水道スマートメーターは普及しない?検針を効率化させるツールを紹介お役立ち情報
水道検針に活用され始めている水道スマートメーターは、遠隔での検針を可能にする画期的な装置です。検針する現地を訪問する手間を省ける点で作業効率が格段に向上し、コスト削減にも貢献すると期待されています。
一見メリットが多い水道スマートメーターですが、現時点ではあまり普及に至っていないのが実情です。リアルタイムでのデータ取得が可能で、且つ、正確に情報を取得できますが、高い初期コストが普及の妨げになっているためです。
この記事では、水道スマートメーターのメリットや、普及が進まない理由を解説します。加えて、スマートメーター以外の水道検針業務を効率的に実施するための方法を詳しく紹介します。
目次
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水道スマートメーターの概要
- 従来の水道メーターとの違いは?
- 水道スマートメーターのメリット
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水道スマートメーターの普及はあまり進んでいない
- 実証実験を行う主な自治体
- 水道スマートメーターの普及が進まない理由
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水道検針業務の効率化にハンディターミナルを利用すべき6つの理由
- データ入力の手間を省ける
- 頑丈な作りでさまざまな現場環境で使える
- 検針票をその場で印刷できる
- 物理テンキーで誤入力リスクを減らせる
- 検針漏れを防止できる
- 携帯通信機能がある
- 水道検針業務でハンディターミナルが活用されている事例
- まとめ
水道スマートメーターの概要
水道スマートメーターとは、水道メーターのデータを無線で送受信するための通信端末です。
水道の使用量検針は、検針員が直接現地を訪問し、現地のメーターを目視で確認する形が一般的ですが、水道スマートメーターを設置することで、水道使用に関するデータがリアルタイムに転送されます。これにより、検針員が現地に出向かずとも使用量の把握ができるため、検針業務の効率化に大きく貢献するのです。
さらに、使用した水の量や通常とは異なる利用もリアルタイムで把握できるため、異常事態の早期発見にも貢献すると期待されています。
従来の水道メーターとの違いは?
水道スマートメーターと従来の水道メーターでは、水道検針業務の手間が大きく異なります。
従来の水道メーターは、一般的には1~2か月に1回程度、検針員が現地訪問のうえで検針を行います。
一方のスマートメーターは、離れた場所からでも検針できるため、現地訪問の手間を省ける点で、人件費の削減に貢献しています。また、スマートメーターで得られたデータを活用することで、検針作業の効率化だけでなく、お客さまサービスの向上や水道事業運営の効率化等も期待できます。
水道スマートメーターのメリット
水道スマートメーターのメリットとして、リアルタイムでデータを受信できる点が挙げられます。リアルタイムでデータを確認できれば、使用量の日常的な把握はもちろん、漏水事故などの早期発見も可能です。
さらに水道スマートメーターを高齢者見守りシステムとしても活用する動きもあります。具体的には、スマートメーターで検知された高齢者世帯の水道使用量に応じて、離れて暮らす家族に通知が届く仕組みなどです。
水道スマートメーターの普及はあまり進んでいない
検針業務を効率化する上に、異常の早期発見や見守りサービスとしての役割も果たすなど、一見メリットが多いスマートメーターですが、現時点では全国的な普及に至っていません。
現在、さまざまな自治体でスマートメーターの実証実験が進んでおり、地域ごとのニーズや課題に合わせ、最適な導入方法や運用方針が模索されています。ここでは、スマートメーターの本格的な普及に向けて、実証実験を行っている主な自治体を紹介していきます。
実証実験を行う主な自治体
水道スマートメーターの普及が進まない中、全国の多くの自治体では水道スマートメーターの実証実験が進んでいます。ここでは以下3つの自治体で実際に行われた実証実験の内容を紹介します。
東京都水道局では、「先行実装プロジェクト」として、主に以下のような取り組みを計画中です。
- 令和6年度までに約10万個のスマートメーターを設置
- 建替で新しくなるすべての都営住宅・公社住宅にスマートメーターを導入
- 2030年代までの全戸導入につなげていく
また、群馬県前橋市では、富士見町赤城山(大洞地区)の59件を対象に実証実験を行う予定です。対象地区は冬季の降雪量が多い難検針地区として、すでに電子隔測メーターが使用されており、少ない投資でスマートメーターを導入できるため選定されました。令和5年12月から令和7年3月にかけて導入される予定です。
さらに、埼玉県さいたま市では、「さいたま版スマートメーター実証プロジェクト」が実施されています。上記2つの自治体と同じように必要な事業者と連携するなど、導入に向けた動きが活発です。
参考URL
水道スマートメーターの普及が進まない理由
水道スマートの導入にあたっては、設備機器の導入や通信費が高く、導入完了までに高額な費用がかかっている状況です。特に水道事業は各自治体で運営されており、スマートメーターの導入予算を捻出できない自治体の多さから、全国的な導入には至っていません。
導入により多くのメリットが見込まれ、多くの自治体で実証実験が行われている水道スマートメーターは、なぜ普及が進まないのでしょうか。現時点で導入を妨げる最大の理由として、高い導入コストが挙げられます。
ただし、今後大規模自治体への導入が進めば、大量発注によって製品価格が下落する可能性も考えられ、段階的に普及が進む期待もあります。
水道検針業務の効率化にハンディターミナルを利用すべき6つの理由
水道スマートメーターの普及が思うように進まない中、水道検針業務を効率化する方法として、「ハンディターミナル」の活用がおすすめです。理由はさまざまあり、下記の通りです。
- 物理テンキーで誤入力リスクを減らせる
- 頑丈な作りでさまざまな現場環境で使える
- データ入力の手間を省ける
- 検針票をその場で印刷できる
- 検針漏れを防止できる
- 携帯通信機能がある
ハンディターミナルの導入により、検針業務の改善が見込まれ、検針員の負担軽減や人件費削減にも貢献します。検針業務をスピーディかつ正確に行うため、利用する際の参考にしてみてください。
データ入力の手間を省ける
検針業務にハンディターミナルを使用すると、データ入力にかかる手間を大幅に軽減できます。収集したデータのPCへの一括送信や、携帯通信機能により検針先からのデータ送信も可能で、読み取った情報の転記も不要です。
また、ハンディターミナルによってはデータの自動転送機能もあるため、転送忘れなどのミスも発生しにくいです。また自動転送先では、リアルタイムでのデータチェックもできます。
データ入力の手間やミスを削減するハンディターミナルは、検針業務においてリソースの削減に貢献しています。
頑丈な作りでさまざまな現場環境で使える
検針用のハンディターミナルは屋外での利用が想定されているため、タブレットと比べて、落下など外部からの衝撃に耐えうる頑丈な構造です。さらに防水機能も備えており、雨天時や降雪時などさまざまな現場環境にも耐えられます。
さらに、メーカーによっては長期間のサポート体制を構築しており、万が一不具合が起こった際も安心です。過酷な環境での利用を見越した設計と、専門的なサポート体制により、どのような現場でも安定的に利用できるでしょう。
検針票をその場で印刷できる
検針用のハンディターミナルには、検針票をその場でプリントできる機能が搭載されています。この機能は検針データに基づいて正確な請求書を作成する際には欠かせません。その場で印刷できるため、検針員がデータをリアルタイムで処理でき、誤差のない請求書発行が可能です。
物理テンキーで誤入力リスクを減らせる
ハンディターミナルの物理テンキー入力は、タッチスクリーン式と比べて誤入力のリスクを削減できます。物理テンキー式を導入するメリットは下記の通りです。
誤入力の削減 | 物理テンキーは指の触覚に頼りながら操作でき、タッチスクリーン式と比べて誤入力の可能性が低い |
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数値入力の迅速化 | 数値の入力が早く簡単に行え、業務効率化につながる |
外部環境への耐性 | 難検針場所や悪天候下での作業時に、物理テンキーの押しやすさが活かされる |
物理テンキー入力は、業務の効率化や正確性の向上に優れており、正確な数値入力が頻繁に求められる検針業務において活躍するでしょう。
検針漏れを防止できる
ハンディターミナルには、検針漏れを防ぐ自動警報機能が含まれている製品があります。設定された基準に合致しないなどの漏れが発生した際には、自動で警告を発します。これによって、人的ミスの未然予防や早期発見・対処が可能となり、事故やデータの損失を最小限におさえられます。
自動警報機能を備えたハンディターミナルの導入により、検針業務の信頼性と効率性をより高められるでしょう。
携帯通信機能がある
ハンディターミナルは、携帯通信機能を備えている製品もあり、検針結果をリアルタイムにシステムに反映すると共に業務の進捗状況などを共有できます。
また、ハンディターミナルの携帯通信機能は、ほかの検針員とコミュニケーションをとる際にも役立ちます。具体例として、急な体調不良などの問題が発生した場合や、緊急の情報交換が必要な場合にも、即座にコミュニケーションがとれる仕様になっています。
水道検針業務でハンディターミナルが活用されている事例
ここでは、水道検針業務にハンディターミナルを活用している事例を紹介します。
株式会社OCC様では、自治体向け水道料金システムの検針用端末をWindows10タブレットからキヤノン製のWindows10搭載ハンディターミナルへ置き換えました。テンキーと検針業務に最適な画面サイズが好評で、OSも同じWindows10のため、既存のアプリケーションをほぼそのまま移植できました。
Windows10搭載のハンディターミナルは、テンキーを備えており、検針業務に最適な画面サイズです。情報の表示が分かりやすく、作業効率が向上しました。また、OSが同一のハンディターミナルへの切り替えにより、自社のアプリケーション開発やデータの引き継ぎにかかる時間とコストの大幅な削減に成功しました。
まとめ
水道スマートメーターは自治体での実証実験が進められているものの、導入にはまだ時間がかかる見通しです。そのため、水道検針作業の効率化には引き続きハンディターミナルが活用されるでしょう。ハンディターミナルでの検針により、検針の漏れを無くし、迅速に検針業務をこなせます。
キヤノンでは実際の水道検針業務に活用されているハンディターミナルを数多く取り揃えています。
「ハンディターミナルでこんなことできないの?」「ハンディターミナルを実際に触ってみたい」などのご要望がございましたら、お気軽に以下までお問い合わせください。
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