超高感度モノクロCMOSセンサー"35MMFHDXSMA"を発売 0.0005luxの低照度環境下でモノクロ動画の撮像が可能
2019年3月26日
キヤノン株式会社
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンは、35mmフルサイズの超高感度モノクロCMOSセンサー"35MMFHDXSMA" を本日より発売します。
おもな特長
"35MMFHDXSMA"は、肉眼では被写体の識別が困難な0.0005lux(ルクス)※1の低照度環境下で、モノクロ動画の撮像が可能な35mmフルサイズの超高感度CMOSセンサーです。特殊用途で求められるアスペクト比に対応し、長時間露光時の暗電流ノイズ※2の低減を実現することで、天体観測や自然災害の監視、産業用途など、超高感度撮影の幅広いニーズに対応できます。
0.0005luxの低照度環境下でもモノクロ動画の撮像が可能
"35MMFHDXSMA"は、モノクロに特化することで広範囲の波長の光を検出できるようになり、超高感度カラーCMOSセンサー「35MMFHDXSCA」(2018年8月発売)と比較して約2倍の感度を実現しています。また、一辺19μm(マイクロメートル)の大きな画素による、超高感度を実現しながら、画素が大型化すると増える傾向のあるノイズを低減することで、超高感度と低ノイズを両立しています。例えば分子・細胞生物学の研究分野において、微弱な蛍光を発する試料の観察ができるなどの活用方法が期待されます。
特殊用途で求められるアスペクト比に対応
フルHD(1920×1080画素)よりも広い範囲である2160×1280画素の読み出しが可能であるため、広範囲撮像が求められる天体観測用途に適しているだけでなく、特殊なアスペクト比の高画素画像のニーズがある監視・産業用途にも対応します※3。また、必要な画素部のみ読み出しを行う読み出し位置制御機能※4により、読み出し行数を少なくすることで、フレームレートを高めることが可能となり、夜間の高速道路におけるナンバープレートの識別など、監視用途などにも応用できます。
長時間露光時の暗電流ノイズの低減を実現
一般的に天体観測では、長時間露光時に、わずかな明るさの星の観測を困難にする暗電流ノイズの発生を抑えるため、カメラを冷却しながら使用します。本製品は、周辺回路の駆動方式を工夫することで、低温状態においてもなお発生する暗電流ノイズの低減を実現しています。これにより、10等星程度のわずかな明るさの星の天体観測などにも活用することが可能です。
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※1
星明かり程度の明るさ。
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※2
光が当たらなくても熱によって生じるノイズ。
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※3
監視用途では6:4、産業用途では1:1のアスペクト比のニーズがあります。
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※4
垂直方向の切り出しのみ可能。
CMOSセンサーの市場動向
AIやIoTの進歩に伴い、さまざまな監視・観測現場での画像解析用途として高性能なCMOSセンサーの需要が増加し、さらなる市場拡大が期待されています。高感度センサーは、工場などの産業分野をはじめ、微生物の微弱光観察など生命科学分野や、極力少ない光照射が求められる部位の観察など医療分野における応用も可能です。また、監視分野においても、昼夜問わず高感度で撮影された画像は、防犯性の向上につながるとしてニーズが高まっています。(キヤノン調べ)
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