新製品 "MPA-8500" および "MPA-8500CF" は、半導体露光装置や液晶基板露光装置で実績のある等倍反射投影光学系を使用して、大画面を一括でスキャン露光するミラープロジェクション方式を採用した最新モデルです。従来機に比べて約2倍の口径を持つ大型ミラー投影系と約1.5倍の移動速度を備えた大型ステージを搭載することで、1,870mm×2,200mmという第7世代の基板サイズに対応し、1基板あたり17型パネルで36面、27型ワイドTV用パネルで18面、37型ワイドTV用パネルで8面、さらに47型ワイドTV用パネルで6面の面取りが可能です。
スループット(単位時間あたりの処理能力)としては、同基板サイズの場合に、17型パネルで毎時1,620枚、27型ワイドTV用パネルで同810枚、37型ワイドTV用パネルで同320枚、47型ワイドTV用パネルで同270枚という高いスループットを実現しています。また、大型液晶ディスプレイが1枚のマスクで一括露光できるため、マスクデザインの規制がなく、合成部分の継ぎ目精度の維持やマスク管理が不要であり、トータルでの生産効率の向上を図ることが可能です。
なお、第6世代(1,500mm×1,850mm)の基板サイズに対応する新製品 "MPA-8000/8000CF" も同時開発し、2004年7月より出荷する予定です。
【液晶パネル製造装置の市場動向】
2003年度の日本製液晶パネル製造装置の販売額は、全世界で対前年比23%増の3,501億円と予想されています。2004年には全世界で対前年比35%増の4,726億円になると期待されています。(SEAJ調べ)
【開発の背景】
液晶テレビの急激な需要増に伴い、液晶基板露光装置の市場では一層の生産性向上を目的として、ガラス基板のさらなる大型化に対する要望が高まっています。
キヤノンは、第5世代の基板サイズに対応した液晶基板露光装置「MPA-7800」(2003年6月出荷開始、対応基板サイズ1,200mm×1,300mm)を発売し、その高い生産性と品質により好評を博しています。今回の新製品
"MPA-8500" は、「MPA-7800」と同様に、半導体露光装置や液晶基板露光装置で高い評価と多くの実績をもつミラープロジェクション方式を採用したモデルです。口径が従来比で約2倍の大型ミラー投影系や、約1.5倍の移動速度を備えた大型ステージを搭載することで、世界最大※の基板サイズ1,870mm×2,200mmでの全面露光を実現しています。
一方、新製品 "MPA-8500CF" は、 "MPA-8500" と同様にミラープロジェクション方式を採用しているため、プロキシミティ方式の露光装置が抱える、(1)高精細化に対応するには解像力が不足する、(2)熱伸縮しやすい基板でのアライメント(位置合わせ)が難しい、(3)マスクが基板との接触によりダメージを受けるため、マスクコストが増大する、といった問題を全て解決します。最大基板サイズ1,200mm×1,300mmに対応した「MPA-7800CF」(2003年6月出荷開始)の後継機で、
"MPA-8500" と同様の1,870mm×2,200mmという世界最大※の基板サイズに対応しています。
また、ユーザーの多様なニーズに応えるために、第6世代(1,500mm×1,850mm)の基板サイズに対応する新製品 "MPA-8000/8000CF" も用意しています。
※ 2004年1月22日現在において。