| 2005年10月 
 キヤノンギャラリー S久保田博二 ダイトランスファープリント作品展
 (キヤノンフォトコレクション作品)開催のご案内
 
 
キヤノン販売株式会社(社長:村瀬治男)は、キヤノン S タワー1階 キヤノンギャラリー Sにおいて、2005年11月1日より久保田博二 ダイトランスファープリント作品展(キヤノンフォトコレクション作品)を開催します。
 
 
  
| この件に関するお問い合わせ先 
 キヤノン販売株式会社 キヤノンギャラリー S
 TEL 03-6719-9021
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■期間
  2005年11月1日(火)~11月30日(水) 10時~17時30分 [休館:11/6(日)、13(日)、23(水・祝)、27(日)]
 入場無料
 
  ■会場
 
  キヤノン S タワー1階  キヤノンギャラリー S
 
  ■ご案内
 
  久保田博二氏は、世界を舞台に活躍する写真家集団マグナムのメンバーとして、これまで多くの国々を駆け巡り取材してきました。その中で、「アメリカと日本、アジアと日本」を重要なテーマとして撮り続けています。
 20世紀末の、激動の4半世紀の時代の流れに立ち会い、戦後の政治経済の動向、民族の祭典、都市と自然、環境、食料問題など、あらゆるアングルから冷静かつ的確な眼を向けてそれらの映像を記録している久保田氏はまた、私たちが生きている21世紀の日本の姿を謙虚な眼で捉え、その未来を見つめています。
 
本展では、1978年から2003年にかけて撮影した、中国、北朝鮮、ビルマ(ミャンマー)、日本、そしてアメリカの作品の中から、作者自身が厳選した映像を48作品にまとめたポートフォリオを展示します。これらの作品は1992年頃から10年以上を費やして制作された、すべてダイトランスファープリント(染料転写方式)※のカラー作品です。このプリント方法の第一人者の職人的な多色刷り(通常は3色刷りだが、特色6~12色刷り)の技術によって、色彩の表現力は最大限に発揮され、ドキュメントとしてのカラー写真がまさに「現代の浮世絵」と呼べる芸術作品として完成しました。
 
  
 
| ※ | (注)ダイトランスファープリントはイエロー、マゼンタ、シアン、3色の染料を使用した転染法によるカラープリントで1945年にコダック社が発表した技法です。このプロセスは作業が複雑で、熟練を要するためにコストも高く、量産には向いていないプリント方式でしたが、カラー分解による微妙な色の調整や暗部の階調描写が可能なため、作者の意図を十分に表現する作品制作に最適な技法と言えます。しかし近年のデジタル画像処理の普及におされて、1990年代初めに専用のフィルムなどの製造が中止となり、また現在では継承者がおらず、希少な技法として惜しまれつつも姿を消そうとしています。 |   ■キヤノンフォトコレクションについて
 
  キヤノンは映像文化の発展を願い、日本の優れた写真家が撮影した作品のコレクションを1994年より開始し、現在1500点あまりの作品を収蔵しています。今回新たにコレクションとして久保田博二氏の作品を収蔵しました。
 
  ■久保田博二(くぼた ひろじ)プロフィール
 
  
 
| 1939年 |  | 東京に生まれる。1962年早稲田大学政経学部卒業後、渡米。ニューヨーク、シカゴに6年間滞在。 |  
| 1965年 |  | ニューヨークでフリーランスの写真家としてスタート。68年に帰国。 |  
| 1969年 |  | 復帰前の沖縄を集中取材。 |  
| 1971年 |  | 写真家集団「マグナム・フォト」に参加。 |  
| 1975年 |  | サイゴン陥落取材を契機に、「アジア」と本格的に取り組み始める。 |  
| 1978年 |  | 北朝鮮の取材を開始。 |  
| 1979年 |  | 中国全省の取材を開始(1985年完了)。 |  
| 1987年 |  | 米国全州の取材を開始(1992年完了)。 |  
| 1993年 |  | 東アジア16カ国・地域の取材を開始(1997年完了)。 |  
| 1998年 |  | アジアの食糧問題を取材開始(1999年完了)。 |  
| 2000年 |  | 日本の取材を開始(2004年完了)。 |   受賞
 第一回講談社出版文化賞(1970年)、日本写真協会年度賞(1982年)、毎日芸術賞(1983年)
 
  主な個展
 「On China」I.C.P.(ニューヨーク1985年)、「China中國万華」(日本、北米、中国、ヨーロッパで巡回展示1986-1990年)、「Korea: Above the 38th Parallel」I.C.P.(ニューヨーク1988年)、「From Sea To Shining Sea アメリカの肖像」(日本、アメリカ、中国、およびアジア各地で巡回展示1992-1997年)、「Out of the Eastアジアの息吹き」(中国、日本ほか、アジア各地で巡回展示1998-1999年)、「Can We Feed Ourselves? アジアと食料」(東京、フィレンツェ、ニューヨークで巡回展示1999-2001年)。
 
  主な出版物
 「大河の流れ」芸文社(1981年)、「桂林夢幻」岩波書店(1982年)、「黄山仙境」岩波書店(1985年)、「China」W. W. Norton(アメリカ、1985年)、「中國万華」TBSブリタニカ(1986年)、「China」William Collins(イギリス、1986年)、「中国風物」三聯書店、(香港、1987年)、「朝鮮名峰」岩波書店(1988年)、「朝鮮・38度線の北」教育社(1988年)、「北の山河」ハンギョレ新聞社(韓国、1988年)、「アメリカの肖像」集英社(1992年)、「一番遠い国、北朝鮮案内」宝島社(1994年)、「Out of the East」W. W. Norton(アメリカ、1998年)、「アジアと食料」家の光協会(1999年)、「Can We Feed Ourselves?」Magnum Photos(2000年)、「日本 JAPAN」W. W. Norton(2005年)
 
  主なコレクション
 I.C.P.(ニューヨーク)、ビクトリア・アンド・アルバート美術館(ロンドン)、ExxonMobil(ダラス)、東京国立近代美術館(東京)、東京都写真美術館(東京)、川崎市市民ミュージアム(川崎)、清里フォトアートミュージアム(山梨県)、日本大学(東京)、キヤノンフォトコレクション(東京)
 
   
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