「ハンディターミナル」は、電気・ガス・水道などの公共料金検針業務や、流通業における受発注・納品・棚卸、金融機関における集金・顧客管理などを、その場で迅速に処理できる業務用携帯情報端末です。最近では、航空機機内販売システムとして活用されるなど、モバイルソリューションの重要な情報ツールとして様々な業種への導入が拡がっています。
新製品 "プレア KT-1" は、様々な無線モバイル通信機能を搭載することで、検針業務の大幅な効率化を実現しました。本体側に無線検針ユニット※を装着し、遠隔操作による無線検針を実現。メーターが埋もれた豪雪地域での冬季検針やオートロック式のマンション、障害物のあるビル、立ち入り制限のある施設など、メーター検針を直接行うのが困難な状況において、無線活用によるスムーズな検針業務をサポートします。また、標準搭載プリンターに加え、ワイヤレスで出力できるBluetooth(R)搭載携帯プリンター※を用意。検針後、公共料金の納入通知書や振込用紙などをその場で発行でき、郵送コストの削減と公共料金回収サイクルの短縮を図れます。また、無線LANやDoPa、PHSなど多彩なモバイル通信に対応し、コミュニケーション効率を高めます。検針先で顧客最新情報を社内ネットワークから入手すれば、二重請求の防止や繰越清算などをリアルタイムに行えるとともに、その場で検針データを社内ネットワークに送信することが可能。検針業務の時間とコストを大幅に削減します。
キヤノン販売は、今回ハンディターミナルシリーズに新製品 "プレア KT-1" をラインアップに加え、ITサービス事業の一環として、高付加価値のモバイルソリューション事業を強力に展開していきます。なお、今後プリンター非搭載モデル「KT-C1」もラインアップに追加します。
※ いずれもオプションです。
【市場動向】
2003年度(平成15年度)のハンディターミナルの国内総出荷台数は、対前年比101%の約27.2万台、金額ベースでは対前年比97%の約292億円と予測されています。2004年度(平成16年度)の国内総出荷台数は対前年比113%の約30.7万台、金額ベースでは対前年比117%の約342億円になると予測されています。
《(社)電子情報技術産業協会「端末装置に関する調査報告書 平成15年5月」調べ》
【開発の背景】
キヤノン業務系ハンディターミナルシリーズは1982年以来、専用OSであるHT-OS機にて、金融・流通(飲料)・検針系市場を中心に多くの実績を残してきました。また、2002年には新たに汎用OS搭載モデルを業務系ラインアップに追加し、金融・流通・検針市場でのシェア拡大を図りながら、さらにスキャナー一体を選択可能とし、店舗販売・サービス・点検設備業界等の市場へも拡大し、販売数を増大してきました。今後の製品の中心となる汎用OS搭載モデルに、検針業務にターゲットを絞った専用モデルを追加。検針業務に必要な機能を強化するとともに、不要な機能を切り捨てることによりスリム化を図りました。もちろん、他の業務でも使用可能な十分なスペックを有し、現行プレアCTシリーズとは並行販売し、プレアシリーズに検針業務向けモデルを追加する形での製品ラインアップとなります。