今年2007年は、キヤノンが会社創立70周年を迎えると同時に、一眼レフカメラEOSシリーズが誕生して20年となる記念すべき年にあたります。
1987年に福島工場(当時)で出荷を開始して以来、台湾キヤノンや、現在の基幹工場である大分キヤノンで生産を行い、誕生10周年を迎えた1997年に1,000万台を、2003年に2,000万台を突破し、それから4年後の今年、累積生産台数が3,000万台に達しました。
キヤノンでは、会社創立50周年を迎えた1987年の3月に、EOSシリーズの第一号機として、世界初の電子マウント方式を採用し、レンズとボディ間はもとよりシステム全体の完全電子制御化を実現した新世代のAF一眼レフカメラ「EOS 650」を発売しました。
「Electro Optical System」の意味を持ち、ギリシャ神話に出てくる「曙の神」の名でもあるEOSは、この後、さまざまな革新的な技術を搭載し、進化を遂げていきます。
プロ写真家向けの最高級機「EOS-1」(1989年)、撮影者の見つめたところにピントが合う画期的な視線入力AF機能を搭載した「EOS 5 QD」(1992年)、小型・軽量を実現してユーザー層の裾野を広げた「EOS Kiss」(1993年)など、キーコンセプトの「快速・快適」を具現化することで、幅広いユーザー層から高い評価を得てきました。
2000年代に入ると、自社製CMOSセンサーを搭載した「EOS D30」を皮切りに、本格的なデジタル一眼レフカメラの時代が到来します。CMOSセンサーや高性能映像エンジン「DIGIC」などの基幹部品を自社開発するとともに、豊富なラインアップを取り揃えたEFレンズ群と合わせて、新たなキーコンセプトである「快速・快適・高画質」を追求した製品を送り出してきました。
EOS誕生20周年を迎えた本年は、システムを全面的に一新した最高峰デジタル一眼レフカメラ「EOS-1D Mark III」と「EOS-1Ds Mark III」や、ハイアマチュア層から一眼レフカメラ初心者まで含めて大好評を博している「EOS 40D」の3機種を発売し、さらに強力なラインアップを作り上げました。
キヤノンは、これからもEOSシリーズの技術を進化させ、さらなる品質向上とサービスを含む販売体制の強化を行うことにより、全てのユーザーに満足していただけるような魅力的な製品群を提供し続けるとともに、新しい写真文化の創造に寄与していきたいと考えています。