デジタルセールスルーム(DSR)ツール徹底比較:選び方と主要製品レビュー
デジタルセールスルーム(DSR)は、顧客との対話を促進し、提案内容の可視化と改善を実現するプラットフォームです。多くの企業で、新たな営業組織の改革の一手として導入・検討が進んでいます。
本記事では、主要製品の比較を通じ、DSRを選定する際のポイントを解説します。
公開日:2026年2月27日
デジタルセールスルームツールの選定基準

今までの営業組織の文化に新しい仕組みを組み込むために重要です。DSRツールを選ぶ際は、以下の7つの観点から評価することをおすすめします。
1. 使いやすさとUIデザイン
営業ツールの利用率を高めるためには、直感的なユーザーインターフェースが不可欠です。以下のポイントをチェックしましょう:
- 操作の複雑さ(学習コスト) - 初めて使う営業担当でも直感的に操作できるか
- 画面の見やすさと情報の整理方法 - 必要な情報に素早くアクセスできるか
- モバイル対応の品質 - スマートフォンやタブレットでの使い勝手はどうか
- 顧客の閲覧体験 - 顧客側のインターフェースは分かりやすく魅力的か
特に日本製のツールは日本語UIの完成度が高く、国内ユーザーにとって使いやすい傾向にあります。一方、海外製品は先進的なデザインが特長ですが、日本語対応が不十分なケースもあります。
2. カスタマイズ性と柔軟性
個社毎の商談の進め方、営業プロセスに合わせることで、既存の業務フローを大きく変えることなく導入できます。
- テンプレートの作成・編集自由度 - 自社のブランディングや業界特性に合わせられるか
- セクションやページの構成自由度 - 商談フェーズや顧客に合わせた構成が可能か
- 権限設定の細かさ - 役割ごとに適切な権限設定ができるか
3. 分析機能と可視化
顧客の行動データを収集・分析できることが重要です。
- 閲覧状況の詳細度(ページ単位/セクション単位)
- アクセス頻度の分析
- 複数関係者の行動パターン把握
- データのレポート機能
分析機能が充実していると、「どのコンテンツが顧客の関心を引いているか」「提案のどの部分が理解されていないか」など、商談戦略の改善に役立つインサイトが得られます。
4. セキュリティと情報管理
法人営業では、セキュリティは重要な観点です。特に金融機関や公共機関との取引が多い企業では、データの国内保存や一定のセキュリティ対策が必要でしょう。
- アクセス権限の設定粒度
- 情報漏洩対策(DLP機能)
- ログイン認証方式
- データの保存場所(国内/海外)
5. サポート体制と導入支援
ツールの導入・運用をスムーズに進めるためには、充実したサポートが欠かせません:
- 日本語サポートの対応時間と品質
- オンボーディング支援の有無
- ドキュメントやナレッジベースの充実度
国産ツールは日本語サポートの質が高く、導入時のハンズオン支援も充実している傾向にあります。
一方、海外製品はドキュメントは豊富ですが、日本語サポートの品質にばらつきがあることが多いです。
主要デジタルセールスルームツールの比較

ここでは、日本および世界で利用されている主要なDSRツールについて解説します。それぞれの特長を理解し、自社に最適なツールを選びましょう。
openpage(日本)
特長
- 日本初のDSRプラットフォーム
- 高いカスタマイズ性と使いやすいUI
- 充実した日本語サポート体制
- 大手企業での導入実績多数
強み
- 日本企業の営業プロセスに最適化された機能設計
- SFAとの高度な連携性
- テンプレート機能の充実度
- 顧客行動の詳細な可視化
向いている企業
- 日系大手・中堅企業
- 複雑な提案プロセスを持つBtoB企業
- カスタマーサクセスを重視する組織
Highspot(米国)
特長
- セールスイネーブルメントとDSRの統合プラットフォーム
- コンテンツ管理機能の充実
- 営業トレーニング機能の内蔵
- AIによるコンテンツレコメンデーション
強み
- 営業資料の管理・検索の使いやすさ
- 営業育成と実践を一体化したアプローチ
- マーケティングとの連携性の高さ
向いている企業
- マーケティングと営業の連携を強化したい企業
- 営業教育・育成に力を入れている組織
- 大量の営業コンテンツを効率的に管理したい企業
Showpad(ベルギー)
特長
- コンテンツエンゲージメントプラットフォーム
- 高度な分析機能と可視化ダッシュボード
- 多言語・多通貨対応の充実
- ヨーロッパ企業での導入実績多数
強み
- リッチメディアコンテンツの表示品質
- 多言語対応の充実度(26言語以上)
- モバイル体験の最適化
向いている企業
- グローバル展開するBtoB企業
- 視覚的なコンテンツを多用する業界(製造業など)
- 複数国・地域での営業活動を行う組織
DealHub(イスラエル)
特長
- CPQ(見積・価格設定)機能とDSRの統合
- 顧客エンゲージメント分析機能
- CRMとの自動データ同期
- 電子署名機能の内蔵
強み
- 見積から契約までの一貫したプロセス
- CRMとの連携によるデータ入力の自動化
- リアルタイムでのコンテンツ更新機能
向いている企業
- 複雑な価格体系を持つ製品・サービス企業
- クロージングプロセスの効率化を図りたい企業
- Salesforceを基幹システムとして利用している組織
Bigtincan(旧Modus)
特長
- セールスイネーブルメント機能とDSRの統合
- パーソナライズされたマイクロサイト作成
- マルチデバイス対応の優れたユーザー体験
- 2023年にModusを買収し機能強化
強み
- 直感的なコンテンツ管理インターフェース
- 顧客エンゲージメントの詳細な分析
- AI搭載の購買意向分析
向いている企業
- 複雑な製品ポートフォリオを持つ企業
- 営業とマーケティングの連携を強化したい組織
- カスタマージャーニー全体を最適化したい企業
Folloze
特長
- マーケティング主導のDSRソリューション
- ABM(アカウントベースドマーケティング)との強い親和性
- イベント管理機能の充実
- コンテンツのステージ別管理機能
強み
- バーチャル/対面イベントとの連携
- バイヤーズジャーニー全体の可視化
- エンドツーエンドのコンテンツナーチャリング
向いている企業
- ABMを実践している企業
- イベントマーケティングを重視する組織
- マーケティングと営業の連携強化を目指す企業
Enablix
特長
- 顧客視点で設計されたコンテンツ管理
- シンプルなインターフェースで学習コストが低い
- セキュリティ機能の充実
- ワンプラットフォームでのコンテンツ管理
強み
- コンテンツへの迅速なアクセス性
- 社内資料・機密資料の保護機能
- シンプルで直感的な操作性
向いている企業
- 情報セキュリティを重視する企業
- シンプルで使いやすいツールを求める組織
- 営業コンテンツの一元管理を目指す企業
「国内企業向けデジタルセールスルームの選び方」セクションの修正案をコピペしやすい形式で提供します:
国内企業向けデジタルセールスルームの選び方

日本企業がDSRを導入する際には、欧米とは異なる商習慣や業務プロセスを考慮する必要があります。ここでは、国内企業がDSRを選ぶ際の特有のポイントを解説します。
日本の営業プロセスに適合するDSR
日本の営業プロセスには、以下のような特徴があります:
- 多段階の稟議プロセス - 複数の決裁者が関与する複雑な承認フロー
- 根回しの文化 - 事前の調整と合意形成を重視
- 関係性構築の重視 - 長期的な信頼関係に基づく取引
- 詳細な資料作成 - 細部まで詰めた提案資料の作成
これらの特徴に対応するためには、以下の機能が重要です:
- 複数の決裁者向けのアクセス管理 - 関係者ごとの権限設定と情報共有
- 詳細な閲覧分析と関心度把握 - 誰がどのコンテンツに関心を持っているか
- きめ細かいフォローアップ機能 - タイミングを見計らった最適なフォロー
- 日本語での充実した資料テンプレート - 日本企業向けの提案雛形
国産ツールと海外ツールの比較
DSRツールを選ぶ際、国産と海外製品のどちらが良いかは、自社の状況によって異なります。ここでは、それぞれの特長を比較します。
国産ツール(openpageなど)のメリット
-
日本企業の商習慣に合わせた設計
- 稟議プロセスへの対応
- 日本型の営業スタイルに最適化された機能
- 日本企業の組織構造への理解
-
充実した日本語サポート
- 電話・メール・対面でのきめ細かいサポート
- 導入時のハンズオン支援
- 日本国内での迅速なトラブル対応
-
国内データセンター利用
- 情報セキュリティ規制への対応
- 安定した通信速度
- 日本の法令遵守(個人情報保護法など)
-
日本語UIの完成度
- 直感的な操作性
- 日本語マニュアルの充実
- 日本独自の用語や概念の適切な翻訳
海外ツールのメリット
-
先進的な機能と頻繁なアップデート
- グローバルユーザーからのフィードバックに基づく改善
- SaaS市場の最新トレンドの素早い反映
-
グローバル展開のしやすさ
- 多言語・多通貨対応
- 国際的な営業プロセスへの対応
- グローバル拠点間での情報共有
選定のポイント
以上を踏まえ、日本企業がDSRを選定する際のポイントは以下の通りです:
-
商習慣への適合度 - 自社の営業プロセスに合わせた機能が備わっているか
-
サポート体制 - 導入から運用まで、日本語での充実したサポートが受けられるか
-
セキュリティ - 日本の情報セキュリティ基準に適合しているか
-
使いやすさ - 日本の営業担当者が直感的に使えるUIか
-
拡張性 - 将来のグローバル展開や機能拡張に対応できるか
特に国内の大手・中堅企業では、openpageのような国産ツールが初期導入には適していることが多いです。グローバル展開を視野に入れている場合は、海外ツールも検討の余地があります。
まとめ:自社に最適なDSRツールの選び方

デジタルセールスルームツールは、営業DXの中核となる重要なソリューションです。選定に当たっては、以下のポイントを意識しましょう:
-
自社の課題と目標を明確にする
- 何を解決したいのか、どんな効果を期待するのかを具体化
- 営業プロセスのどの段階を改善したいのかを特定
-
総合的な視点で評価する
- 機能面だけでなく、使いやすさやサポート体制も重視
- 初期コストだけでなく、運用コストや効果も含めた総合評価
-
将来の拡張性も考慮する
- 事業拡大や営業プロセスの変化に対応できるか
- 他システムとの連携の可能性
-
実際に触れて確かめる
- デモやトライアルを活用して、使用感を確認
- 可能であれば、すでに導入している企業の話を聞く
自社の状況を踏まえた上で、最適なDSRツールを選定し、営業プロセスの変革を実現しましょう。適切なツール選びは、営業DXの成功に直結します。
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