工場見学時の安全と演出の両立により売上拡大と新しい価値創造に貢献株式会社 諏訪田製作所



業種:製造 | 従業員規模:50〜99名 | 成果:顧客満足度向上、セキュリティ強化

ネットワークカメラを工場内に設置し、工場見学時の安全と演出の両立により売上拡大と新しい価値創造に貢献している諏訪田製作所様に話を伺いました。

導入背景安全確保と工場体感という1台2役の仕組みが必要

「近年、製造工程の機械化や海外移転が進む中、すべての工程を手作りで行う当工場への注目は年々高まっています。しかし、見学者の増加で案内役の社員の確保が難しくなったこともあって、見学者専用の通路を作り、いつでもお客さまに自由に見学していただける『オープンファクトリー』、文字通り開かれた工場を作ろうと思い立ちました。しかし、誰もが自由に工場に入れるようになれば、それだけ不慮の出来事が起こる可能性も高まります。このため、オープンファクトリー化にあたっては、お客さまの安全確保を目的としたセキュリティーカメラの導入が必須でした。とはいえ、セキュリティーカメラをそのまま使うだけではマイナスの投資で終わってしまいます。もし、作業現場の映像を見学者に見てもらえれば、職人の手仕事をより身近に体感してもらえるのではないか。つまり、1台のカメラでセキュリティーとエンタテインメントの両方を兼ねる仕組みを構築したいと考えたのです」

選定理由自由な発想からの提案を高く評価

新しいアイデアの実現に向け、どのような方法を考えたのでしょうか。

「当初は、工場内のカメラと大型モニター数台を有線LAN でつなぐことを考えていました。そんな折、キヤノンの担当者から『キヤノンで無償提供しているCC Viewer を使えば、Wi-Fi 回線でカメラの映像をiPad で表示できる』という話を聞いたのです。iPad なら大型モニターよりも安価で済みますし、複数台導入すれば、工程ごとに作業の様子を見せられます。 当社は原材料の鍛えから仕上がった商品まで一貫して自社でまかない、そのすべてが手作りです。この仕組みなら、商品が完成に至るまでのこうした過程をすべてお見せし、商品に宿る職人の想いや魂を、見学者に直接伝えることができると判断したのです」

ネットワークカメラの製品選定についての経緯をお聞かせください。

「当初はセキュリティー会社にも話をしました。しかし、セキュリティーシステムとしての完成度が高い反面、セキュリティーとエンタテインメントを統合的に実現するという発想はありませんでした。一方、キヤノンはiPadの無償アプリの提案に始まり、既成の枠にとらわれない自由度の高いシステム提案をしてくれました。世界的にみても前例のない発想を実現するため、一緒に考えてくれたこと。それがキヤノン製品を導入する大きなポイントとなりました」

導入後の成果工場見学者の増加で売上も拡大

導入後、どのような成果がありましたか。

「2011 年11 月の新工場オープン以来、連日多くの見学者でにぎわっています。黒で統一された美術館のようなデザインもさることながら、ネットワークカメラとiPad を駆使した工場体感ツールへの関心も高く、個人のお客さまはもちろん、学校の社会見学や旅行会社主催の工場見学ツアーなどで来訪される団体のお客さまも増えました。 見学後に併設ショールームで商品を購入される方も多いので、売上は毎月増えています。オープンファクトリーを見学する楽しみが口コミで広がれば、商品に対する理解が深まり、売上拡大とブランド価値の向上につながる。その意味で、今回の導入がもたらす期待値は大きいと感じています」

経営上の効果についてどう評価されていますか。

「経営的な観点から言えば、本来、セキュリティーとはリスクヘッジのためのコストです。しかし、ネットワークカメラをセキュリティー用途のみならずエンタテインメント用途にも使うことで、売上増加につながるプラスの価値を創造することができました。 セキュリティーのためのカメラという発想を反転させて、マイナスをプラスに転換したという意味では、世界でも先駆的な事例だと自負しています。さらに、工場全体が効率化されたことで生産量も7%アップを実現。これもうれしい驚きでした」

実際の導入や運用はどのようにされていますか。

「導入にあたっては、iPad 8 台を見学者通路に固定。14 台のネットワークカメラで、工程ごとに常時3 ~4 カットの映像を見せるようにしました。見学者がガラス越しに作業の様子を見ながら、手元のiPad で特にじっくり見たいシーンを選び、画面上で拡大して見られるようにしたのです。

職人の仕事ぶりや商品の仕上がり具合を体感してもらうためには、カメラにも高画質と高倍率ズームが求められます。その点では、キヤノン製品のスペックは十分期待に応えるものでした。それと同時に、経営部門と営業部門では、パソコンで工場内の状況把握や安全確保ができるようにしました」

運用にあたり工夫された点はありますか。

「工場見学ありきではなく、まずはもの作りに打ち込める環境を作ることが原点ですから、職人にストレスを与えるようなカメラ操作はさせるべきではない。そこで、見学者がiPad 上で行える操作を制限するため、画面カバーを取り付けています。また、セキュリティーカメラとしての用途もあるので、カメラの最適配置についてもキヤノンに相談に乗ってもらいました。 さらに、併設されたショールームでも、もの作りの現場の雰囲気を味わってもらえるよう、カウンターの上に大型モニターを設置。工場内のカメラで撮影した作業の様子を画面分割により表示し、臨場感を演出しています」

業務フロー

工場内では、部品加工・組み合せ・研磨研削・成形・仕上研磨・合刃・刃付け・検品の各工程が職人の手仕事により行われる。見学通路に据え付けられたiPad 画面には、工程ごとにズームアップされた職人の手先や作業の様子が映し出され、見学者は画面を切り替えながら間近に観察することができる。また、経営者や営業部門ではパソコンで工場内の様子をモニタリングし、安全確認や作業管理などが効率的に行える。

今後の展望もの作りの技術を世界に発信したい

「今後は、ネットワークカメラで撮影した工場での作業の様子を、ホームページ上で公開することも考えています。そうすれば、海外や遠隔地からも当社の工場にアクセスして、鍛冶職人の手仕事を体感できるようになり、場所に縛られることのないオープンファクトリーが実現するでしょう。今では希少となった本物のもの作りの現場を、世界中の方に見ていただくことができる。今回のオープンファクトリー化とネットワークカメラ導入を起点として、技術を世界に発信する仕組みの構築を進めたいですね」

株式会社 諏訪田製作所

事業内容:園芸用品、家庭用品の製造・販売

所在地:〒959-1114 新潟県三条市高安寺1332番地

※本記事は取材時のものです



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