ニュースリリース
2014年10月1日
キヤノンマーケティングジャパン株式会社

メディカルイメージラボと医用画像クラウドサービス基盤を共同開発
同社と同社の契約施設向けに「遠隔読影インフラサービス」を提供開始


キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:川崎正己、以下キヤノンMJ)は、このほど株式会社メディカルイメージラボ(代表取締役会長:宮坂和男、以下MIL)と医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place(メディカルイメージプレイス)」を共同で開発しました。キヤノンMJはこの基盤上で稼働させるサービスの第一弾として、遠隔読影の仕組みをクラウド方式で提供する「遠隔読影インフラサービス」を10月1日より開始します。

サービス情報

遠隔読影インフラサービス(連携病院向け)

価格
12万円~60万円/年
  • サービス内容により価格は変動します。
サービス
開始日
2014年10月1日

遠隔読影インフラサービス(読影サービス事業者向け)

価格
250円/検査
サービス
開始日
2014年10月1日

おもな特長

キヤノンMJグループは、中長期経営計画の成長戦略として事業の多角化とサービス事業会社化を掲げ、特に医療事業の強化・拡大に注力しています。
キヤノンMJは昨年1月に自社開発のPACS(医用画像システム)「Primitus(プリミタス)シリーズ」を市場投入し、本年8月には3D医用画像解析技術に強みを持つ株式会社AZEをグループに迎え入れるなど、医療画像ソリューション事業を強化してきました。

MILは北海道大学発のベンチャー企業で、これまで100施設に上る連携病院からのCTやMRIの遠隔画像診断を手掛けるなど、業界トップクラスの読影実績を誇る読影サービス事業者です。
キヤノンMJとMILは、MILが持つこれまでの遠隔読影の経験とキヤノンMJが持つ技術とインフラを最大限に活用し、このたび医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」を共同で開発しました。キヤノンMJはこの基盤上で稼働させる具体的なサービスの第一弾として、読影サービス事業者およびその契約施設向けに「遠隔読影インフラサービス」の提供を開始します。

本クラウドサービスを利用することで、連携施設がCTやMRIなどで撮影した患者の検査画像を、遠隔地の読影サービス事業者が読影し、読影レポートを連携施設に返送する仕組みを提供します。
新サービスは、利用者間の専用SNSや制約充足アルゴリズムによる依頼検査自動振分けなどの機能や、電子カルテなどの院内システムとオンラインで連携できる仕組みを持っており、病院内にいる専門医に依頼するような感覚で読影を依頼することができます。
一方、読影サービス事業者は自らサーバーや複雑なネットワークなどのシステムを構築する必要がなく、システム投資費用を抑えられることに加えシステム運用管理の手間をなくすことが可能で、画像読影業務に集中でき読影の生産性・効率性が向上します。

キヤノンMJは医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」をプラットホームに、今後、医療施設内で発生する画像データを保管する「医用画像保管サービス」や、AZEの3D医用画像解析技術を組み込んだ「クラウド型PACSサービス」を順次市場投入していく計画です。
また、今後、北海道大学との共同研究による成果や、キヤノン株式会社が共同研究を実施している京都大学医学部や聖隷福祉事業団聖隷浜松病院との成果も取り込んでいく予定です。
キヤノンMJグループは2017年に医療事業全体で売上高400億円を達成することを目標に医療事業を強化・拡大させ、医療イメージング分野のリーディングカンパニーを目指していきます。

遠隔画像診断(遠隔読影)の国内市場動向

国内では、X線診断装置やCT、MRIなどの医用画像診断装置が多くの病院やクリニックに導入されており、現在17,000~18,000台程度の装置が稼働しています。一方、検査情報を診断する専門医(読影医)は不足しており、放射線診断専門医は2013年現在約5,900名でこのうち実質的には4,000名程度しか読影を行っていない状況です。
こうした状況のなか、多くの医療機関において主治医は患者の検査情報を遠隔地の専門医に郵送して診断してもらったり、専門医を定期的に招くなどして診断しています。近年では、遠隔地の専門医と連携するネットワークシステムを構築しそのシステムを利用して診断する形態も増えつつあります。
遠隔画像診断(遠隔読影)の国内市場規模は2013年で約78億円、2020年には約385億円と今後大きく伸びることが予想されています。CTやMRIなど医用画像診断装置の導入施設数の増加に加え、装置の撮影速度および画質の向上により、読影対象となる画像量が増え、身体部位ごとの画像の専門性が高まっている状況です。こうしたなかで、放射線診断専門医の絶対数は不足し、身体部位ごとに専門領域がさらに細分化されているため、読影の効率化と診断の最適化を図る必要があり、遠隔画像診断(遠隔読影)システムの需要が増大しています。(キヤノンMJ調べ)