米国3D SYSTEMS社製3Dプリンターのラインアップを強化
3D CADやMRシステムを組み合せた3Dソリューション事業を展開
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:川崎正己、以下キヤノンMJ)は、このほど米国3D SYSTEMS(スリーディー・システムズ)社(3D SYSTEMS, Inc. 、President&CEO:Mr. Avi N. Reichental)製3Dプリンターのラインアップを強化します。これに合わせ、同社製3DプリンターとキヤノンITソリューションズ株式会社(代表取締役社長:浅田和則、以下キヤノンITS)が手掛けている3D CAD(3次元設計)ソフト、MR(Mixed Reality:複合現実感)システムを組み合せた3Dソリューション事業を4月10日より展開します。
主な特長
キヤノンMJグループは、本年より開始した3カ年計画「中期経営計画」の重点戦略において、グループの総力を結集したスピード感のある事業創造・新規商材調達、および全事業領域における“Beyond JAPAN”の推進を掲げています。なかでもビジネスソリューションセグメントの成長戦略においては、2016年に売上3750億円、営業利益123億円を目標としており、3Dソリューションなどの独自事業領域で年平均110%の成長率を目指しています。
近年製造業においては、製品のライフサイクルの短縮化が進み、製品をタイムリーに市場に投入することが求められています。特に3Dプリンターは、製品開発プロセスにおいて設計した3Dデータをそのまま立体造形し、短時間かつ低コストに試作品や最終製品を作れるツールとして注目されています。また、試作品を手軽に造形できるため設計プロセスでも試作回数を増やせるなど、ものづくりの上流工程におけるコミュニケーションツールとして期待されています。
キヤノンMJグループはこれまで、ITソリューション事業の中核企業キヤノンITSを中心に、CADやCAM、CAE、PDMなどの3D関連ソフトや、MRシステム「MREAL(エムリアル)」を製造業向けに販売してきました。昨年11月には、産業機器セグメントで3D SYSTEMS社のプロダクション3Dプリンターの販売を開始しました。このたび、同社の取り扱い製品ラインアップをプロフェッショナルおよびパーソナル分野にまで拡充し、3D関連ソフトやMRシステムを取り揃えることで、3Dコンテンツを活用した設計・開発・生産プロセスをインプットからアウトプットまで一貫して構築できる3Dソリューションを提供していきます。製造業向けソリューション分野で培ってきた豊富なシステム開発およびソリューション販売の実績・ノウハウを生かし事業を展開することで、お客さまの開発プロセスの革新、少量生産への対応などに貢献していきます。
本ソリューションの価格は、3Dプリンターおよび3D関連ソフト、MRシステムの機種や装置構成、システム構成により異なります。3Dプリンターのプロフェッショナルモデル“ProJet® 3500 HDMax”と“ProJet® 660Pro”をショールームに展示し、デモンストレーションや実機評価の機会を提供します。また、装置販売やソリューション提案だけでなく、納入後の技術サポートと保守サービスを手掛け、3Dプリンターのマーケットの裾野を拡大していきます。
3Dプリンターの国内市場動向
3Dプリンターの国内市場規模は、2012年度で数量が1,692台、金額が65億円でした。2013年度は数量が対前年比591%の1万台、金額が対前年比231%の150億円に拡大すると見込まれています。(出典:矢野経済研究所「3Dプリンタ市場に関する調査結果 2013」)
国内マーケットで最も導入が進んでいる業種は、自動車や電機などの製造業で、企画やデザイン、設計、開発、試作、営業などの部門で活用されています。また、研究所や大学での研究用途のほか、印刷業や複写サービス業からの新規参入が増えつつある造形サービス業、建設・建築業、医療など多様な業種で導入・活用されています。