ニュースリリース

2008年11月28日

JVS社製半導体検査装置の国内独占販売権を取得
先端半導体を高精度に測定するBedeシリーズを発売


このほどキヤノンマーケティングジャパン株式会社(社長:村瀬治男、以下キヤノンMJ)は、イスラエルJVS社(Jordan Valley Semiconductors Inc.、社長:Isaac Mazor)と、同社製X線結晶解析測定装置“BedeMetrix(ビードメトリックス)-Fi/BedeMetrix-L/BedeScan(ビードスキャン)”3モデルの日本国内における独占販売契約を締結し、12月上旬より出荷を開始します。

JVS社X線結晶解析測定装置“BedeMetrix-Fi”
JVS社X線結晶解析測定装置
“BedeMetrix-Fi”
  • JVS社X線結晶解析測定装置“BedeMetrix-Fi/BedeMetrix-L/BedeScan”
    価格(税別) 1億円~(出荷開始:12月上旬)

X線結晶解析測定装置は、SiGe※1や歪(ひずみ)Si※2といった最先端半導体デバイスやシリコンウエハーの結晶構造を測定する装置で、高度な品質管理が求められる最先端半導体製造プロセスにおいて注目されています。キヤノンMJは、JVS社と2004年7月から同社製X線膜厚測定装置※3の国内独占販売契約を結んでいますが、このたび新たに、その契約製品の範囲をX線結晶解析測定装置にまで拡大するものです。

新製品“BedeMetrix-Fi/BedeMetrix-L”は、超微細回路を高精度に計測できるマイクロスポットX線回折測定技術(XRD※4)と、厚さ1ナノメートルの薄膜を計測できるX線反射率測定技術(XRR※5)を搭載しており、SiGeや歪Siなどの最先端半導体デバイスを直接計測することができます。“BedeMetrix-Fi”はウエハーサイズ300mmの量産ライン向けとして、“BedeMetrix-L”は300mmおよび200mmの研究開発用途として開発されたものです。
一方、新製品“BedeScan”は、ウエハーサイズ300mmのシリコンウエハー基板を計測する装置です。製造プロセスへ投入する前に、X線回折測定技術(XRD)でウエハーの表面や内部の結晶構造の欠陥を検出することで、半導体製造プロセスにおける歩留まりの向上とロスコストの削減が図れます。

  • ※1SiGe:シリコンゲルマニウム。シリコンとゲルマニウムを組み合わせた半導体素材。シリコン半導体より電導性が高いため、消費電圧が小さく高速に動作し、ノイズが少ない。
  • ※2歪(ひずみ)Si:歪シリコン。トランジスタを構成するSi膜に歪を加えることで、LSI(大規模集積回路)の性能を引き上げる半導体プロセス技術。
  • ※3X線膜厚測定装置:半導体デバイスの成膜プロセスにおいて、膜質の組成や密度に影響されず、薄膜から厚膜まで計測できる測定装置。
  • ※4XRD(X-ray Diffraction):X線回折あるいはX線結晶構造解析。X線が結晶格子により回折される現象のことで、この回折の結果を解析して結晶内部で原子がどのように配列しているか、物質の結晶構造を調べることができる。
  • ※5XRR(X-ray Reflectometry):X線反射率。X線を物質表面に極浅い角度で入射させ、その入射角対鏡面方向に反射したX線強度プロファイルとシミュレーション結果を分析し、物質の膜厚・密度を算出することができる。

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