進化した“100マクロ”を試す。新製品を先撮り体験
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本山稔彦 氏(写真のトクダ/福岡県筑紫野市)
RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは、一般的なマクロレンズの最大倍率である等倍(1.0倍)を超え、最大撮影倍率1.4倍(最短撮影距離0.26m)のマクロ撮影を実現。さらに、球面収差を変化させ、好みに合わせた自由なボケ描写を可能にする「SAコントロールリング」をキヤノンとして初めて採用。進化した“100マクロ”について、「写真のトクダ」のフォトグラファー本山稔彦氏に伺いました。
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RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
EF100mm F2.8L マクロ IS USMの高画質をベースに、マクロ撮影・映像表現の可能性を拡大する“L”マクロレンズ。最大撮影倍率1.4倍、ボケ描写を自由に変えられるSAコントロールリングを搭載。EOS Rシステムがカバーする撮影領域をさらに広げ、マクロ撮影におけるユーザーの表現意欲に応えます。
最大撮影倍率1.4倍。等倍を超える倍率で、被写体に迫る。
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━ この新しいマクロレンズを使用した印象について教えてください。
最大撮影倍率1.4倍を実現したマクロレンズということで、興味をもって使ってみました。やはり、より被写体に近づいて大きく撮影できるわけですが、その解像力はすごい。マクロ撮影の表現領域を拡げてくれるレンズだと思いました。また、SAコントロールリングによるボケ描写は面白いですね。もちろんボケ味もきれいです。撮影していて感じたのは、高速AF、ピントが合うのが速いということ、それと軽さですね。撮影はとても快適でした。
きめ細やかな肌表現。ポートレートレンズとしても最適。
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━ 等倍を超える撮影倍率で被写体を捉えたときの印象を教えてください。
マクロレンズは通常の業務ではプロフィール写真を撮影する際に使っていますので、今回もポートレート撮影でまず試してみました[作例1、2]。きめ細かな肌の質感もしっかり描写でき、歪みもないのでポートレートには最適じゃないでしょうか。モデルの女性は目と唇が印象的な方でしたので、その両方をバランスよく写しながら、人物の色っぽさを表現しました。
自由なボケ描写ができる。SAコントロールリング。
左:-側 中央:回転なし 右:+側
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━ SAコントロールリングは実際の撮影業務でどう活かせますか。
リングを回すことで自在なボケ描写ができるSAコントロールリングは、スナップ写真やイメージショットを撮るときに最適かなと思いました。意図的にボケの輪郭をやわらかくすることができますからね。プラス側、ノーマル、マイナス側とリングを回して撮ってみましたが、この場合はノーマルがよかったですね[作例3]。
この撮影のときは手持ちで撮りましたが、EOS R5との協調制御で8.0段の手ブレ補正効果があるので手持ちでも安心していろいろな角度から撮れます。お客さまと会話しながらの撮影でも、ピントがブレたりはずれることがないから、いい表情を逃すことなく描写できます。
ウェディングの前撮りなどでSAコントロールリングを使ったら、雰囲気のある写真や動画が撮れるんじゃないですか。
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ペットの表情に寄って、絵画のように描写。
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━ ペットの撮影でも試していただいたそうですね。
ええ、弊社ではペットフォトも撮影しています。普段からフォトグラファーが心掛けているのは、ワンちゃんだったら犬種ごとの表情を見極めて、一番いい表情を撮っています。
今回は100マクロを使って、被写界深度を浅くし、絵画的なイメージで撮影しました。毛並みや顔の形、やさしい表情や凛々しい表情など、ワンちゃんそれぞれの個性を引き出せたと思います。お客さまにもとても喜んでいただけました。
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本山稔彦 氏(写真のトクダ)
写真のトクダ(福岡県筑紫野市)は1933年に創業。写真館として国内有数の設備と規模を誇る施設を拠点に地域のお客様に貢献している老舗スタジオである。本山稔彦氏(40歳)は同社のフォトグラファー。富士フィルム営業写真コンテスト、2018年優秀賞、2019年テーマ賞。第14回日本写真館賞入選。九州写真師会連盟コンテスト、入選2回、準特選1回。福岡県写真文化協会コンテスト金賞2回と受賞歴多数。
写真のトクダのサイトへ
https://www.tokuda-photo.co.jp/