キヤノンサロン Sでは、11月11日より写真展 「富山治夫の佐渡島」 を開催します。
これはキヤノンフォトコレクション収蔵作品の中から、富山治夫氏がみずから焼いたオリジナルプリント30点 「佐渡島」 に加え、佐渡博物館に眠っていて富山治夫氏が発掘し、復元した近藤福雄作品106点 「佐渡万華鏡」 を併せて展示するものです。
日本の世相、時代の空気をするどく切り取った記録・写真 「現代語感」 をライフワークにする写真家富山治夫氏が撮影した 「佐渡島」 。豊かな表情を見せる人々の暮らし、古くからの伝統・風習が途絶えることなく息づいている佐渡の風土に魅了され、1976年から77年に渡り記録された作品です。現代の日本人が忘れかけているものについて考えさせられる写真展です。
オリジナルのネガ、プリントからスキャンしたデータをもとに、大判プリンターで出力した (全長15m高さ1m) 作品も展示。最新のデジタル技術での表現とオリジナルプリントとの比較もご覧いただけます。 (キヤノンラージフォーマットプリンターW8200で出力)
この件に関するお問い合わせ先
キヤノン販売株式会社 キヤノンサロン S
TEL:03-6719-9021
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写真展 「富山治夫の佐渡島」
■期間
2003年11月11日 (火) ~12月22日 (月)
10時~17時30分 [休館:日曜日・祝日] 入場無料
■会場間
キヤノン S タワー 1階 キヤノンサロン S
■キヤノンフォトコレクションについて
キヤノンでは、写真文化の発展を願い、日本の著名な写真家の協力を得て、1994年よりオリジナルプリントのコレクションを継続しています。今後も優れた作品の収蔵・展示に努めて参ります。
■富山治夫氏メッセージ
佐渡の思い出
佐渡ヶ島の暮らしのリズムは、お盆まで、祭りまでと、四季を通じて展開している。そこには、失われつつある純日本的な村々の風情がある。祭りは季節の節目に行われ、祭りが季節を運んでくる。初めて佐渡を訪れたのは1967年の小木祭りの日だった。その夜は、深い透明な空に浮かんだ満月が、静かな小木湾を水鏡として滑っていた。小さな和船を岸辺に沿って流しながら、竿に感じる黒鯛の引きと、遠くに聞こえる小木太鼓の祭りと囃子との出会いは、とても印象的で、鮮やかに記憶に残っている。もう30年を過ぎた。
佐渡博物館の薄暗い廊下の片隅に、近藤福雄が1917年から1945年まで、暗箱カメラで撮影した8800枚の膨大なガラス乾板写真が眠っていた。その内、5500枚の紙焼きをして 「佐渡万華鏡」 にまとめた。今回、キヤノンサロン Sでは、コレクションとして収蔵された写真と、デジタルプリントにより新たな息吹を込められた 「佐渡島」 を展示し、改めて映像記録の大切さに思い至り私にとって有意義なものとなった。