発表日 2003年4月8日
キヤノン販売株式会社では、品川本社ビル竣工に合わせ、5月よりギャラリー「キヤノンサロンS」をスタートさせ、オープニング企画として立木義浩デジタル写真展「桂林」を開催します。仙境の地、桂林の美しい景色はもとより、そこに生活する人々の暮らし、たくましく生きる人々の表情をあますところなくとらえた作品群です。 これらはデジタルカメラ キヤノンEOS-1Dを使用して撮影した約3000カットの中から厳選された約70点の作品で、全てキヤノンのラージフォーマットプリンターW7200で出力しています。 この桂林撮影の模様は、昨年9月にNHK BSデジタルハイビジョン番組「桂林天下の絶景を行く」で放送されました。
キヤノン販売株式会社 カスタマーコミュニケーション推進グループ
TEL 03-6719-9025 (4月21日より9021に変更予定)
「キヤノンサロンS」は、品川本社ビルの1階に新設されたギャラリーで、写真はもとより、デジタルアートまで、時代の息吹を感じさせる最新の作品展を開催し、お客様に広範な映像表現の楽しさ、無限の可能性を体感していただくためのスペースです。 ちなみに、写真展や、プロ写真家・アマチュア写真愛好家の交流の場として親しまれている「銀座キヤノンサロン」は、今年で30周年を迎えます。キヤノンではこれらの施設を拠点として、今後も映像文化の発展に寄与していきたいと考えます。 【概要】 会場スペース:約220m2 展示用可動式壁面:58枚(各 高さ:3.5m、幅:1.2m) 展示演出プランに合わせて自由にレイアウト可能。
■立木義浩氏メッセージ 水墨画でおなじみの仙境の地、桂林。そこを流れる漓江の川下りを楽しむ幸運に恵まれる。90キロに及ぶ奇岩・奇峰が林立する中をゆるやかに時間をかけて眺めつつ、一献かたむける筈であった。テレビ生中継のため時間との勝負とあいなり、とても銀塩での撮影では無理との御達しである。さらばと初めてデジタル・カメラ小脇に抱えて、あとは猪突猛進あるのみ。目の前の絶景、空前絶後の桃源郷をあます所なくカメラに収めようとする事自体が愚かしいと気付くまで結構な時間が過ぎる。 山は自然のすべての風景の始めであり終わりであって、自然を翻訳するとみんな人間に化けてしまって、崇高、偉大、雄壮など人格上の言葉になって仕舞うから面白い。 つまり大自然の懐の中で、この河によって生かされている人々の表情なくして奇峰も立ち上がって来ないのだと思い至る。 が、この悠久の自然を前にして文人墨客逍遥するに良しという風には余裕がなくて、とてもじゃないが旨くいく筈がない。逢うは別れの始まりなのは写真も同じだが漢詩や唐詩にも別離を詠ずる作が多く、友情を主題とするものが少なくない。一期一会の気持ちで丁寧に撮影するのが一番だとある詩を思い出す。 君にすす勧む 金屈巵(きんくっし) コノサカズキヲ受ケテクレ 満酌(まんしゃく) 辞(じ)するを須(もち)いず ドウゾナミナミツガシテオクレ 花(はな)発(ひら)いて風雨(ふうう)多(おお)く ハナニアラシノタトエモアルゾ 人生(じんせい) 別離(べつり)足(た)る 「サヨナラ」ダケガ人生ダ 井伏鱒二 訳 ○開催期間: 2003年5月8日(木)~6月27日(金) ○開館時間: 10時~17時30分 ○休 館: 日・祝日 ○入 場: 無料
■ 立木義浩 1937年 徳島県・徳島市の写真館に生まれる。 1958年 東京写真短期大学(現・東京工芸大学)卒業。 卒業後、広告制作会社アドセンターを経て独立、 以降フリーとして現在に至る。 個展・作品集 1970 「GIRL」「イブたち」 1973 「花咲くMs. たち」 1979 「人間・柴田錬三郎」「フランス一人旅」 1980 「MY AMERICA」 1983 「細雪の女たち」 1988 「未来架橋」 1989 「写心気30」 1990 「家族の肖像」 1993 「大病人の大現場」 1996 「親と子の情景」 1999 「東寺」 2001 「KOBE・ひと」 2002 「およう」 2003 「after the working・8X10」 ―他多数―