今回発売されるのは、HDTV対応ズームレンズでは、ポータブルカメラ専用の22倍スタジオ用ズームレンズ "キヤノン DIGISUPER 22 xs" と、ハイコストパフォーマンスの23倍スタジオ用ズームレンズ "キヤノン DIGISUPER 23 xs" 、クラス最高※1のワイド端焦点距離を達成したENG※2/EFP※3用ズームレンズ "キヤノン HJ22e×7.6B" の3機種で、SDTV用ズームレンズでは、クラス最高※4のテレ端焦点距離を達成した "キヤノン J35e×15B" およびその姉妹機種の "キヤノン J35e×11B" の2機種です。
新製品はいずれも、光学系や電気系部品で各国の環境規制をクリアするレベルまで鉛フリー化を達成しています。
新製品 "DIGISUPER 22 xs" は、HDTV対応のスタジオ用ズームレンズで、ポータブルカメラ専用の新コンセプトモデルです。これにより、比較的低価格でありながら高性能化が進むポータブルカメラと組み合わせてローコストで良質な画像を得ることが可能です。
新製品 "DIGISUPER 23 xs" は、HDTVに対応する高い光学性能を小型ボディに凝縮した、ハイコストパフォーマンスのスタジオ用ズームレンズです。
いずれも、フォーカシングによる画角変動をデジタル的に補正して抑える「CAFS機能」を標準で装備するなど、普及クラスのレンズでありながら多彩なデジタル機能を備えています。
新製品 "HJ22e×7.6B" は、2000年発売の「HJ21×7.8B」の後継機種で、クラス最高となるワイド端焦点距離7.6mmを達成したENG/EFP用ズームレンズです。ENG/EFPタイプとして世界初となるエンコーダー※5搭載レンズで、0.5秒の高速ズームから3分以上のスローズームまで、幅広いズームサーボの制御が可能なほか、フォーカスサーボ、アイリスサーボの高精度な位置制御も実現しています。このほか、複数の信号形式に対応したバーチャルインターフェースを標準装備しており、バーチャルスタジオ撮影でも力を発揮します。
新製品 "J35e×11B" は、1991年発売の「J33a×11B」の後継機種で、ドキュメンタリー撮影などに最適な小型・軽量・高解像のSDTV用ズームレンズです。ズーム倍率を33倍から35倍に引き上げたにもかかわらず、従来機種以上に軸上色収差を抑制しているので、シャープな画像を得ることができます。
また、新製品 "J35e×15B" は、 "J35e×11B" の姉妹機種で、小型・軽量のボディはそのままにクラス最高のテレ端焦点距離525mmを達成しています。
なお、これらの製品は、4月19日から22日までアメリカのラスベガスで開催される放送機器展「NAB 2004」に出展されます。
【市場動向と開発の背景】
放送のデジタル化は、放送局の送信設備のみならず、制作機材や制作手法にも大きな変化をもたらしており、ますます高精度で複雑な制御が放送用レンズに求められています。さらに、環境への関心が世界的に高まる中、プロ機材である放送用レンズにおいても環境配慮製品が求められています。
キヤノンはこうした市場動向を捉え、光学系や電気系部品で各国の環境規制をクリアするレベルまで鉛フリー化を達成したズームレンズ5機種を発売します。さらにHDTV対応レンズでは、独自のキーコンポーネントである小型・高性能のエンコーダーを搭載することで、高精度なデジタル制御を実現しました。
スタジオ用HDTV対応レンズでは、1999年発売の「DIGISUPER 25 xs」の下位モデルとして、 "DIGISUPER 22 xs" と "DIGISUPER 23 xs" を投入し、ラインアップを一挙に3機種に拡充します。ポータブルタイプのレンズでは、ズームやフォーカス、アイリス制御のさらなる高精度化を実現するために、新開発のエンコーダーを搭載した "HJ22e×7.6B" を投入します。
また、ロングセラーモデル「J33a×11B」の後継機種として、環境対応設計を図ったSDTV用ズームレンズ "J35e×11B" 、 "J35e×15B" の2機種を投入します。
※1 |
22倍のENG用レンズとして。(2004年4月8日現在) |
※2 |
Electronic News Gatheringの略です。 |
※3 |
Electronic Field Productionの略です。 |
※4 |
35倍のEFP用レンズとして。(2004年4月8日現在) |
※5 |
ズームやフォーカス、アイリスなどの位置を測定するデバイス。 |