EOS 6Dの高感度+低輝度限界EV-3※ AFを体感New Photography Style
EOS 6D × EF24-70mm F4L IS USM × 植田朝子氏
第3回は、植田朝子氏(フォトスタジオ久良多)と、EOS初の低輝度限界EV-3を達成したEOS 6Dのセッション。その高感度は、暗いシーンでの撮影にどのような広がりを与えてくれるのか。植田氏の作例を紹介します。
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中央測距点のみ。
わずかな光が、人物の魅力を引き立てる。
━ EOS 6Dをお使いになっていかがですか?
暗所においてピントの合う速さにまず驚きました。今までは暗い場所での撮影時、ピントが合わずになかなかシャッターがきれず、良い表情を逃したり、お客さまをお待たせしたりということがありました。そういうストレスを一切感じることなくスムースな流れで撮影することができました。この写真(#1)は、60代男性のポートレート。おしゃれで雰囲気のある方なので、それを大切に渋くかっこいい大人の写真にしたいという思いがありました。
写真の右側はホリゾント、左側はバックヤードへの引き戸。そのドアを10cmくらい開けて差し込んでくる光だけで撮りました。今まではスタジオポートレートを高感度で撮影するのは少し抵抗があったのですが、6Dは高感度に強く低ノイズなので安心して感度を上げて。この時はISO2000です。実際にシャープでノイズも少なく納得の仕上がりです。暗くても手持ちで撮れるのもいいですね。時間をかけずに自分が動いてポジションを決められるので、撮影のバリエーションも広がると感じました。
多ショット写真集の楽しさが広がる。
━ 七五三撮影もチャレンジされたそうですね?
ええ。お子様を写す時は、明るい雰囲気で撮影することが多いのですが、多ショット写真集のお客さまでしたので、こういう写真(#2)があってもいいかなあと思って挑戦しました。
ドアの奥の部屋からの光のみでの撮影です。顔の暗部や腕が暗くなってしまったのは反省点。レフを使えばよかった。でも、動きの速いお子様を暗い場所で撮影するという楽しい可能性をこのカメラに教えてもらいました。
白トビを抑えて、美しく描写。
━ 撮る人の発想で広がるということ?
そうですね。ほんの少しの光と撮影者の感性とアイデアさえあれば、どんな場所でも撮影できるのが6Dの楽しい所。しかも軽くて小型なので、結婚式場やロケーション撮影では重宝すると思います。重いとどうしても手ブレがおきたり、私はすぐに手首を痛めたりしてしまうので。体が楽になる分、撮影により力が入ると感じました。
これ(#3)はホテルの館内で撮ったブライダルスナップの一枚ですね。ドレスのバックショットをしっとりと写したいという想いで撮影しました。実はこの場所、右側に窓はあるのですが、暗いので以前から手ブレが悩みだったんです。でも今回は、高感度で、軽量な6Dに助けられましたね。白トビもなく、階調豊かに表現できるカメラだと思います。
お客さまが想像できない一枚を。
━ EF24-70mm F4L IS USMの効果は?
今回はこのズームレンズですべて撮りましたが、ねらった所にピントがしっかりきてくれるし、手ブレも気になりませんでした。このレンズ一本で様々な撮影がカバーできるので、とくに出張撮影の時は荷物が少なくてすみますし、とても重宝する一本だと思います。
この一枚(#4)は挙式場の神社内でのスナップ写真です。挙式場の雰囲気を後ろから狙ったのですが、普段なら暗すぎるとスルーしていた場所も、こんな風に面白い撮影スポットになると思いますね。また、お客さまに対しても「暗い場所で写していたけれど、とてもきれいに写っている!」という驚きや感動をお届けできると思います。
植田朝子 氏
1976年生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。卒業後、株式会社谷写真館にて3年間修行。現在はフォトスタジオ久良多(栃木県日光市)の3代目フォトグラファーとして奮闘中。
富士フイルム営業写真コンテスト銅賞、優秀賞。栃木県営業写真館協会コンテスト銀賞。関東営業写真協会コンテスト入選と、受賞歴多数。2010年に写真展「シニアスマイルフォト展」、2012年には「まちの写真家四人展」を開催。