事業拡大・販路拡大マーケティングオートメーションとは? 営業のDXを大きく推進する一手

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ワンマーケティング株式会社 代表取締役 垣内 良太氏に「営業組織のDX推進」をテーマに語っていただく企画の第3弾。

第1回、第2回と、BtoB営業にDXが必要な背景や組織が抱える課題を紹介してきましたが、今回はより実践的なデータの一元管理やマーケティングオートメーションの活用法について語っていただきます。

現在、多くの企業が導入を進めているマーケティングオートメーションについて、第一人者である垣内氏にその仕組みやメリットについてお聞きしました。



第2回は、顧客の一元管理が重要になるという話とBt営業のジレンマや属人化についてお話をいただきました。

垣内氏(※以下、敬称略)「顧客の一元管理を実現するには、SFAやCRM、マーケティングオートメーション(以下MA)でのデジタル営業体制が必要になってきます」

顧客を一元管理するうえで、この3つのツールは全部あった方がいいのでしょうか?

垣内「それぞれの役割は異なります。SFAは、アカウントベースという考え方が根本にあるので、見込み客=人の管理をするのが主目的ではありません。
一長一短ですが、SFAは企業名でアカウントを作り、そこに案件を紐づけていく。キーとなるのは企業で、そこに企業の情報や人、案件が紐づいていく。
課題となるのは、企業名や人を入力された分だけできてしまうことです。
たとえば、『ライフアシスト』という名の会社は国内に50社くらいあります。企業のSFAに登録されている『ライフアシスト』はどの『ライフアシスト』なのか? あるいは2〜3つの『ライフアシスト』が登録されているケースもある。SFAやCRMはこの整理を人力で確認しながらやらなくてはいけない」

デジタルを活用する前のフェーズで非常にアナログな作業が生じるのですね。

垣内「そこで登場したのがMAですね。MAでは、1人の顧客に対して、ひとつのメールアドレスが紐づくので、同姓同名であったとしても区別化ができます。MAがSFAとCRMと異なるのは、メールアドレスをキーにして自動でリードをマージしてくれる機能です」

メールアドレスは確かに固有のIDですね。

垣内「公共機関や金融機関では、あえてグループでひとつのメールアドレスを使用しているケースもありますが、多くの企業は一人ひとりに独自のメールアドレスを用意していますよね。なので、MAではメールアドレスをキーにしてトラッキングすることができ、SFAとも連携できます。そうすることで、企業情報と販売履歴、営業活動履歴を一元化したマーケティング活動が可能になります」

MAを軸にして、ほかの基幹システムと連携するのがポイントとなる。

垣内「MAの基本的な考え方は、見込み客や顧客の状態を“知る”活動が基盤となっています。“知る”というのは、営業接点であったり、マーケティング接点であったり、あらゆるデータを溜めていくことで分かるようになります。MAはメールアドレスをキーにして人と紐づける。SFAは企業に紐づける考え方になります」

MAではリードライフサイクルを把握していくのが基本

MAではメールアドレスに紐づけていく。SFAとCRMとの連携でそのデータはさらに良質になっていく。とは言え、データの管理と分析は難しいと感じます。

垣内氏

垣内「リードとの接点が多くなり過ぎると管理が難しくなるのは、ご指摘の通りです。データが増えれば増えるほど、選別する能力が必要になってきます。しかし、データが増えるのはいいことです。大量のデータが蓄積されることで、思想さえあれば活用の幅も広がっていきますし、より高度な分析も可能になります。大抵のMAでは見込み客のデータを活用するために、リードのステージ管理というろ過装置が備わっています。」

ターゲット毎のステージ管理例

ステージ管理とはどういうものでしょうか?

垣内「見込み客の獲得(リードジェネレーション)から育成(リードナーチャリング)、商談までのリードをマネジメントすることです。リードには成約率の低い時期(クール)と成約率が高くなる時期(ホット)があり、それらが繰り返されることをリードライフサイクルと言います。
それぞれのリードは蓄積した行動データをもとに、そのリードがどういう状況にあるかを評価できます。リードの成熟度によって、営業は最適なアクションを決めることができます。
自動車を例に説明すると、自動車を購入する直前はホットです。購入したばかりの自動車に乗っているときは、当たり前ですが新しい車を買おうとは考えないのでクールです。でも、徐々に古くなってきてまた新しい車を買おうかな、と考え始めホットになります」

リードのライフサイクルを考える

非常にわかりやすい例ですが、これはBtoBでも同様でしょうか?

垣内「同様ですね。逆にBtoBの方がより合理的です。課題解決のためにサービスや商材を購入するので、コストであったり、効果であったりとかを冷静に見極めるので、限りなく合理的でかつ感情が入りにくい選定方法になります」

リードの成熟度によって、営業のアクションがある程度決まってくると、非常に効率がいいですね。

垣内「リードライフサイクルがある以上、見込み客がずっとホットであることはありません。クールの時期に無闇にアクションしても、商談の成功率は限りなく低くなるのは理解できるでしょう。さらに言えば、ホットの定義をもしっかり決めて、ホットの後には見込み客はシステム上ちゃんとクールになってないといけない。このようにリードマネジメントをすることで営業とマーケティングが非常に効率のいい連携をはかれる」

MAのメリットであるリサイクリングでリードを枯渇せずに活用

リードライフサイクルに則り、ホットなリードに最適なアクションを仕掛けて、それでも受注に結びつかないケースではどうするのでしょうか?

垣内「案件は売れるか失注(保留・停滞も含む)するかの2択です。通常の営業の観点だと、失注したらどうするか? ほとんどの場合は、放置です。もうそのリードに対しては営業活動をしなくなる。しかし、MAでは失注ではなく、リサイクリングする仕組みになっている。ファクトリーオートメーションという考え方が起源となっています」

工場ということでしょうか?

垣内「MAでのリードマネジメントは、いわゆる製造業の出荷までのイメージに近いんですね。出荷までの流れに検品があります。A工程で規格に満たないものははじかれます。次にB工程があり、B工程でダメなものははじく。C工程、D工程とつづいて、初めて製品となります。」

工程を通らなかったものは、リサイクリングするということですね。

垣内「ここは非常に大事なポイントだと思っています。ハイパフォーマンスの営業マンは、1回ダメでも1年後、2年後と営業をかけつづける。でも、成績をあげられない営業パーソンはリードを簡単に捨てる傾向にある。捨てたら新規リードを求めていくから、いつかは枯渇してしまう。それでは延々とリードを創出して、使いつぶすような効率の悪い営業になってしまいます。
いくらハイパフォーマだとしても、人の手でやる以上、限界がありますよね。
リードライフサイクルに則って、リードの状態を評価する。受注に至らない場合は、前工程に戻す。
BtoBの原理では企業に課題がある限りは、“いつか”は買います。その流れを半永久的につくれる仕組みがMAなんじゃないかなと思います。」

MAのリード管理のメリットを理解することができました。ありがとうございます。

(本コンテンツは、2020年1月のインタビューを元に作成しています。)

垣内 良太氏

ワンマーケティング株式会社 代表取締役

  • 2002年より大阪にある実父が起業した印刷会社に入社。印刷をベースに展示会やWEBなど販促支援に従事。
  • 2010年より、BtoB企業にもマーケティングの重要性を感じ、BtoB企業に特化したマーケティングサービスの提供を開始。
  • 2018年1月に同社の代表取締役に就任。BtoB企業の顧客創造に貢献するためのマーケティングコンサルタントとして西へ東へ奔走中。


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