事業拡大・販路拡大MA(マーケティングオートメーション)のリード獲得とデータクレンジングの実践法

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ワンマーケティング株式会社 代表取締役 垣内 良太氏に「営業組織のDX推進」をテーマに語っていただく企画の第4弾。

これまでBtoB営業にDXが必要な背景や組織が抱える課題からマーケティングオートメーションにおけるステージ管理やリードライフサイクル、データ一元管理の喫緊な必要性について語っていただきました。

今回は、より具体的にステージごとのナーチャリングや効率の良いリードジェネレーション、データクレンジングをテーマにお話をお聞きしました。



MAではステージごとのアクションと施策が鍵を握る

第3回では、マーケティングオートメーション(以下MA)のリードライフサイクルやステージ管理の重要性についてお聞きしました。一方でそれぞれリードが現在どういう状態にあるのか。興味関心なのか、比較検討なのか、というフェーズに合わせてマーケティングや営業がアクションするということでした。

垣内氏(以下、敬称略)「重要なのはアクションの中身ですよね。ここが適切でないと効果が薄くなります。往々にしてプロセスが抜けているため、アクション=売上になりがちです。もちろんマーケティングのゴールは、売上に貢献することです。しかしマーケティング活動の一つ一つを見ていった場合、それぞれの活動が何を目的としているか?そしてその目的の連鎖により売上というゴールに近づけているかが重要なわけです」

“手段の目的化”みたいな話でしょうか。

垣内「そうですね。厳密に言うと、目的に適った施策になっていない。このステージでやる展示会の位置づけは何ですか? ということですね。
たとえばAという展示会はステージ初期に当てはまるので、リードジェネレーションが目的。では、ステージ後半の展示会にはどのようなものに出展するべきか、どのようなブースにすべきか、という議論が必要です。
セミナーも同様です。セミナーの場合、テーマは幅広く設定できます。どのリードにどういう態度変容を起こさせるか、を明確にした目的設定でなければいけない」

次のステージへ移行するようにナーチャリングする必要があるということですね。

垣内「現ステージから次のステージへつないでいかないとダメ。これは前回、ファクトリーオートメーションの話をした通りです。つなぐ施策として、メールマーケティングもありますが、マルチチャネルでお客さんが動いている以上、いまやっている活動を全部洗い出す必要があります。そして、各ステージにおいてどういう役割や目的があるかを検討しなくてはいけない」

いわゆる次のステージへ移行するためのアクションに正解はあるのでしょうか?

垣内「100%の正解はないですが、確度を高めることはできますし、高めないと損をしてしまいます。基本ですが、ターゲットとペルソナをしっかりと設定して、カスタマージャーニを描く。ここを飛ばす企業、もしくは浅い企業が多いですが、議論をして決めていき、上層部にも理解していく必要があるフェーズです。リードのステージに合わせたマーケティング接点を設置することでレスポンスを上げ、連鎖させるように売上に貢献していくような設計が必要となります。
ステージごとの施策を決めて自動化するのもMAの役割です。これをアナログでやるのは、めちゃくちゃ大変ですからね」

MAを軸にして、ほかの基幹システムと連携するのがポイントとなる。

垣内「MAの基本的な考え方は、見込み客や顧客の状態を“知る”活動が基盤となっています。“知る”というのは、営業接点であったり、マーケティング接点であったり、あらゆるデータを溜めていくことで分かるようになります。MAはメールアドレスをキーにして人と紐づける。SFAは企業に紐づける考え方になります」

MAにおけるリードは量か質か? 効率の良い獲得方法は?

これまでリードに対してどういうアクションを取るか、というトピックですが、そもそもリードはどのように獲得していくのが効率的でしょうか?

垣内「ここがMAの弊害のひとつだと思っています。リードがなくてはこれまでの論理も意味をなさないので、まずはオウンドメディアや展示会でとにかくリードを集めましょう、となりがちです。では、はたしてそのリードは営業としても、会社としても条件が満たされたものになっているのか」

リードの質ですね。ペルソナからずれたリードだといくらかき集めても効果が薄いですよね。

垣内「なので、量から質へと転換が重要です。BtoB営業ですと、最終的に企業がお金を払います。あくまで個人のリードは、企業に紐づく意思決定者に過ぎない。企業に組織が紐づいて、組織に個人が紐づく。その企業が自社のサービスや商品を購入できる魅力があるのか、という点を忘れてはいけない。ひたすらリードだけを集めても意味がない、というのはそこにあります」

リードの質という意味では、まずは1回集めて、その後に選別していくという方法でしょうか?

垣内「もちろんそれでも良いですし、やっぱりターゲットとなる企業が集まる場所にも行かないといけない。まずは企業のターゲティングがあり、次に組織や職種、職位などによるペルソナ設定も重要になります。意思決定者なのか、業務遂行者なのか、エンドユーザーなのか。良質なリードを効率よく創出していかなくてはいけない」

第3回のリンクでは、SFAやCRMは企業に紐づくデータベースで、MAはメールアドレスに紐づくと。MAにもデメリットはあるのですね。

垣内「その通りです。MAはメールアドレスがキーになっているため、ここが非常に重要ですね。MAの観点で『リードはどのくらいありますか?』という質問をすると、『5万件くらいあります』などと答えられる方は多くいらっしゃいます。でも、『社数はどのくらいですか?』と聞くと、答えられる方はほとんどいない。では、どうすればいいのか? そこでアカウントベースのデータクレンジング必要となります」

MAにおけるデータクレンジングの手法とは?

アカウントベースのデータクレンジングとはどういうものでしょうか?

垣内「アカウントベースのデータクレンジングとは、データベースにある重複や誤記、表記揺れをなくすことで、企業情報を一意にする作業です。BtoB営業をしていくうえで必要な作業です。データベースで企業に寄せていく作業をすると、必ず社名揺れが発生しています。前株なのか後株なのか、社名変更や略式名称などなど。
最近では、MAと連携できるデータクレンジングツールが多くなってきているので、連携することでこの問題はそこそこクリアになります。もしくは、社名だとどうしても間違いが起きてしまうので、国税庁が発行している法人番号で管理するとか、与信調査のコードなどで管理をするのがいいです。『○○株式会社は法人番号1272231』とかですね。常にデータをクリーンにしていかないと、結局データベースを生かせなくなります」

企業情報のクレンジング

データクレンジングをして、A社という会社のリードが100件あったとします。こういう場合は、どのリードをターゲットにするのでしょうか? 

垣内氏写真

垣内「その時点である程度の企業と個人の情報があると思います。たとえば、A社の100人のリードのなかには、総務、営業、情報システムから経営層もいるでしょう。その中でいちばん狙いたいのはどこか? 商材によっては、職種が重要になるケースもあるし、職位によるところが重要になる場合もあります。
これらのセグメント情報を活用する際において、問題になってくるのは、企業ごとに部署名や役職名が異なるということですね」

ここもデータの一元管理をするうえで統一する必要があるのですね。データを一元管理するのは想像以上に大変な印象を受けます。

垣内「部署や職位もデータベースでクレンジングし、統一していく。おっしゃる通り大変な作業ですが、ここまでデータが整備されると想像以上に面白いことができる」 

リードをセグメンテーションしたり、グルーピングが可能になる?

垣内「それ以上に、ステージ管理と企業ターゲティングが可能になると、有効リードのマトリクス化が可能になります。そのマトリクスからTier1、Tier2、さらに小分けにグルーピングすることで、マーケティング活動も最適化できますし、もっとも優先して営業をかけるべき100社が抽出できるようになる。営業は、そこを重点的にアプローチするだけですから効率的ですし、お客様にとっても売り込みがなくなるので、WinWinですよね」

なるほど。すべての話がつながりました。リードを獲得して、データクレンジングをして、セグメンテーションをしたうえで、冒頭でお話しいただいた適切なアクションが効果を発揮していくのですね。

垣内「MAのメリットを最大限に生かすには、大量にあるデータを区分けしてセグメントをしていくこと。そのためにはデータをクリーンに保つことが求められます。それには確かに労力が必要です。しかし、データを常にクリーンに保つことの意味を理解し、それが実現された暁には、ツールが初めて便利なものになります。営業にとっても、会社にとっても、お客さんにとっても良いことづくめで、それなりのリターンを享受することになるでしょう」
(本コンテンツは、2020年1月のインタビューを元に作成しています。)

垣内 良太氏

ワンマーケティング株式会社 代表取締役

  • 2002年より大阪にある実父が起業した印刷会社に入社。印刷をベースに展示会やWEBなど販促支援に従事。
  • 2010年より、BtoB企業にもマーケティングの重要性を感じ、BtoB企業に特化したマーケティングサービスの提供を開始。
  • 2018年1月に同社の代表取締役に就任。BtoB企業の顧客創造に貢献するためのマーケティングコンサルタントとして西へ東へ奔走中。


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