新製品“iPF9000”は、最大60インチ用紙サイズにまで対応した、大判インクジェットプリンター「imagePROGRAF」シリーズのフラッグシップモデルです。顔料インク「LUCIA(ルシア)」を採用した12色顔料インクシステムや、高密度プリントヘッド技術「FINE(Full-photolithography Inkjet Nozzle Engineering)」による各色2,560ノズル、合計30,720ノズルから吐出する最小4pl(ピコリットル)の極小インク滴の実現により、2,400×1,200dpiというクラス最高※1の解像度を備えています。また、高速イメージプロセッサー「L-COA(エルコア)」の搭載とあいまって、高画質と高速印刷の両立を実現します。さらに、光の3原色と同じレッド、グリーン、ブルーの特色インクと、濃淡2種類のグレーインクを加えたことにより、広い色再現領域と清澄感の豊かな発色、高い階調性を実現しました。これらに加えて、700mlと330mlから選べる2種類の大容量インクタンクの採用やハードディスクの搭載、ロール紙の自動巻き取り装置の標準装備、大型液晶操作パネルの採用などにより、出力センターなどでの大量出力に求められる高い信頼性と操作性を備えています。
新製品“iPF700/iPF600/iPF500”は、それぞれ最大A0ノビ、A1ノビ、A2ノビサイズ対応の大判インクジェットプリンターです。新開発の高耐候染料インク4色に、顔料マットブラックを加えた5色の「新染・顔料リアクティブインク」の採用や、高密度プリントヘッド技術「FINE」と高速イメージプロセッサー「L-COA」の搭載により、高画質と高速印刷の両立を実現しています。「リアクティブインクテクノロジー」によるブラックとカラーの境界でおこるにじみの低減と、黒文字と線画をくっきり印刷する「新文字・線画鮮鋭化処理」技術などの高度な画像処理アルゴリズムを多数搭載することでCADやポスター、掲示物などさまざまな用途で美しい仕上がりを実現します。
また、マットブラックで5,120ノズル、その他各色で2,560ノズルの合計15,360のノズル数が、リアル1,200dpiの高精細ヘッドとあいまってA0サイズで1.2分※2の高速印刷を実現します。また、130mlの大容量インクタンクや4Way給紙※3※4を搭載するなど、高い生産性と操作性を備えています。
新製品4機種はいずれも、多様なサイズでのフチ無し印刷※4に対応するとともに、操作性と編集機能の大幅な向上を図った「PosterArtist 2006」を標準で同梱するなど、ポスターなどの掲示物を簡単に作成するための機能も充実させています。さらに、Microsoft WordやExcel、Adobe Illustrator などの複数のアプリケーションソフトで作成したデータを一緒に取り込んで、それらをレイアウト印刷できる「フリーレイアウト」機能、キヤノン製のスキャナーや複合機で読み取った原稿を拡大して出力する「拡大コピー」機能などを採用することで、手軽な大判出力を実現しています。また、高性能カッターやノズルリカバリーシステムの搭載、電子メールを利用したリモート通知機能など、業務用プリンターに求められる高い生産性や信頼性、操作性を兼ね備えています。さらに、CADやフォト出力などの用途向けに豊富なソフトウエアソリューションも用意し、多様な印刷ニーズに応えます。
※1 60インチ用紙に対応した大判インクジェットプリンターとして。2006年4月5日現在。
※2 “iPF700”で「速い」モードで普通紙に印刷した時。
※3 “iPF500”、“iPF600”の場合。
※4 “iPF500”では、オプションの「自動切換ロール紙ユニットRU-01」装着時。
【大判プリンターの市場動向】
デジタルカメラの普及による高画質出力へのニーズと飛躍的な技術革新を背景に、A3ノビサイズを超える大判プリンターの市場はここ数年で堅調な拡大を見せています。なかでも、大判フォトやファインアート、グラフィックデザイン、CG、カラーカンプ、カラープルーフ、ポスター、CAD出力など、高画質な大判出力を必要とする分野においては、高速で高画質な出力が可能なインクジェットプリンターの役割は確実に広がりを見せています。
また、大判プリンターは多くの情報を1枚にまとめて出力できることから、従来の大判プリント用途はもちろん、パネルディスカッションなどのプレゼンテーション用資料、一般オフィスや学校での掲示物など、従来の枠を越えた幅広い用途でも注目されています。特にポスター・掲示物用途では、高画質そしてオンデマンド性から今後大きく市場が拡大していくことが見込まれます。(キヤノン調べ)
【開発の背景】
キヤノンではこれまで、大判プリンターにおいて必要とされる高速出力、高画質、高信頼性、操作性などのすべてを兼ね備えた「imagePROGRAF」シリーズを提供し、高い評価を得てきました。今回の新製品はいずれも、その優れた機能や性能を継承しつつ、多様化するユーザーの用途にきめ細かく対応するために開発されたものです。
新製品“iPF9000”は、60インチ幅のプリントに対応し、写真やファインアートを迫力のあるサイズで美しく出力することが可能です。
一方、“iPF700/iPF600/iPF500”は、さまざまな用途に幅広く対応するために開発された、「imagePROGRAF」の新系統モデル群です。CAD/GISの出力をはじめ、デザイン・流通・サービス業・印刷業界などに留まらず、学校や一般オフィスでの掲示物やポスターを自分で制作するといった手軽な大判出力にも対応します。
キヤノンの大判インクジェットプリンターは、これらの4機種の市場投入に伴い、計8機種のラインアップが揃うことになります。キヤノンは、出力用途やサイズごとに幅広いラインアップを展開することで多様なユーザーニーズに的確に対応していきます。