“キヤノン・デジタル・クリエーターズ・コンテスト”は、新しいデジタル映像表現の可能性に挑戦する才能を発掘・支援することを目的に2000年から開催されているコンテストです。第3回目となる本年は、4月1日から9月3日までデジタルフォト、デジタルグラフィック/イラスト、デジタルムービーおよびWEBの4部門で作品の募集を行い、昨年より約6割多い合計5,025作品が寄せられました。また、本コンテストのグローバルな展開を目指し、作品受付拠点を東京のほか海外にも4ヵ所設けた結果、全体の約7割にあたる3,480作品がアメリカ、オーストラリア、ドイツ、中国など海外合計76の国・地域からの応募となりました。
作品審査は、国内外の映像・グラフィック分野で活躍する第一人者(ジェフ・シーウィ氏、英国のクリエイティブ集団tomato、若野 桂氏、中野 裕之氏、スコット・ロス氏、ジョシュア・デイビス氏)のほか、特別審査員の坂本 龍一氏、コンテストスーパーバイザーの武蔵野美術大学柏木 博教授らにより厳正に行われました。
その結果、デジタルフォト部門のゴールド賞には西山 武志(にしやま たけし)さんの「FACES」、デジタルグラフィック/イラスト部門のゴールド賞にはFlorian Brendel(フローリアン ブレンデル)さんの「Schwindel」、デジタルムービー部門のゴールド賞にはFrancois ROUX(フランソワ ルー)さんの「Cycling Blues」、WEB部門のゴールド賞には山本 真也(やまもと しんや)さんの「シンプレックス・ショウ」がそれぞれ選出されました。賞金として、ゴールド賞受賞者にはそれぞれUS$20,000が授与されます。
このほか、各部門からシルバー賞、ブロンズ賞、入賞、キヤノン賞および各協賛企業賞が選出されました。
● 受賞作品は、こちらにてご覧ください。
第4回目となる“キヤノン・デジタル・クリエーターズ・コンテスト 2003”は、来春から募集を開始します。
【受賞作品展のご案内】
会場:青山スパイラル 1F スパイラルガーデン |
最寄駅:地下鉄 表参道駅(B1出口前) |
開催期間:2002年12月7日~15日 |
開場時間:11:00~20:00(入場無料) |
展示作品:全受賞作品(合計68作品) |
【審査員略歴】
ジェフ・シーウィ(フォトグラファー)
シカゴ在住の広告写真家。20年以上にわたるキャリアがあり、数々の賞を受賞している。Photoshopのクレジットには、Adobe Photoshopのアルファ・テスター/フィーチャー・コンサルタントとして、ジェフ・シーウィの「クリエーティブなインプット」に対して謝辞が記されている。デジタル画像処理の世界ではパイオニアとして尊敬されており、MacWorld、Seybold、The Thunder Lizard Photoshop Conference、Photo Expoなどでの講習会や講演会、さらにサンタフェ・ワークショップでも教鞭をとっている。1995年、米アップル社は彼を『メディアの達人』と称した。米国広告写真家協会(APA)の元会長。
tomato(イギリスのクリエイティブ集団)
TVCM、グラフィック、映画タイトル、出版、マルチメディア、ファッション、建築プロジェクト、音楽、企業コンサルタント、とその活動範囲はジャンルを超えて幅広く、日本の若いクリエーターの間で強い支持を得ている。最近では日本とニューヨークでワークショップを開くなど、教育の分野にも意欲的。
若野(もしの) 桂(イラストレーター/アートディレクター)
国内外のミュージシャンにレコード・ジャケットをはじめとする数多くの斬新な作品を提供。'96アパレル・ブランドVIVAYOUキャンペーン、'98米NIKE社キャンペーン、電子レンジ、AIBOラッテ&マカロンのデザインなどまでも手掛けるイラストレーター。
中野 裕之(映像作家)
1958年生まれ。早稲田大学商学部卒業。テレビ局に5年間勤務の後、タイレルコーポレーションを設立。映像的な音楽ビデオを作り続けるかたわら、1993年ピースデリック・スタジオを設立。ピースな映像の研究に打ち込み、音楽クリップではMTVアワード6部門にノミネートされたディーライトの作品をはじめ国内外多数の音楽クリップ作品がある。また映画では2000年に「STEREO FUTURE」、2001年に「RED SHADOW 赤影」を手掛け、2002年4月には初の写真集「SF Sweet Female・麻生久美子&桃生亜希子」を出版。
スコット・ロス(デジタルドメイン社 社長兼CEO)
デジタル映像プロダクションとして特撮映画やTVCMの制作で特殊効果サービスの全般を提供している。映画『奇蹟の輝き』(1998年)、『タイタニック』(1997年)で米アカデミー賞、『フィフス・エレメント』(1998年)で英国アカデミー賞を獲得。その他にもグラミー賞、クリオ賞など、数々の賞を受賞し、その革新的な技術と芸術性でワールドクラスの名声を確立している。最近の映画作品では、ドリームワークス製作の『タイム・マシーン』、キャメロン・クロウ監督の『バニラ・スカイ』、ロン・ハワード監督の『ビューティフル・マインド』などで特殊効果を担当している。
ジョシュア・デイビス(アーティスト/テクノロジスト)
ニューヨークを拠点に活動するアーティスト。Web上だけにとどまらず、off the Webでもプライベート作品、公共作品を制作する“テクノロジスト”。彼のホームページ(http://www.praystation.com)は、国際的に最も栄誉あるサイバーアート&デザインのコンテストPrix Ars Electronica 2001の「Net Excellence」部門で最優秀賞のGolden Nicaを受賞。現在、ニューヨーク市のSchool of Visual Artsでインストラクターを務めるかたわら、自身の作品、着想、モチベーションなどについての講演を世界各国で行なっている。
坂本 龍一(ミュージシャン)
1952年東京生まれ。東京芸術大学卒業。ファーストアルバム「千のナイフ」を経て、細野晴臣、高橋幸宏らと共にYMOを結成し世界的注目を集める。YMOの解散後、自ら出演も果たしたベルナルド・ベルトリッチ監督作品「ラストエンペラー」のサウンドトラックで、グラミー賞、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞など、数々の賞を受賞。
柏木 博(武蔵野美術大学教授)
1946年神戸市生まれ。武蔵野美術大学卒業。現在、武蔵野美術大学教授。近代デザイン史専攻。デザイン評論家。視覚的なデザインやもの空間のデザインを通して、近代の思考や感覚を読み解く作業を続けている。主な著書として「肖像のなかの権力」(講談社学術文庫)、「日用品の文化誌」(岩波新書)等多数。