ニュースリリース
2010年7月28日
MEMS向け犠牲層エッチング・コーティング装置の国内独占販売権を取得
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(社長:川崎正己、以下キヤノンMJ)は、このほど英国Point35社(Point 35 Microstructures Ltd.、代表:Mr.Peter Connock)との間で、同社製のMEMS向け犠牲層エッチング・コーティング装置“memsstar(メムススター)”の日本国内における独占販売契約を締結し、7月28日より販売を開始します。
- 犠牲層エッチング・コーティング装置“memsstar”
- Point35社製犠牲層エッチング・コーティング装置
“memsstar” - 価格(税別) 5000万円~1億5000万円※ (販売開始時期:7月28日)
- Point35社製犠牲層エッチング・コーティング装置
- ※装置構成により価格は変動します。
MEMS※向けの犠牲層エッチング・コーティング装置は、MEMSデバイスの製造工程において、犠牲膜を化学反応で除去し立体形状や可動構造を形成する装置です。MEMSの微細化と高集積化に伴い、従来一般的だった化学薬液で食刻するウェットエッチングに代わり、ガスで化学反応させるドライエッチングが注目されています。
キヤノンMJは、加速度センサーやシリコンマイク、バイオセンサーなど、今後需要の伸びが期待されている製造工程向けに本装置“memsstar”を拡販します。MEMSデバイスの形成に使用されるシリコン深堀エッチング装置で豊富な実績を蓄積してきましたが、このほど新製品“memsstar”をラインアップに加えることで、より広範なMEMSソリューションを提供していきます。
■枚葉式ドライエッチング
新製品“memsstar”は、ウエハーを1枚ずつ処理する枚葉式ドライエッチング装置です。高速かつダメージレスで、均一性・再現性に優れたエッチングが可能で、処理プロセスを細かく設定できる高いフレキシビリティーと短いタクトタイムを実現しています。また、酸化膜系犠牲層のエッチング用と、シリコン系犠牲層のエッチング用、コーティング用の3つのチャンバーを備えており、酸化膜系犠牲層のエッチングチャンバーはアルコールを使用しないので優れたメンテナンス性能を有しています。
■エッチングとコーティングの連続処理
酸化膜系犠牲層あるいはシリコン系犠牲層のエッチングチャンバーと、コーティングチャンバーを搬送モジュールで組み合わせることで、量産に対応した連続のインライン処理を実現しています。エッチング処理したウエハーを専用のチャンバーに直接移送できるので、外気に汚染されることなく安定したコーティング膜を形成できます。これにより、スティクションという可動部が表面張力などで周囲に付着して動かなくなる現象を防ぎます。
- ※超微細な電子回路や機械構造、センサーなどをシリコンウエハー上に高密度に集積したデバイス。