株式会社大林組向けにMRシステム「MREAL(エムリアル)」を構築
~建設業向け事業を展開し3Dソリューション事業を拡大~
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(社長:川崎正己、以下キヤノンMJ)と、キヤノンITソリューションズ株式会社(社長:浅田和則、以下キヤノンITS)は、株式会社大林組(社長:白石達、以下大林組)向けに建築物の事前検証用のMR(Mixed Reality:複合現実感)システム「MREAL」を構築し、円滑な建設プロジェクトの推進に大きく貢献します。この事例を生かし建設業向け事業展開を強化し、「MREAL」を含む3Dソリューション事業を拡大していきます。
おもな特長
大林組は、国内外の建物や社会インフラ施設などの建設工事や、都市開発をはじめとする不動産事業だけでなく、近年はエンジニアリングや再生可能エネルギーによる発電事業も手掛け、技術を核とした事業展開を行っています。2012年には、バーチャルリアリティ技術の調査、研究を本格的に取り組むチームを編成しましたが、発注者や関係者で建築物のイメージをより正確に共有するためには、モニターやプロジェクターを用いるだけでは不十分であるという点が課題でした。
「MREAL」は、周囲の風景と建築物の3D-CGを利用者の立ち位置や視線の動きに合わせリアルタイムに映像を合成します。大林組ではこの「MREAL」の導入により、図面やデータではなく3D映像を見ることで、設計やデザインを直感的に確認したり、周囲の建築物と比較したりするなど、建設前に発注者や関係者との間でより正確なイメージ共有ができるようになりました。2014年に大林組が手掛けたキヤノンの川崎新事業所の建設でも「MREAL」が活用され、円滑なプロジェクトの推進に大きく貢献しました。
また、「MREAL」は発注者の意思決定を迅速化します。例えば、インテリアを検討する際、色や形のバリエーションを、「MREAL」を用いて現地でお客さまに確認いただくことで、スムーズに意思決定することが可能となります。
今後は外観や室内のみならず空調配管や耐震構造など、表からは見えない箇所の確認への「MREAL」の活用が検討されています。言葉や図でしか説明できなかった構造的な部分も「MREAL」を使用すれば、直感的かつ体感的に理解でき、現実を超えるプレゼンテーションが可能になります。
キヤノンMJとキヤノンITSは本事例において、コンサルティングから「MREAL」の構築、運用サポートを担っています。
2014年には、建築、意匠分野の3DCADソフトウエア市場において優位性のある「Vectorworks」の国内販売を手掛けるエーアンドエー株式会社をキヤノンMJグループに迎え入れ、「MREAL」と「Vectorworks」の連携による3Dソリューションの強化を進めています。今後は、「MREAL」を現在の主要顧客である製造業に加え、設計、施工、プレゼンテーションで3Dデータの業務活用が進む建設業にも提案していきます。
キヤノンMJグループは2017年までの中期経営計画において、「新規事業の立ち上げ」を成長戦略のひとつとして掲げており、MR事業もその一事業に位置付けています。
製造向けソリューションで培った豊富な実績とノウハウを活かし、建設業をはじめとする各種業種への展開を強化することで、「MREAL」やCADを中心とする3D関連製品などを含めた3Dソリューション事業において2017年の売上100億円以上を目指します。
この件に関するお問い合せ先
キヤノンITソリューションズ株式会社
エンジニアリングソリューション事業本部MR事業部
- 電話番号
- 03-6701-3490(直通)