2004年7月2日
高画質と簡単操作を両立した散瞳型デジタル眼底カメラ
"キヤノン CF-60DSi" を発売
キヤノンは、主に医療機関を対象として、簡単操作で高画質な眼底撮影を可能とした散瞳型デジタル眼底カメラ※1 "キヤノン CF-60DSi" を本日より発売します。
※1瞳孔を開くために散瞳薬を使用する眼底カメラです。
キヤノン CF-60DSi 別売のEOS-1Ds、ICGカメラアダプター、ICGカメラ (H) 装着時 |
● | キヤノン CF-60DSi | ‥‥価格(税別) | 450万円※2(発売日:2004年7月2日) |
※2EOS-1Ds、ICGカメラアダプター、ICGカメラ (H) は別売です。 |
この件に関するお問い合わせ先
キヤノン販売株式会社 MBS販売推進課 TEL 03-3740-3412(直通) |
新製品 "CF-60DSi" は、デジタル撮影専用の散瞳型眼底カメラで、60゜の広角撮影が可能な「CF-60UVi」(1995年発売)の優れた光学性能を継承しつつ、キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS-1Ds」(別売)との連携により大幅な画質向上を実現しています。
撮影面では、2台※3の高画質デジタルカメラからなるシンプルなシステム構成でありながら、カラー撮影、蛍光撮影※4、ICG撮影※5の3つの撮影モードに対応しています。カラー撮影と蛍光撮影では、キヤノンのデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデル「EOS-1Ds」との組み合わせにより、有効画素数1110万画素という最高レベルの解像度で眼底を撮影できるため、より精密な診断を可能とします。
操作面では、新開発のコントロールソフトウェアにより、本体と接続したパソコンを使って撮影画像への患者情報の入力や撮影モードの切り替えを可能にするなど、従来にないスムーズなオペレーションを実現しています。さらに、医用画像通信の標準規格DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)に準拠しているので、特別なソフトを介すことなく、病院内のネットワークに接続して、患者情報のデータベースと連携した高度な医用情報管理や撮影画像を利用した遠隔診断などが行えます。
※3 |
ICG撮影が不要な場合は、1台のカメラでシステムを構成できます。 |
※4 |
蛍光色素を血管内に注入して眼底を検査・撮影する手法です。 |
※5 |
蛍光色素を血管内に注入して眼底の奥にある脈絡膜を近赤外光で検査・撮影する手法です。オプションのICGカメラ(H)及び専用ICGカメラアダプターが必要です。 |
【市場動向と開発の背景】
画像処理や通信などデジタル技術が急激な進歩を遂げる中、正確で迅速な処置が求められる医療機関においては、患者の医療データを効率よく一元管理できる電子カルテや、ネットワークを介した遠隔診断システムの導入など、様々な分野においてデジタル化が進んでいます。眼底カメラも医療機関のデジタル化に対応するために、デジタル眼底カメラの普及率が徐々に高まりつつあり、その市場が形成される中で、ユーザーからはデジタルならではの使いやすさと高画質の両立が強く求められています。
こうした中、キヤノンは、画質と操作性を高い次元で達成するとともに、医用画像通信の標準規格DICOMに準拠した散瞳型デジタル眼底カメラとして、新製品“CF-60DSi”を開発しました。新製品は、1995年に発売した「CF-60UVi」の後継機種で、キヤノンが初めて市場に投入するデジタル撮影専用の散瞳型眼底カメラです。デジタル一眼レフカメラ「EOS-1Ds」と連携した高画質、近赤外動画観察と静止画撮影を1台のICG撮影用デジタルカメラで行えるシンプルなシステム構成、医用画像通信規格への準拠など、診察の高精度化、迅速化への要望に応えるための様々な機能を搭載しています。
【眼底検査の目的】
眼底とは、目の奥の網膜や血管などがある部位のことで、全身の中で唯一、直接血管を見ることができます。
眼底カメラは、眼底血管の走行状態や出血の有無、乳頭形状など眼底画像の記録に広く用いられ、多岐にわたる眼科疾患の診断に役立っています。特に、散瞳型眼底カメラを用いた蛍光撮影では、血管内の血流状態を写し出すことができるため、さらに精密な診断を行うことができます。
眼底の血管を診察することで、全身の血管の状態を推測することができるので、高血圧や動脈硬化の進行や糖尿病など全身疾患を発見する手がかりになります。そのため、眼科疾患だけでなく、成人病健診にも眼底カメラは活躍しています。
国内だけで糖尿病が疑われる人は740万人(出典:平成14年厚生労働省発表資料)を超えており、糖尿病の合併症の一つである網膜症の検査において、眼底カメラがますます注目されています。
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