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僕たちの時代の、写真館をつくろう。日本の新しい写真館

フォトスタジオ・リッツ 埼玉県春日部市

フォトスタジオ・リッツは、2010年5月、埼玉県春日部市にオープン。
いま、業界でも注目されている新しい写真館である。
もっと若い人に支持される写真館をつくっていきたい。そうした信念のもと、フォトスタジオ・リッツを立ち上げた林欣也氏に話を伺った。

新しい世代へ。

新しい世代へ。

若い家族が「自分の場所」として受け入れてくれる写真館へ。

フォトスタジオ・リッツを立ち上げた代表の林欣也氏(31歳)は、埼玉県久喜市で創業90年という歴史を持つ株式会社林写真館の次男である。修行時代を経て、林写真館でカメラマン・取締役として3年間活躍した後、独立することを決意した。
「兄の林陽平が4代目として林写真館を受け継いでいくなかで、僕も自分の可能性を試してみたいと思ったんです。目指したのは、何よりも若い人、若い家族が自分たちの場所として自然に受け入れてくれるような写真館です。個人の写真館って、なんとなく古臭いとかダサイと思われてるところがある。そういうイメージを一気に変えていくような写真館をつくっていきたいんです。」

遊ぶように、撮る。

遊ぶように、撮る。

すべては「自然な表情」を引き出すために。

目指す写真館を具体化するために、林氏が重視したのは「いかに自然な表情、自然な魅力を引き出すか」ということだった。
「背景紙の前に立ってもらって“ハイ、撮ります”という感じだと大人でも子供でも緊張します。だから僕は、写真を撮るというより、一緒に遊んでいるような、リラックスした雰囲気で撮りたいと思ったんです。いろんなタイプのセットをつくったのも、そういう理由からなんです」
取材時も、七五三の撮影が行われていたが、着付けを終えた3歳のお嬢ちゃんがスタッフに案内されるまでもなく、自然とセットの方へ歩いていく光景が見られた。遊ぶような感覚で撮る。多彩なセットは、まさに林氏の狙い通りの効果を生んでいる。

エンターテイメントスタジオ。

エンターテイメントスタジオ。

200坪の空間に、20種類のセット。

店内を見てみよう。リッツは200坪という巨大なスペースに、20種類ものセットを用意。「エンターテイメントスタジオ」と名付けてアピールしている。まず、エントランスを入ってすぐの場所には、自然光で撮影できるカジュアルな雰囲気のセット(①)。さらに奥の広々としたスタジオ(②)には、バーカウンター、ゴージャスな洋館、レンガ造り、メタリックな扉、和室など、実に多彩なセットが、4面すべての壁に組み込まれている。「セットは子供でも大人でも使えるというのが前提ですが、奥のスタジオは少し大人を意識した造りにしています。大人っぽいシチュエーションは、七五三の撮影にも使えるんですよ。ちょっと背の伸びしたような、かっこよくて、かわいい写真が撮れるんです」

その一瞬のために、最良の道具を。

その一瞬のために、最良の道具を。

高性能が使いやすい。それがEOS 5D Mark Ⅱの良さ。

お客さまと一緒に遊ぶような感覚で撮影したい。その言葉通り、林氏は、EOS 5D Mark Ⅱを手に、自分自身も楽しそうに撮っていく。
「僕はカメラは、ずっとキヤノンなんです。EOS 5D Mark Ⅱの気に入っているところは操作性の良さですね。画質や描写力などカメラとしてのパフォーマンスもすごいと思うのですが、それをストレスなく引き出せるというのがいい。やっぱり、しっくり手に馴染む、使いやすい道具がいちばんですね」
EFレンズの多彩さにも満足しているそうだ。
「メインで使っているのが50mm F1.2Lの単焦点レンズ。あとは16-35mm F2.8Lのワイドのレンズ、85mm F1.2L、ズームレンズの24-105mm F4L ISですね。
本店にいた時は全天候型のオープンスタジオだったので、70-200mm F2.8L ISのズームレンズも多用していました」

ムービーという魅力。

ムービーという魅力。

オリジナルメニューで、さらなる差別化を。

リッツのセールスポイントは、個性的なエンターテイメントスタジオを活かした撮影だが、林氏はさらなる差別化を目論んでいる。
「埼玉県は記念写真を撮る文化が比較的根付いている地域だと思います。その分ライバルも多いけれど、きちっと独自性を打ち出していけば顧客づくりにつながると考えています」
今回、春日部神社でのお宮参りの撮影を取材させていただいたが、こうしたロケーション撮影を今後メニューに加えていきたいそうだ。また、EOSムービーによる動画撮影についても、編集会社を探すなど商品化のための体制づくりを進めている。
「撮影の時って、本人はもちろん、ご家族の方もすごく喜んでくれるじゃないですか。そういうシーンを動画でおさえておきたい。写真とムービーがあると、感動のよみがえり方も全然ちがうと思います。ムービーは、本当に早く着手したいですね」

僕たちだから、できることを。

僕たちだから、できることを。

お客さまに「喜び」をお届けしよう。

「質の高い写真を提供するだけでなく、おもてなしの心というか、目に見えない部分のサービスも大事にしたい」と林氏は語る。こんなエピソードがある。成人式でご利用いただいたお客さまから「母の50歳の誕生日に写真を撮ってあげたい」という相談があった。
通常なら来店いただいて撮影という流れだが、林氏はお客さまの「サプライズで祝ってあげたい」という想いに応えて何かできないかと考えた。そこで、「お母さんにケーキを用意しお礼の手紙を書いてさしあげたら」と提案したり、撮影した写真をスライドショーにしてプロジェクターで映したり、スタッフみんなで最高の一日になるように盛り上げた。「この時は僕自身も考えて楽しかったですし、お客さまにもすごく喜んでいただき、またスタッフもすごくいい表情になっていました。やってよかったなと思いました。僕たちがこれからつくっていく写真館には、こういうことが必要なんだ、と強く思いました」

小さな気遣いが、大きな違いに。

小さな気遣いが、大きな違いに。

誰もが心地よく過ごせる空間づくりと配慮を。

「写真館って、お客さまの滞在時間はけっこう長くなります。だから、小さいお子さんを飽きさせない工夫や、撮影以外の時間も家族みんなが心地よく過ごしていただける配慮が必要だと思います」
そうした林氏の考えは施設の随所に貫かれている。たとえば、キッズルームもそう。子供たちがのびのびと遊べる広々としたキッズルームは、受付フロアと衣裳展示フロアの間にレイアウトされている。だから、親は安心して衣裳を選んだり、写真のセレクトができるようになっている。
「もちろん授乳室、ベッド、オムツ、クリームなども用意しています。お母さん達はそういうところをちゃんと見てくれていますから。たとえ小さな気遣いでも、それを積み重ねていくと大きな違いになっていく。 そこはすごく意識してスタジオづくりを考えました」

みんなで新しいステージへ。

みんなで新しいステージへ。

スタッフ一人ひとりの自主性を大切に。

林氏は取材中でもお客さまの様子をつねに気にかけている。必要なときにはインカムでさりげなく指示を出す。すると、別のスタッフが対応する。その動きは、実に機敏で気持ちいい。スタッフはいま総勢15名。リッツという若々しいチームを率いていくにあたって林氏が大切にしているのは、スタッフ一人ひとりの自主性だ。
「たとえばエントランスの装飾などは女性スタッフにまかせています。それは彼女たちのほうが普段からいろんなお店を見ていて、センスがいいということもありますが、まかせるとやはり積極的に取り組んでくれます。自分の手によってお店が変わり、お客さまにも喜ばれる。それによって達成感もちがってくると思うんです」
「リッツで撮りたいと思う家族をもっと増やしていきたいですね。そうすれば、必然的にここで働きたいと思う若い人も増えていく。スタッフみんなとリッツを広げていきたい。多店舗展開をしていきたいんです。 5年以内に5店舗、それが僕がいま掲げている自分の目標です」
林氏は、もう次の夢に向かって走り始めている。

フォトスタジオ・リッツ

フォトスタジオ・リッツ
2010年(平成22年)創業。代表、林欣也氏。春日部駅西口から徒歩5分という好立地に、200坪のスペースをもつ個性的なスタジオを展開している。
URL:https://ritz-studio.com/
(フォトスタジオ・リッツのサイトへ)

林写真館

株式会社 林写真館(本店)
リッツの本店にあたる林写真館は、埼玉県久喜市で営業。1920年(大正9年)創業という歴史を持ち、林欣也氏の兄である林陽平氏が代表を務める。全天候型スタジオを擁し、ロケーション撮影で人気を博している。
URL:https://kuki884.com/
(林写真館のサイトへ)