臨場感あふれるダイナミックな3D/VRコンテンツで大井ダム・発電所の魅力を日本中に発信関西電力株式会社
業種:電気事業、熱供給事業、電気通信事業、ガス供給事業 等|従業員数:31,428名(グループ全体)|成果:顧客・従業員満足度向上、社会貢献
健やかな今日や明るい未来を守っていく。社会インフラに関わる多彩な事業を展開する関西電力
「“あたりまえ”を守り、創る」を経営理念に掲げ、豊かな社会づくりに貢献し続ける関西電力。その中で水力事業本部は、152ヶ所の水力発電所を維持・運用するエキスパート集団。高い技術力と安全管理のノウハウを駆使し、国内外の水力発電所新設、DX・最新テクノロジーを積極的に導入した水力発電システム全体の最適化、既設ダムの活用による地域防災への貢献など、水力事業のさらなる進化と持続可能な社会の実現を目指して日々一丸となって取り組んでいます。同社の水力事業本部では、かねてより水力発電所の魅力発信や地域活性化につながるより良いコンテンツの制作を模索しており、キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)の「コンテンツプロモーション」を新たに活用したことで、目覚ましい成果を挙げています。HpXグループの岩立氏、田中氏に導入における背景やサービスの選定理由、運用の効果などについて詳しく伺いました。
01 導入背景大井ダム完成100周年イベントに相応しい優れたコンテンツを模索
全国で152ヶ所にもおよぶ水力発電所の維持・運用を行う関西電力。日々の稼働や安全のための保守における総合的な管理に注力するほか、同社では常に時代に合った新たな取り組みの可能性を追求しています。そのなかで具体的にどういった課題と直面していたのでしょうか。
VR技術を応用した体験空間の実現を目指して
当社では、かねてから水力発電設備の保守や設計業務の効率化・高度化を目的に、ダムや水力発電所をVR空間で再現することを模索していました。そうしたなか、2024年12月に大井ダム・発電所が完成100周年を迎えるにあたり、立地地域の恵那市を中心とした「大井ダム完成100周年イベント」の開催が決定しました。
イベントを盛り上げ、地域活性化にもつながる良いコンテンツができないかと試行錯誤を繰り返した末に、たどり着いたのが社内で検討を重ねていたVR技術の活用です。臨場感たっぷりのVR空間であたかも実際に見学しているかのような体験をしていただくことで、多くの皆様に気軽に設備を見学してもらえ、ダムや水力発電所について分かりやすく学べる機会を提供できるのではと考えたのです。そして、この試みを具現化してくれるパートナーとして選ばせていただいたのが、キヤノンMJさんにご提案いただいた「コンテンツプロモーション」の企画でした。


02 選定理由驚きや感動をもたらすVRコンテンツを実現できるキヤノンMJの総合力
大井ダム・発電所の完成100周年を迎えるにあたり、キヤノンMJの「コンテンツプロモーション」を選択した理由はどこにあったのでしょう。提案内容や導入の決め手となったポイントなどを伺いました。
確かな評価を集める質の高い過去作品の数々
キヤノンMJさんとは以前からお付き合いがあり、当社の宇治発電所において設備保守保全業務へのデジタルツイン活用PoCを行った実績があります。加えて、キヤノンMJさんは文化庁やスポーツ庁、国土交通省といった官公庁と連携したVR映像や3DCG、メタバースなどの制作実績が豊富です。そのどれもが優れたクオリティで、関西電力の魅力向上・発信に向けたコンテンツを実現していただける確かな期待感が持てました。もちろん、長年にわたって蓄積してきたカメラ開発における技術力とキヤノンブランドの信頼性も安心材料の一つです。
人々の感性に響くコンテンツを具現化
ご協力いただく制作会社の選定を進めるうえで、特にキヤノンMJさんが光っていたのが企画力。他社は高精細なVR映像を形にするだけのプレゼンテーションが多いなか、キヤノンMJさんにはお子様から大人の方まで親子で楽しめるエンターテインメント性に富んだ面白いコンテンツを提案していただけました。私たちの要望も細やかに取り入れていただき、一緒に良いモノを作り上げていく姿勢と親身なパートナーシップも後押しになりました。
業界屈指のクリエイティブ力
最終的な決め手になったのが、VR分野のトップクリエイターやプロダクションとの強固なネットワークを活かした企画から撮影、編集、納品までの一気通貫した制作体制。さらに、2024年12月のイベント実施までタイトな制作スケジュールにも関わらず、質の高いコンテンツ制作を確約していただけ、当社の予算に見合った費用で対応していただけたことも非常に有り難く感じています。
03 導入後の成果趣向を凝らした3D/VRコンテンツで大井ダム・発電所の魅力を伝えるリアルな体験の機会を創出
ダム・発電所の広大なVR空間を実現
当社では、大井ダム・発電所100周年記念サイト「大井ダム&発電所 VR図鑑」を2024年12月11日より公開しました。メイン企画である「VR図鑑」は、大井ダムや発電所のさまざまな施設をリアルな仮想空間として再現したコンテンツです。
パソコンやスマートフォンで操作し、大井ダム・発電所の敷地内をまるで散策しているように360度ぐるっと見て回れます。発電所建屋や配電盤室、水車室といった普段は出入りできないレアな場所も自由自在に見学でき、VR空間の各所に配置されたタグをクリックすると水力発電の仕組みや歴史紹介などのメッセージが表示されて分かりやすく学べます。
「VR図鑑」は専用ゴーグルで立体的な映像として見ることができるイベント用のコンテンツとしても活用しています。VRを体験した方からは、「貴重な場所に足を踏み入れた気分を味わえて面白かった」「ほかの珍しい場所も、ぜひ見てみたい」「ダムや発電所の現地にも行ってみたいと思った」など、たくさんの好意的な声が寄せられ、水力事業の魅力をより効果的に伝えられるようになりました。
親子で楽しめる多彩なメニュー構成
また、サイト内には「Canon EOS」で撮影した高精細な3D/VRムービーもあり、実際に現地を訪れたかのような臨場感のある映像体験ができるのも大きな魅力の一つです。さらに、VR空間の中のヒントを頼りに答える大井ダム・発電所に関するクイズほか、正解するとスペシャルムービーを見ることができる7つのキーワード探しといった趣向を凝らしたメニューもあり、お子様から大人の方まで親子で遊びながら楽しめる構成になっています。
当サイトは公開後より着実にアクセス数が伸びており、大井ダム・発電所のPR効果はもちろん、関西電力のイメージアップにもつながっていると実感しています。


「VR図鑑」を鑑賞している様子(壁に「VR図鑑」を投影していますが、VRゴーグルでは、立体的に見えます。)
04 今後の展開進化し続けるVRをはじめとする先進技術を有効活用し、新たな可能性を拓く
キヤノンMJの「コンテンツプロモーション」で高精細なVR空間や3D映像を実現した同社。
最後に、今後の取り組みや展望について伺いました。
さらなる魅力発信や地域活性化のために
全国的な市町村の過疎化問題は、私たちの水力事業における課題の一つでもあります。
そこで各水力発電所の立地地域と連携して開催するイベントなどを企画する際は、地元のニーズを踏まえつつ、今回のVR制作を良い事例として参考にしたいと考えています。また、当社が運営する他のダム・発電所のPRツールや、水車・発電機の内部が分かるコンテンツの制作を検討しているので、新しいアイデアを入れながら横展開できればと思っています。
関西電力グループとして、事業の中身や各施設の魅力を伝えるより多くの機会を創出するために、今後ともVRをはじめとする先進技術を積極的に活用し、時代の一歩先をゆく取り組みに挑戦していきます。
関西電力株式会社
事業内容:電気事業、熱供給事業、電気通信事業、ガス供給事業 等
所在地:大阪市北区中之島3丁目6番16号
設立:1951年5月1日
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本記事は取材時(2025年10月)のものです。
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