このページの本文へ

【入門編】
BtoBビジネスにおけるデジタルマーケティングの課題と、失敗しないアウトソーシング先の選び方

  • 事業拡大・販路拡大
BtoBビジネスにおけるデジタルマーケティングの課題と 失敗しないアウトソーシング先の選び方

BtoBビジネスを取り巻く環境が変化しています。
これまでマーケティングの概念を持たず、営業が足で稼ぐことで顧客との接点を生み出してきたBtoBビジネスの企業も、新たな顧客接点の創出のため、デジタルマーケティングに目を向け始めました。一方で、マーケティングの必要性は認識しながらも知識・ノウハウ・情報などを持たず、頭を抱えている担当者は多いのではないでしょうか。激変するデジタル社会において、企業のマーケティング担当者はどのようなことに取り組むべきか。
今こそ知っておきたいBtoBビジネスにおけるデジタルマーケティングの課題と解決策について紹介します。



あらためて考えるBtoBマーケティングの担うべき役割

インターネットの普及・発展に伴い、BtoBビジネスにおける顧客の購買プロセスは、大きく変化しました。情報源が「口コミ」のようなものから「検索エンジン」へと移行し、ある程度製品やサービス、業者の選定が行われた後に人(営業)とかかわるケースも増えています。つまり顧客の購買行動は、人(営業)にたどり着く前にすでに始まっているのです。

このようなオンライン時代におけるBtoBマーケティング成否のカギは、「データの蓄積と集約」にあります。オンライン上では顧客の行動履歴や属性など、あらゆるデータが取得しやすくなります。そうしたデータを活用できる企業と、そうでない企業では、得られる成果に差が生じていきます。

もちろん、言葉にするのは簡単ですが、実行に移すのはなかなか難しいものです。実際にデータを蓄積・分析し、活用できる状態にするのは、並大抵のことではありません。その結果、「ある程度のことはやっているけれど、思うような成果は出ていない」というケースも多く見受けられます。

例えば、以下のようなケースに心当たりはないでしょうか。

  • データに抜けがある

    →蓄積した顧客データを活用したくても、正確な部署名や肩書がわからない。

  • データ管理がバラバラ

    →営業やマーケティングなど部門ごとに情報を管理しているため、顧客データが集約されておらず、有効活用が難しい。

    こうした状況では、残念ながら効果的なマーケティング活動ができる環境が整っていないと言わざるを得ません。

リード獲得こそがマーケティング担当者の使命

そもそもマーケティングとは何かを、あらためて考えてみましょう。言葉自体を定義すれば「市場調査」や「販売戦略」であり、具体的なアクションとしては「リサーチ」「広告宣伝」「データ分析」などが挙げられますが、その本質は「売れる仕組みをつくる」ということです。

つまりBtoBマーケティングの要諦は、リード(見込み客)の管理を徹底することにあります。「ターゲットとなる見込み客は誰なのか」そして「見込み客との間にどのような接点があるのか」をマネジメントすることが大事なのです。

見込み客との接点はオンライン・オフラインさまざまですが、デジタルマーケティングではWebの活用が欠かせません。オンラインによってリードを獲得し、それを営業へと引き継ぐ。そうやって他部門とも連携しながらリードを育成(顧客化)していくことが、マーケティング担当者の本来の役割です。こうしたリード獲得のための活動は、マーケティング用語で「リードジェネレーション」、また有益な情報によって将来的な受注につなげることは「リードナーチャリング」といいます。

もちろん、時代の流れに合わせて、すでにデジタルマーケティングの担当者を置いている企業は多いでしょう。しかし、真にこれらのデジタルマーケティングが実践できている担当者がどれだけいるかというと、疑問が残ります。実際は、Webサイト運営、Facebook・Instagram・TwitterなどのSNS運営、あるいはウェビナー開催を担当しているだけという状態になっていないでしょうか。
それはなぜなのか、さまざまな理由が挙げられます。

  • IT分野の専門用語の理解が大変で、時間がかかる。
  • さまざまな業務が忙しくて、手が回らない。
  • 経験が浅く、プロジェクトの推進に自信がない。

ビジネスに限ったことではなく、私たちの暮らす世界は科学や工学技術の発展によって刻々と変貌しています。デジタルツールなどが急速に増え続けるなか、ほかの仕事と兼務では思うように必要なスキルを習熟できるはずもありません。しかし会社はデジタル化を急ぎたい。担当者としては、悩ましいところです。どこかで「ある意味仕方ない」と、あきらめモードに入っているのではないでしょうか。

組織を活性化させるアウトソーシングのメリット

近年では、組織を横断してデジタルマーケティングに取り組むアプローチも注目されています。このような中央組織化は「CoE(センター・オブ・エクセレンス)」と呼ばれており、優秀な人材でチームを編成し、プロジェクトを推進しようというものです。しかし、知見やノウハウの蓄積がないデジタルマーケティングでは、すぐに社内でこうした専門家集団を組織するのは難しいのが現状だと思われます。

社会に知見やノウハウがないなら、デジタルに詳しい人材を採用すれば解決するでしょうか。発想の転換といえますが、そんな人材が転職市場に都合よく出てくるとは限りません。時間とコストをかけても採用できないケースもあるでしょう。では、社内の人材を教育・育成してはどうか。これもまた、時間とコストがかかるという点に大差はありません。

そこで目を向けたいのが、外部の専門家にアウトソーシングするという手法です。実のところ手探り状態でBtoBマーケティングに取り組んでも、スピード感がなく、非効率的な打ち手が増えるばかりです。その点、十分な専門知識を持ったコンサルタントであれば、

  • 戦略と施策を連動させて、スピーディに事が運ぶ。
  • PDCA(計画・実行・評価・改善)を回しながら、知見が蓄積できる。

などのメリットがあります。
目的を達成するための手段としてSEO(検索エンジン最適化)対策や、オンライン広告などコンテンツマーケティングを、いつ、どのタイミングで、どのように実施するか。そうした判断も的確です。

また、外部の知見を取り入れることで、自社の強み、製品・サービスの魅力を客観視することもできます。そのうえでホワイトペーパー(製品やサービスの機能解説や市場分析をまとめた文書)の作成、KPI(重要業績評価指標)を設定といったBtoBマーケティングのノウハウが蓄積されていき、ゆくゆくは内製化をめざすことも可能です。つまり、アウトソーシングによって組織が活性化されていくのです。

BtoBビジネスにおけるデジタルマーケティングの「今」

浸透度の低い今こそデジタルマーケティングの始めどき

BtoBビジネスを展開している企業には、どのぐらいデジタルマーケティングが浸透しているのでしょうか。実のところ、国内の企業を見回してみると、まだまだ「様子見」という段階にある企業が多く、本格的なデジタルマーケティングの浸透はこれからというのが現状のようです。
さて、あなたの会社は今どの段階にあるでしょうか。

フェーズ1:必要性は感じているが、何もしていない・検討中である

「何もしていない・検討中である」という企業は、社内に適任者がいないため「何をどうすればいいのかわからない」ということではないでしょうか。まずは頼れる相談相手(アウトソーシング先)を探すことをおすすめします。

フェーズ2:特定の部署・特定の製品単位では取り組んでいる

「部署単位で取り組んでいる」、もしくは「特定の製品やサービスで実施している」という企業は、トライアルの段階であり部分最適はできているかもしれませんが、効果の最大化には至っておらず、ノウハウも蓄積されにくい状態です。今後は全社的にデジタルマーケティングの取り組みを広げていくことが必要となります。

フェーズ3:全社的な取り組みを行っている

「全社的な取り組みができている」という企業は、意識の高さが伺えます。おそらく全体最適ができており、デジタルマーケティングの取り組みが競合他社よりもリードしていることでしょう。

BtoB企業の多くは1~2の段階のいずれかにあり、フェーズ3のようなアドバンテージを持つ企業はほんのひと握りです。逆にいえば、今から始めても十分に遅れを取り戻すことは可能です。浸透度が低い今こそ、デジタルマーケティングをスタートさせる絶好のタイミングともいえるのです。

タイプ別にみるアウトソーシング業者

既存の社内リソースの活用に限界があることは、すでに述べたとおりです。外部の支援業者に依頼することが賢明な選択肢であることは間違いありません。しかしアウトソーシングしてみたものの、「思っていたものと違う」「まったく成果が出ない」というミスマッチが起きては、双方にとって不幸です。

BtoBビジネスとひと口にいっても、企業ごとに個性は多種多様なので、自社の思いに最も寄り添い、その思いをかなえてくれるパートナーを見つけることが肝要です。
ここでは3タイプの支援業者を紹介します。どれが自社に適しているかを検討してみてください。

Type1:コンサルタント

戦略の立案が得意なのが、このコンサルタントタイプです。現状分析、課題抽出などをもとに、今後のBtoBマーケティングの設計図を描いてくれます。何から着手してよいかわからない場合は、とりあえずこのタイプに相談してみてもよいでしょう。ただし、その後のシステム導入、Webサイト制作、コンテンツ作成および運用などは、自社で行うか、別会社に委託する必要があります。

Type2:運用実務代行

システム導入、Webサイト制作、コンテンツ作成など実務面を代行してくれるのが、この運用実務タイプです。コンテンツづくりが重要なWeb施策やSEO対策において、大きな力を発揮します。すでに「こうしたい」という戦略ができていて、実務的なリソースがほしい場合に適しています。

Type3:コンサル・実務併用

コンサルティングから運用実務まで、トータルで請け負ってくれるのが、このコンサル・実務併用タイプです。ワンストップで任せることができるのが最大のメリットといえます。段階によって外注先を変えることなく、切れ目のないスムーズなプロジェクトの推進を実現することができます。

失敗しないBtoBマーケティング支援業者の選び方

失敗しないBtoBマーケティング支援業者の選び方

信頼できるアウトソーシング先を見極める3つのポイント

では、具体的にBtoBマーケティング支援業者の選定には、どのようなことに注意が必要でしょうか。3つのポイントを掲げていますので、参考にしてください。

ポイント1:実績の内容

過去の実績はしっかりチェックしておきましょう。支援業者はホームページなどで自社の実績を公開しています。実績を公開していない場合は、そういう会社をあえて選ぶ必要はありません。また、実績に自社と同業種や同業界の企業があるかどうかも見ておきたいところです。要は、実績数だけでなく、その内容や質を見極めることが重要です。

ポイント2:支援の内容

支援を受けられるサービス内容についても、確認しておきましょう。自分たちの頼みたい領域がカバーされているか、どの程度の範囲を担ってくれるのか、ヒアリングなどを行って理解したうえで支援業者を選定してください。「施策に一貫性が保たれるだろうか」と不安な場合は、ワンストップで幅広い領域の支援が可能な業者を選ぶのがおすすめです。

ポイント3:外注にかかる費用

内容が複雑であればあるほど、後回しにしがちな費用に関しても、最初にクリアにしておきたいところです。長期での付き合いを前提に考えれば、「コスパがよい」「安い」といった視点も、BtoBマーケティング支援業者選びでは外せない重要なポイントです。自分たちのめざす目標に見合う毎月の予算イメージに沿った提案をしてくれるかということも確認しましょう。

長期にわたる良好なパートナーシップの構築

BtoBマーケティング支援業者とは、長期にわたってパートナーシップを組むことになります。何カ月、あるいは年単位でやりとりを重ねるため、信頼関係の構築が重要です。そこで「相手の言っていることがよくわからない」「こちらの言っていることが伝わらない」と感じるようなら、アウトソーシング先を再検討すべきでしょう。

理解できないのは、自分の知識が足りないからではありません。その道のエキスパートであれば、例えデジタルマーケティングに初めて取り組む担当者に対してでもわかりやすく説明できるスキルを持っています。厳しい言い方をすれば、それができなければプロとして失格です。専門用語ばかり使って相手を煙に巻くようでは、良好なコミュニケーション以前の問題です。
また、業者を選定するうえでは、以下をチェックリストに加えておくとよいでしょう。

  • 適切な進捗共有、アウトプットの提出があるか
  • 連絡がこまめでレスポンスが速いか
  • 自社のめざすゴールと近い成功事例を持っているか

プロジェクトが長期化するにつれ、進捗共有やゴール設定が徐々に曖昧になっていくのは、BtoBマーケティングにおける「あるある」です。決してよいこととはいえないので、気をつけておきたいところです。
過去に、目的に沿った成功事例を持っている業者なら、そのプロジェクトでの課題は何だったか、どんなソリューションによって解決し、どのような結果がもたらされたか、なども確認してみるとよいでしょう。

アウトソーシングする際にやっておくべき事前調整

では、具体的にBtoBマーケティング支援業者の選定には、どのようなことに注意が必要でしょうか。3つのポイントを掲げていますので、参考にしてください。

目標の明確化

何をどうしたいかという目標(ゴール)を明らかにしておきましょう。「Webサイトのリニューアルによって受注を増やす」や、「SEO対策に注力してサイトの上位表示をめざす」などでも構いません。会社としてデジタルマーケティングにおける具体的な目標を掲げることで、経営層を含む社内での方向性や意識の共有ができ、プロジェクト進行中に変更や中断をせざるを得なくなったり、余計なコストがかかったりといったトラブルを回避できます。

現状把握

売上や集客を現状よりも改善・向上させたいのであれば、まずは正確な現状把握が求められます。自社のWebサイトへの月々のアクセス数や流入経路、キーワードなどの情報をBtoBマーケティング支援業者に対して提供することで、今後の有効な対策にもつながっていきます。また同業他社と差別化を図るための「自社の特長」や「強み」の精査も行いましょう。

予算の策定

施策によって成果が出るまでに必要となる費用が異なります。予算はある程度決めてから依頼するほうが、後々料金で揉めるリスクも避けられます。リスティング(検索連動型広告)のような広告運用の場合、成果は比較的早く得られますが、月々費用がかかることも理解しておきましょう。

まとめ

ここまで、BtoBマーケティングの課題や、失敗しない支援業者(外注)の選び方について紹介してきました。時代に取り残されることなく、未来へ向けて先手を打ち、成功するためには、BtoBビジネスでもデジタル化は喫緊のテーマであることがご理解いただけたのではないかと思います。

今、世界にはDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せています。それは単なるIT化ではなく、デジタル技術によってビジネスモデルを変革し、販路開拓や拡大をめざす取り組みのことです。「DX推進はマーケティング担当に任せる」と上司から指示されたものの、何をどうすればいいのか課題は山積している、と頭を抱えるマーケティング担当者は少なくないでしょう。

キヤノンマーケティングジャパンでは記事中でご紹介したとおり、ワンストップのBtoBマーケティング支援業者として、伴走型のサポートを行っています。「まったくの初心者」という方には、戦略立案などの上流工程からご相談に乗ることも可能です。あるいは、すでにある程度のアイデアやプランがあり、「それを最大化したい」という要望にもお応えします。つまり、会社ごとの状況やニーズに応じて、最適な支援をご提案し、さらに将来的には内製化を視野に入れ、社員研修や人材育成にも寄与できる体制も整えています。社内リソースだけで不安のある方は、気軽にお問い合わせください。今抱えている悩みや不安を解決するための答えが、必ず見つかります。



弊社の実績やさまざまな事例をご紹介しております

こちらの記事もおすすめです

「BtoB営業・マーケティングDX支援」についてのご相談、お問い合わせ

キヤノンマーケティングジャパン株式会社