家族が帰ってくる、写真館。日本の新しい写真館
スタジオフォトス 北海道小樽市
こころの距離を縮める楽しいスタジオ。
お客さまが気軽に立ち寄ることができ、そして写真を撮られることの喜びや楽しさを満喫できる。
そんなカジュアルな写真館をめざし、スタジオフォトス社長・濱田剛氏は、2007年12月にスタジオを現在の場所へ移転。
同時にキヤノンのプロフェッショナルフォトソリューションを導入し、デジタル写真館への転換を図った。従来の写真館の概念から脱却し、地域の家族に愛される新しいスタイルの写真館を追求する濱田氏に話を伺った。
撮られること、選ぶことを、家族の楽しみに。
小樽で初めての、デジタル写真館に。
「スタジオを移転するにあたって考えたのは、いかに独自のカラーを打ち出していくかということです。お客さまから選ばれるためには、やはり差別化を図っていかなければ。そこが一番悩んだところでしたね。」そう語るスタジオフォトスの社長・濱田剛氏。
新しい写真館の方向性を見出すために、計画段階には他県で注目されている写真館を数多く見学されたそうだ。「実際に自分の目で見て、こういうご時勢でも元気のある写真館はやはり個性的だなと感じました。ハード面ソフト面における特色の出し方や様々な工夫を体感し吸収してきたわけですが、そのうえでやはりキヤノンのソリューションはいいなと。これがあれば、他にはない特色を打ち出せると思い決断したんです。」
EOS 5D、無線LAN、プロジェクター、Digital Photo Presenter for Studioから成るシステムを導入、2008年小樽で初めてのデジタル写真館が誕生したのである。
限られたスペースで、プロジェクターの効果を最大限に活かす。
撮影された画像がリアルタイムで見ることができ、選ぶときも大画面で確認できる。キヤノンのソリューションがもたらす演出効果を最大限に活かすことを考えて、濱田氏はスタジオの設計を考えたそうだ。
撮影の際は、お客さまの正面に同時進行で画像を投影(①)。
プレゼン時は、お客さまが立っていたところにスクリーンを出して家族みんなでご覧いただけるようにした(②)。
「大画面で映し出すことで、セレクトする時間もお客さまに楽しんでいただけるようになりました。成人式や七五三の場合は、ご両親だけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんもいらっしゃって。みんなで、撮ったばかりの写真を見るとすごく盛り上がって喜ばれます。それだけでも導入してよかったなと思いますね。もちろん、選ばれるカット数も増えますので、お客さま一人当たりの単価も上がっています。」
また、スタジオ設計においては自然光を取り込む工夫もなされている。「通常の撮影時に画像を投影している壁面(①)が、実はガバッと開く仕組みになっていまして(③)。自然光で撮れるようになっています。」
手持ちスタイルで、こころの距離感が縮まる。
フォトグラファーとお客さまが、自然に向き合い、コミュニケーションできる。
成人式写真の場合、自然な表情、自然な美しさを引き出すためには、お客さまとのコミュニケーションが大切になってくる。ところが、会話をしていても、以前はお客さまとの間に距離感を感じていたと濱田氏はいう。
「やはり三脚で構えていると、こちら側と向こう側という感じになってしまう。僕が距離感を感じていたということは、お客さまはそれ以上に感じていたと思いますね。」
それをすべて取り払ってくれたのが、EOS 5Dと無線LANだという。
「導入によって、三脚から手持ちスタイルに変わった。たとえば、ちょっと前髪が気になるなと思ったら、カメラを持ったまま、すっと直して、声をかけることができる。というように僕自身が自然に動いて、自然に撮ることができる。こころの距離感みたいなものが縮まって、お客さまもいい表情になってくるんです。」
大画面の自分を見るたび、いい表情に。
しかし、そうはいっても最初のうちは誰でもなかなか緊張がとけないものだ。そんなとき、濱田氏はプロジェクターが映し出す大画面を活用するという。
「まず、1回撮って“ほら見て、こんなふうに写るんだよ”と画面に目を向けさせる。そして“最初の1枚というのは緊張してるから表情が堅いけど、どんどん変わっていくからね”という話をするんです。で、何枚か撮ったあとに、最初のカットと比較して見せてあげる。表情はあきらかに良くなっているから、お客さまも安心して、どんどんリラックスしていくんです。」
ちょっと角度が違うだけでも、表情は全然違ってくる。いろいろなカットを次から次に撮られるうちに、お客さま自身もノってくる。そして、自分も知らなかった一面を引き出してくれたことに感動してくれるという。
その結果、セレクト点数も増え、最近では15~16カットを掲載できる小型の写真集をオーダーするお客さまが多いという。
家族の想い出の中に“小樽”を残して上げたい。
美しい小樽の風景を生かした記念写真を。
小樽には、明治・大正を想わせる石造りの建物が、街のあちこちに残されている。ノスタルジックな雰囲気を漂わせる小樽の風景を、濱田氏は心から愛している。(氏が長年撮り溜めてきた小樽の風景写真で製作されたポストカードは、小樽市内の観光施設や新千歳空港にも置かれている)
「小樽で生まれ、小樽で育っていくのだから、その家族の歴史、想い出の中に、小樽の風景を残してあげたいと思うんです。だから、僕はロケーション撮影にも力を入れているんですよ。あそこで家族写真を撮ったら素敵だなと思う場所がいくつもありますから。」
すでに北海道最古の線路である手宮線跡地で、家族写真をロケーション撮影で行っているという。また、小学校への通学路でロケーション撮影をしたプライベート写真集はお客さまからとても高い評価をいただいたそうだ。
ツールはデジタルで、手法はアナログで。
ベストショットポートレートを撮り続ける。
小樽市は、65歳以上が人口の約3割を占め、全国的に見ても高齢化率の高い街だ。ときには“遺影写真を作りたい”という方もいらっしゃるという。そういうお客さまも、撮った写真をその場で大画面でチェックしながらセレクトしていくと、納得していただけ、満足度も高いという。
「若い方でも、年輩の方でも、この小樽で暮らしている人々のポートレートを一枚一枚丁寧に撮っていきたいと思います。そのためにツールは最新のデジタルで、撮るという行為そのものは心の通い合いを大切にしたアナログでいきたいですね。そして、そういう写真を撮ることが、家族が集まるきっかけになればいいと思う。ちょっといいことがあったら、写真を撮るために家族が集まってきてくれる。そういう写真館にしていきたいですね。」
喜ばれながら、新規開拓を。キッズモデル募集キャンペーン。
デジタル写真館の魅力を多くの方に体験してもらおうという狙いから、スタジオフォトスでは2008年2009年とキッズモデル募集キャンペーンを実施している。
応募されたキッズモデルをスタジオで撮影、写真展に展示した後、その写真を額に入れてプレゼントする。通常8000円のところ、3150円で提供している。
スタジオフォトスでは、このキャンペーンを継続的に実施し、新規開拓につなげていきたいと考えている。
有限会社 フォートハマダ/スタジオフォトス
1981年創業。北海道小樽市でフォトビジネスを展開。記念写真撮影をはじめ、出張撮影、学校アルバム製作等を手がけている。
URL:https://studiophotos.jp/
(有限会社 フォートハマダのサイトへ)