新製品“imageWARE Job Tracking SDK 2003”は、システム開発者向けのソフトウェア開発キットで、証書や金券を取り扱う帳票印刷システムなどに、二重印刷や不正印刷を防止するセキュリティー機能や、ネットワークを検索して空いているプリンターを見つけ出す探索機能を組み込むことができます。“imageWARE Job Tracking SDK 2003”を用いて開発したソフトウェアであれば、従来クライアントPCから監視、管理することができなかった、プリンターへ転送した後の印刷ジョブを監視、管理できるので、出力機器の負荷状況を正確に把握することが可能です。また、出力機器が抱える複数の印刷ジョブと、それらのデータの転送元であるクライアントPCとを照応できるため、誰が、いつ、何を印刷したか、といった出力管理を行うことが可能です。
さらに、マイクロソフト株式会社が提供するCOMインターフェースの採用により、様々な開発業務環境に適した開発言語が利用できるほか、複雑な制御をCOMに格納しシンプルなインターフェースを提供しているため、迅速かつ容易なソフトウェア開発を実現します。
新製品“Canon LIPS IV Printer Driver SDK V2.0”と“Canon GARO Printer Driver SDK V2.0”は、印刷枚数やサイズなどの設定をある規定値で固定して、キヤノン製出力機器に連絡するためのインターフェース情報を収録しています。これらのSDKを用いて開発したソフトウェアであれば、定型印刷業務においてプリンタードライバーの設定作業を省くことができるため、ミスプリントの削減や、操作性の向上を実現します。
なお、新製品はいずれも、キヤノン販売が提供する「MIE(Market-In Engineering)活動※1」を通じて、専用ホームページ「Canon MIE Developers’Web Site」からも購入※2できます。また、同ホームページを通じて技術的なサポート対応を展開しています。
※1 |
「MIE活動」とは、顧客ニーズに合わせたマーケットインの発想で、オフィス製品のインテグレーションやカスタマイズを行い、ソリューション市場や特定業務市場に適合する商品開発を推進するキヤノン販売の開発者サポート活動です。 |
※2 |
専用ホームページにアクセスするためには会員登録が必要です。 |
【市場動向と開発の背景】
近年、一般のオフィスにおいて、パソコンやインターネットといったITインフラの発達に伴い、業務の効率化やTCO(Total Cost of Ownership)の削減、および迅速な意思決定を目的とするネットワーク化が急速に進んでいます。また、オフィスのネットワーク環境は、キヤノン製オフィス製品に限らず、他社製品も混在しており、これらのスムーズなデータ連携を実現するためのソリューションが求められています。
キヤノンは、「imageWARE(イメージウェア)シリーズ」やドライバー/ユーティリティといった様々なソフトウェア、またデジタル複合機「imageRUNNER(イメージランナー)シリーズ」および「Satera(サテラ)シリーズ」などの各種ネットワークを整備することで、多様な顧客ニーズに柔軟に対応します。また、整備したインターフェース情報を広く外部ソフトウェア開発者に向けて開示するとともに、ソフトウェアの開発効率を向上するために、テクニカルマニュアルやサンプルプログラムなどを収録した開発キット(SDK:Software Development Kit)を提供します。