ニュースリリース
2008年12月2日
Metryx社製半導体検査装置の国内独占販売権を取得
高精度な半導体質量分析装置“Mentor DF3/SF3”を発売
このほどキヤノンマーケティングジャパン株式会社(社長:村瀬治男、以下キヤノンMJ)は、英国Metryx社(Metryx Ltd.、社長:Dr. Adrian Kiermasz)と、同社製半導体質量分析装置“Mentor(メンター) DF3/SF3”2モデルの日本国内における独占販売契約を締結し、12月中旬より販売を開始します。
- Metryx社半導体質量分析装置
“Mentor DF3”
- Metryx社半導体質量分析装置“Mentor DF3/SF3”
- 価格(税別) 1億円~1億5千万円(販売開始:12月中旬)
半導体デバイスの微細化・高密度化にともない、半導体製造プロセスにおける品質管理基準・コストは増大しています。キヤノンMJは、半導体デバイスの質量変化を精密に分析することで、これまで不可能だった薄膜の側壁評価を実現するなど、各製造工程における品質管理技術を向上しコストを低減できる新しいプロセス管理手法を提案していきます。
新製品“Mentor DF3/SF3”は、気圧や温度など測定時の変動要因を独自の技術で補正・制御することで、測定分解能1マイクログラム、300mmウエハーのシリコン酸化膜・窒化膜を厚さ約0.5ナノ(ナノは10億分の1)メートルまで分析できる測定再現性を備えています。また、質量分析はデバイスの素材や回路パターン、膜厚・膜質に影響されないので、これまでの測定手法では困難だったSTI※1やLow-K層間絶縁膜※2、High-Kゲート絶縁膜※3といった最先端半導体製造プロセスの異常を検出することができます。品種やプロセスに応じて装置基準を校正したり複雑なレシピを設定することなく、成膜やエッチング(食刻)、洗浄など前工程から後工程まで広範な半導体製造プロセスに適用できます。さらに、プロダクトウエハーをインラインで最大毎時60枚という高いスループットで測定することが可能で、テスト用として使用されるモニターウエハーを削減し製造プロセス全体のコストダウンが図れます。
- ※1STI(shallow trench isolation):LSI(大規模集積回路)製造プロセスにおける素子分離技術の一種。素子分離領域を小さく形成できるので、現在の超微細製造プロセスにおける素子分離技術の主流となっている。シリコン表面に欠陥が生じやすいという問題がある。
- ※2Low-K層間絶縁膜:LSIの配線を包む層間絶縁膜に誘電率の低い材料を採用し、配線を伝わる電気信号を高速化させたもの。
- ※3High-Kゲート絶縁膜:LSIを構成するトランジスタのゲート絶縁膜に誘導率の高い材料を採用し、微細化・集積化にともなって発生するリーク電流を低減させたもの。