっていると思います。項目が多い割には操作方法がダイレクトで、あまりと思ったことはないです。」

永目「いまのところ設定はあまり変えていないですが、今後は色々な素材が入ってくる可能性があるのでメニューの使いやすさは大切です。LUTを間違ってしまったりすると異常な画が出てしまうので気を使う部分ですね。」

-階調や色域の対応力についてはいかがですか。

永目「階調については中間色より上の表現力が優れているように思います。
モニターの分野は、CRTが隆盛の頃にはオペレーターが調整する項目がいっぱいありました。ちゃんと調整すれば正確に再現して、かつ家庭で見るときの状態まで想像できましたが、いまではどのメーカーのモニターも調整項目が限られていてモニターそのもののポテンシャルがとても重要になってきています。コントラストやブライトネスでも調整できますが、そこを変えてしまうとリファレンスの用途としては使えません。
信号を入力したら何も調整せずに正確に再現してくれなくてはいけないので、昔よりモニターに対する要求は上がっているんじゃないかなと思います。DP-V2410はそういった面で見ても、評価できるディスプレイですね。」

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