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複合機を活用した出力環境の整備と管理業務のアウトソーシングにより、TCOの削減を実現
埼玉縣信用金庫



業種:金融 | 従業員規模:1,000~2,999名 | 成果:コスト削減、業務効率の向上、セキュリティ強化

金融機関はお客さまの資産を預かり運用を行うため、企業情報や個人情報を入手し管理を行っています。2007年9月には投資家の保護を目的にした金融商品取引法が施行され、情報管理の重要性が増し、個人情報の保護や情報漏洩のリスク管理が経営上の重要な課題となっていました。

キヤノンの最新複合機imageRUNNER ADVANCE と「キヤノンマネージドドキュメントサービスonBIZZ」を導入し、「出力環境の整備」と「TCOの削減」という経営上の課題解決に取り組まれた埼玉縣信用金庫 経営企画部 副部長 井上 明彦様にお話を伺いました。当時、井上様は経営企画部内に設置された業務改革推進本部(プロジェクトチーム)に所属し、今回の業務改革の推進担当として取り組まれました。

導入背景「コストの見える化」と「情報漏洩のリスク対策」

業務改革推進本部は金融商品取引法に対応した販売体制の構築のために「預かり資産販売支援システム 」の導入に向けて、各営業店舗の出力環境の調査を行ったところ、拠点ごとに購入している出力機器(複合機・ファクスやプリンター)が非常に多くあることがわかりました。そのため金庫全体のコストを正確に把握することが難しくなっていました。とくに消耗品の管理や修理対応などの運用管理業務も煩雑になり、これらが「見えないコスト」にもなっていました。

情報漏洩の防止・個人情報の保護対策の観点から見ても、出力機器が多くあることはそれだけ印刷物の取り忘れによる紛失や取り間違えのリスクは高くなってしまいます。またファクスの管理も各営業店舗に任せているため、メンテナンス漏れや操作ミスによる誤送信のリスクがありました。

  • 複数のサブシステムに保有・管理されている顧客情報・商談情報を統合し一覧で検索・確認ができるようにする統合データベースシステム。金融商品取引法により統一された勧誘から成約までの業務フローに合わせたコンプライアンスチェック機能により、お客さまに合わせた提案や、必要書類が確認・印刷されるようになっています。

選定理由継続的なTCOの削減を行う点を評価

出力環境の構築と運用管理業務の効率化

業務改革推進本部では、メーカー数社に相談、提案を受けました。その中でもキヤノンからの「複合機による出力機器の集約と運用管理業務のアウトソーシングを行い、継続的なTCOの削減を行う」という提案を評価し、次の3つの対策を実施しました。

  • 出力機器の集約と本部一元管理による業務の効率化
  • 認証印刷システムによる情報漏洩対策
  • アウトソーシングによるユーザーサポート体制の構築

導入後の成果onBIZZサービスによる継続的なTCO削減

出力機器の集約と本部一元管理による業務の効率化

まずは各営業店舗に設置されていたファクスやプリンターの利用を取りやめ、複合機に出力機能を集約しました。複合機の管理業務を本部総務部門の一元管理に変更し、コストの「見える化」と各営業店舗の機器管理業務の効率化を図りました。
また情報漏洩のリスク対策のため複合機のファクス番号などの宛先リスト(アドレス帳)の管理に関しても、社内(イントラファクス)と社外(外線)でのグループ分けを徹底するなど全社統一の登録ルールを決めました。宛先リスト(アドレス帳)の更新作業も本部からリモート作業で行うため、各営業店舗でのメンテナンス漏れや操作ミスによる誤送信のリスクを大幅に低減できました。

認証印刷システムによる情報漏洩対策

出力機能を複合機に集約することで、それぞれの複合機の利用者と印刷枚数が増えることになり、印刷物の放置による紛失や取り間違いなどの潜在的な情報漏洩リスクが高まってしまいます。そのため新しく導入した複合機には情報漏洩の防止対策として職員カード(ICカード)を使った「認証印刷システム」を導入しました。「認証印刷システム」ではクライアントPCから印刷ジョブを実行した後、複合機に搭載されたICカードリーダに職員カードをかざすと本人の印刷ジョブのみが表示され、選択して印刷ボタンを押すことで初めて紙への印刷が行なわれます。この仕組みにより、印刷ミスや複合機のトレイに出力された紙が放置されることもなくなりました。

  • ページ集約印刷…複数の原稿を縮小レイアウトして印刷します。用紙コストを削減するとともに、スリムで活用しやすい資料を作成できます。

アウトソーシングによるユーザーサポート体制の構築

出力環境の構築に当たっては、キヤノンのアウトソーシングサービスを利用し、次のようなサポート体制を充実させることで職員(利用者)の利便性の向上を図りました。

・複合機の導入に合わせた操作説明会の実施
・当金庫の運用に合わせたe-ラーニング形式の学習ツールおよびマニュアルの作成と公開
・さまざまな問い合わせにワンストップで対応するキヤノンのヘルプデスクサービスを採用

その他に管理者サポート(業務負荷の低減)のために、複合機の遠隔監視システム「ネットアイ」を採用しました。複合機の稼働状況を常時監視してもらっているため、障害発生時の対応が早くなるだけでなく、複合機1台ごとの使用状況に応じ、キヤノンネットアイセンターサーバーから計画的に調整・部品交換を行うことで障害の発生を少なくすることができ、ダウンタイム(故障で利用できない時間)が大幅に減りました。消耗品の在庫管理もトナーの残量を検知し自動で配送されてくるため、手配の必要がなくなり、出力機器の集約の効果とあわせて在庫の種類や量を減らすことが出来ました。

本部機器管理部門(総務・IT部門)も「管理対象機器の削減」と「フロア機管理業務のアウトソーシング」により、本来のコア業務に専念できる環境になりました。拠点別のコストを算出(見える化)した結果、多くの拠点でコスト意識が高くなり、集約印刷(2in1印刷や両面印刷)を利用する職員が増えています。まだ導入から半年ですが、すでに10%を超えるコスト削減を達成しています。単なるコストダウンではなく利用者(職員)の立場に立ちサービスレベルの維持・向上を図ったことで、大きなトラブルもなく全98拠点すべてに導入ができたと考えています。

onBIZZサービスでは、導入後の複合機の利用状況を詳しく調査・分析した「稼働レポート作成サービス」があり、出力環境の課題の見える化(評価とレビュー)を行い次の改善につながる提案を行ってくれます。今後は、これらの作業を継続的に繰り返すことで、常に最適化された出力環境の維持と一層のTCOの削減が可能となると期待しております。

今後の展望キヤノンに期待すること

地域密着型金融機関として「信頼され価値のある信用金庫」を目指すため、これからも業務改革を推進していく必要があります。今はまだ導入したimageRUNNER ADVANCEシリーズの機能の一部しか利用していないですが、スキャン機能を活用した業務フロー見直しや、業務システムとの連携、スマートフォンなどの最新の情報機器を活用した業務改善などの提案をお願いしたいですね。

埼玉縣信用金庫

設立:昭和23年2月1日

本部:埼玉県熊谷市久下4丁目141番地

※本記事は取材時(2011年)のものです



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