新製品“iPF720”は、「iPF710」(2007年9月発売)の上位機種として、その優れた基本性能を備えつつ、80GBの大容量ハードディスクドライブ(HDD)を搭載したモデルです。複数の印刷ジョブを効率的にハンドリングすることが可能なほか、複数枚をプリントする時などのトータルスループットの向上、セキュリティ機能※1の搭載など、生産性と信頼性を大幅に強化しました。
印刷面では、高耐候染料インク4色に顔料マットブラックを加えた5色の「染・顔料リアクティブインク」や、超高密度プリントヘッド技術「FINE(Full-photolithography Inkjet Nozzle Engineering)」により、各色ごとに2列ずつ配した1,200dpiのノズル列を採用しています。高速イメージプロセッサー「L-COA(エルコア)」の高速処理と合わせて、最小4pl(ピコリットル)の極小インク滴を多く吐出し、高精細と高濃度を実現しながらA0サイズで約55秒※2の高速印刷を達成しています。
※1ファームウエアのバージョンアップ(7月上旬)にて対応予定。
※2「普通紙」、「はやいモード」において。
【大判プリンターの市場動向】
デジタルカメラの普及による高画質出力へのニーズと飛躍的な技術革新を背景に、A3ノビサイズを超える大判プリンターの市場はここ数年で堅調な拡大を見せています。なかでも、大判フォトやファインアート、グラフィックデザイン、CG、カラーカンプ、カラープルーフ、ポスター、CAD出力など、高画質な大判出力を必要とする分野においては、高速で高画質な出力が可能なインクジェットプリンターの役割は確実に広がりを見せています。
また、大判プリンターは多くの情報を1枚にまとめて出力できることから、従来の大判プリント用途はもちろん、パネルディスカッションなどのプレゼンテーション用資料、一般オフィスや学校での掲示物など、従来の枠を越えた幅広い用途でも注目されています。特にポスター・掲示物用途では、高画質そしてオンデマンド性から今後も大きく市場が拡大していくことが見込まれます。(キヤノン調べ)
【開発の背景】
キヤノンではこれまで、大判プリンター出力において必要とされる高速出力、高画質、高信頼性、優れた操作性を兼ね備えた「imagePROGRAF」シリーズを提供し、市場から高い評価を得てきました。
今回、CADやポスター出力をはじめとする幅広い用途における大量出力に適したA0ノビ用紙サイズ対応の新製品として、80GBの大容量ハードディスクドライブを搭載したモデル“iPF720”を市場に投入します。
キヤノンは今後も、最先端の技術を取り込みながら、出力用途やサイズごとに最適化された幅広いラインアップを展開することで、多様なユーザーニーズに的確に対応していきます。