ニュースリリース
2015年4月27日
キヤノンマーケティングジャパン株式会社

東京理科大学に産業用3Dプリンター“ProX300”を納入
中小企業の競争力強化を推進する「トライボロジーセンター」を支援


キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘、以下キヤノンMJ)は、このほど東京理科大学(学長:藤嶋昭)に米国3D SYSTEMS(スリーディー・システムズ)社製の産業用3Dプリンター“ProX300”を納入しました。このたび東京理科大学が、中小企業の競争力強化と航空宇宙産業への参入を推進する目的で開所する「トライボロジーセンター」の運営を支援していきます。

  • 造形サンプル
  • 産業用3Dプリンター“ProX300”
  • 造形サンプル

おもな特長

東京理科大学は、経済産業省が推進している「平成25年度地域オープンイノベーション促進事業」の採択を受け、葛飾キャンパス内に産学連携イノベーション拠点「トライボロジーセンター」を開所します。本センターは、日本の産業基盤を支える高度なものづくり技術を有する中小企業向けに、トライボロジーをコア技術とするイノベーションを促進するための研究施設です。中小企業が自動車や電機・電子など既存の産業技術を生かし今後の成長が期待される航空宇宙産業に参入するなど、事業競争力の強化と成長戦略の推進を支援するものです。

キヤノンMJはこのたび、米国3D SYSTEMS社製の産業用3Dプリンター“ProX300”を「トライボロジーセンター」の設備のひとつとして納入しました。“ProX300”は金属粉末をレーザーで焼結する産業用メタル3Dプリンターです。アディティブマニュファクチュアリングという従来の金属加工製造プロセスとは全く異なる手法により、材料の消費を最小限に抑えながら高性能・高精度、短時間に金属部品を製造することができます。従来の金属加工製造プロセスでは困難だったラティス構造や微細かつ複雑な形状の金属部品を一体の造形物として製造することが可能です。キヤノンMJは自社の強みでもある装置納入後の技術サポートとフィールドサービスを積極的に展開することにより、東京理科大学「トライボロジーセンター」の運営を支援していきます。

キヤノンMJは今回の導入実績を生かしながら、需要の拡大が期待されている自動車・航空宇宙・ロボット産業、エレクトロニクス、バイオ・医療・歯科業界などのマーケットに対し、産業用3Dプリンターを拡販していきます。キヤノンMJグループは3DプリンターやMRシステム、3D CAD、3D医用画像解析システムなどを含めた3D関連ビジネス全体で2017年に売上高150億円を目指します。

  • 二つの物体がそれらの接触面に沿って相対運動するとき、接触面に現れる摩擦・摩耗・潤滑などの力学現象を研究する応用力学の分野。科学と技術の境界領域の問題として注目されている。

3Dプリンターの市場動向

世界では第4次産業革命「インダストリー4・0」という製造業の変革が注目されるなか、欧米市場を中心とする海外のものづくりの現場では金属3Dプリンターの導入が本格化しています。従来の製造方法とは全く異なる金属3Dプリンターに適した設計・生産技術ノウハウを新たに確立する必要があるため、危機感を抱いた国内企業が装置導入を検討する案件が増加しています。

参考
2013年の3Dプリンターの市場規模(出荷台数)は世界市場で7万台、国内市場で3600台でした。2014年においては世界市場で11万台、国内市場で6200台と予測されています。国内市場では今後、教育や医療、航空宇宙分野における導入が期待されており、特に医療・航空宇宙分野ではハイエンドの装置導入が進むことが見込まれています。(出典:矢野経済研究所「3Dプリンタ世界市場に関する調査結果2014」)