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不正画像を検知する最先端の画像分析・AI技術とは?

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食品業界での産地偽装や製造業界での品質不正など、世の中の不正行為はいつの時代になってもなくなりません。中でも世間の注目を集めた保険金の不正請求。保険会社のリスクを最小限に食い止め、契約者をさまざまなトラブルから守るためにも、未然の対策が不可欠です。不正を効率よくスピーディーに自動検知し、正しく保険金を請求いただいている契約者に迅速に保険金支払いを実現するにはどのような方法が有効なのか。本コラムでは、先進の不正請求検知ソリューションについて見ていきます。

問題となっている保険金の不正請求

台風や洪水など気候変動にともなう自然災害が増加する中、悪徳な特定修理業者の介在による火災保険の不正請求が多発しています。契約者宅を訪問し、「火災保険を使えば自己負担なく修理できます」「経年劣化でも保険金が出るようにサポートします」などと事故偽装や過大請求の誘導を行います。
一方で、契約者に対しても高額の手数料を請求してきたり、契約解除を申し出た場合には解約料を突きつけてきたりと、全国の消費生活センター等に寄せられるトラブル相談の件数も2016年から2021年までの5年間におよそ3倍に増加しています。また、車両保険においても、不正請求が大きな社会問題になっています。車両を故意に傷つける行為や修理費・治療費の水増しなど、一部の業者による悪質なやり口に、多くの人々が怒りと不安に駆られています。

不正請求による損失の実態

米国では保険金請求の約10%が不正請求によるものと推計。仮に日本でも同様の割合で算出してみると、同じ年に2つの超大型台風が上陸し、甚大な被害を出した2019年には台風の被害による保険金だけでも年間1,048億円の不正請求に遭っていることになります。不正請求は保険会社の収支に悪影響を及ぼすのみならず、保険料の引き上げを通じて契約者の負担増大にも直結しており、保険業界はもちろん、社会全体にとっても、一刻も早く対策をとるべき最重要課題の一つになっているのです。

  • 出典:損保総研「保険業界における保険金詐欺対策の動向」、一般社団法人 日本損害保険協会 「近年の風水害等による支払保険金調査結果(見込み含む)」

トラブルから守る最新の不正請求検知ソリューション

多発する不正請求対策として、各損保会社や共済組合で導入が進んでいるのが、不正請求検知ソリューションです。その技術はまさに日進月歩です。画像分析・AI技術など先進のテクノロジーを駆使した複合的なチェック体制により、不正の可能性がある請求を効率よく正確に検知する精度は日増しに高まっています。

段階的なチェックで、効率よく正確な不正請求検知が可能に

フェーズ1画像のプロパティ情報による不正検知

画像が保持する【位置情報】【作成日時】【更新日時】と契約者からの請求情報を比較し、不正を検知します。

フェーズ2同一画像による不正検知

過去のデータベースと照合し、同一画像を使用した複数回にわたる保険金請求を防ぎます。

フェーズ3類似画像による不正検知

類似度の比較により、反転した画像なども類似画像として検出し、不正請求の疑いありと判断します。

フェーズ4AIによる損害判定

深層学習の技術を活用した損害判定により、【経年劣化】【風災】などの損害種類を自動で判定します。

段階的なチェックイメージ

不正請求検知がもたらすメリット

不正請求検知ソリューションの導入により、大きく3つのメリットが生まれます。

メリット1保険料の適正化

まず、契約者に与えるメリットとして、「保険料の適正化」が可能になります。見えない不正請求で事故発生時の保険金の支払いが増えれば、当然、保険料の引き上げにもつながります。
一方、不正請求の検知で余計な支払いを無くし、損保会社・共済組合側のコストを減らせれば、契約者の保険料も適正化することができるのです。

メリット2支払い業務の負荷軽減

また2つ目は、保険会社側のメリットとして「支払い業務の負荷軽減」が挙げられます。不正請求で保険会社側での確認すべき内容が増加し、1事案あたりの調査時間が長くなる傾向にあります。システムの導入により、これらのチェックを自動化・簡略化でき、業務負荷の軽減が可能になります。

メリット3不正請求の抑止効果

3つ目のメリットが、不正請求自体を抑止する効果です。不正請求検知が当たり前になれば、「どうせ検知されるなら、やっても意味がない」ということになり、自ずと犯罪も無くなります。悪い人はいても、それを正す技術があれば、悪いことをする人は減る。クリーンな社会の実現にもつながるのです。

パートナーを選ぶ際のポイント

では、実際に不正請求検知ソリューションを導入するにあたっては、どのようなシステムベンダーと一緒に取り組んでいくのがベストなのでしょう。以下、パートナー選びのポイントを3つ挙げてみました。

ポイント1蓄積された画像データがあるか

どんなに優れた不正請求検知ソリューションがあっても、不正を検知するための対象データがなければ意味をなしません。解析用のデータを保有・蓄積しているシステムベンダーとともに取り組んでいくことが必須となります。

ポイント2確かな画像解析技術を持っているか

2つ目のポイントが、画像解析技術です。前述したとおり、フェーズ1〜4の複合的なチェック体制で効率よく正確な不正検知が可能にはなってきていますが、実際のところフェーズ2・3の同一画像や類似画像による不正検知を行うためには高度なテクノロジーが必要であり、画像解析に強みを持ったシステムベンダーでないと、実現が困難となります。

ポイント3システムのカスタマイズが可能か

海外ベンダーが提供するシステムはあらかじめAIの学習を済ませており、すぐに利用できる反面、カスタマイズができず、各保険会社の運用に合わないケースがあったり、想定していたような成果が現れないというケースも考えられます。データを用意することが大前提にはなりますが、何枚ぐらいの画像を入れ、どれくらいの期間でサイクルを回すかなど、寄り添ってアドバイスをもらえるシステムベンダーと一緒に、一からAIに学習させながら独自のシステムをつくっていくことをおすすめします。

キヤノンマーケティングジャパンでは、保険の請求に必要な書類や画像を電子保管するシステムとして「一件書類電子保管サービス」を提供しており、現在も多くの保険会社さまにご利用いただいています。
不正請求検知のパートナー選びの際にはぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。

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