EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
デジタル一眼レフカメラの登場に伴い、レンズには今まで以上に高い性能が求められています。
今回、プロおよびハイアマチュアのユーザーから高く評価されている「EF35-350mm F3.5-5.6L USM」(1993年発売)の後継機種として、従来から定評のあったズームアジャスト機構、フルタイムマニュアルフォーカス機構に加え、より広角化・高倍率化を求めるユーザーの要望に対応しつつ、さらに手ブレ補正機構、防塵・防滴構造を搭載した新製品“EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM”を開発しました。
なお、「L」はLuxuryを意味しており、蛍石レンズ・UDレンズ・研削非球面レンズをはじめとする特殊光学材料の採用により、諸収差を良好に補正しています。また、描写性、操作性、耐環境性などすべてに卓越した性能を発揮するとともに、信頼性においても報道分野などを含む世界のプロユーザーからも絶大な支持を得ています。
EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM
キヤノンは、光の回折現象※を応用したDOレンズ(積層型回折光学素子)を採用した超望遠レンズ「EF400mm F4 DO IS USM」を2001年に世界で初めて商品化し、その革新性・先進性により高い注目を集めました。
DOレンズは、波長ごとの結像位置が従来の屈折光学素子と逆になるという特長があります。DOレンズと屈折光学素子を組み合わせて光学系を構成することで、撮影レンズの画質低下の大きな要因である色収差(色のにじみ)を蛍石レンズ以上に補正することができます。さらに、回折格子のピッチ(間隔)を調整することで、非球面レンズと同様の光学特性を得ることができ、球面収差なども良好に補正することができます。
従来の回折光学素子では、入射光が自然光(白色光)などの場合、一部の光が不要な回折光として発生しフレア光となって結像性能の低下を引き起こすことから、撮影レンズへの応用は困難と考えられていました。キヤノンでは、「EF400mm F4 DO IS USM」に、同心円状の格子を持つ2枚の単層型回折光学素子を向き合わせて配置した独自の積層構造を採用することで、DOレンズに入射した光を、不要な回折光を発生させることなく、ほぼ全て撮影光として利用することに成功しました。
新製品“EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM”は、このDOレンズを搭載した第二弾のレンズとして、ズームレンズへの展開を図ったものです。ズーム光学系に合わせて新たに開発した3積層型DOレンズを搭載することで、ほぼ同等の焦点距離・開放F値のズームレンズと比較して大幅な小型化と、Lレンズに匹敵する高画質化の両立を実現しました。
※ 波動に特有な現象で、波動が障害物の端を通過して伝播する時に、その後ろの影の部分に侵入する現象(広辞苑より)