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ニューノーマル時代に対応!
BtoB企業が行うべきブランディングおよびWebサイト活用戦略

  • 事業拡大・販路拡大

「BtoB企業にブランディングは必要ない」と思っていませんか。
BtoB企業は、BtoC企業に比べて、幅広い層に訴求しなくてもビジネスが成り立ってきました。しかしながら昨今のコロナ禍によって新しい働き方が求められ、あらためてWebサイトを活用したマーケティングが注目されています。あわせて、自社の強みとは何かを考えるブランディングの重要性も高まってきました。
今回は、Withコロナ時代にBtoB企業のブランディングがもたらす効果や、戦略的なWebサイトの活用について紹介します。



Withコロナ時代のBtoB企業におけるブランディングの重要性

BtoB企業にブランディングが必要な理由

ブランディングとは「製品や企業のイメージアップ」を図ること、そしてマーケティングとは「売れるための仕組みづくり」のことです。両者は切っても切れない関係、あるいは持ちつ持たれつの関係にあります。それらが掛け合わされることで、営業推進のための相乗効果が生まれます。

そもそも今なぜ、BtoB企業にブランディングが必要なのでしょうか。BtoBビジネスでは、見込み客がすぐに接触をしてくることはほとんどありません。展示会やWeb検索などを活用して、まずは情報収集や他社との比較検討が行われます。その際、必ず各社のホームページがチェックされます。そのうえで「これは」と思う数社にアプローチしてくる、という流れになります。

新型コロナウイルスの感染拡大以降、人と人との接触機会が減り、展示会などのイベントが激減。BtoB企業でも在宅ワークやリモートワークなどのデジタル化が進み、インターネットを活用した比較検討が主流になってきました。つまり営業が接触する前に決着がついてしまう、という動きが加速しています。

インターネットは確かに比較検討が容易に行える便利なツールですが、しかし一方でオンライン上には似たような情報があふれ、差別化が難しいという問題も出てきています。そこで「自社の強み・価値は何か」を問い直し、明確に顧客に伝えること、つまりブランディングが必要になってくるのです。
これまでBtoB企業では、ブランディングがあまり重要視されてきませんでした。
その理由は、

  • 顧客数が限られているため投資対効果が低い
  • 価格や取引条件の優先順位が高い
  • 人間関係や信頼関係が重視される

このような新たな認識を持ち、リード獲得のためにブランディングという土壌の醸成を行いながら、成長のサイクルを回し続けていくことが肝要なのです。

選ばれる企業へ。ブランディングによって得られる効果

BtoB企業がブランディングによって得られる効果には、さまざまなものが挙げられます。ブランド力、つまり会社の価値がマーケットに浸透することで市場競争力が上がり、多くの選択肢の中から選ばれる可能性が高まります。
具体的には、

  • 競合他社との明確な差別化 →「新規顧客に影響力を持つ」
  • ブランドイメージの定着 →「口コミや紹介に影響力を持つ」
  • 一貫したポリシーによる強い印象付け →「解約や乗換を考えている既存顧客に影響力を持つ」

などのメリットが考えられます。またブランド力が醸成されれば、その信頼性によって価格競争に参加することなく、よりよい取引条件につながる可能性もあります。
これらに加えて、あと2つ見逃せない「効果」があります。
それは、

  • ブランディングが社内の求心力になる
  • リクルーティングに影響力を持つ

ということです。自社の強みや魅力を認識することで価値やビジョンが明確に定義づけられ、社員たちはそれに沿って判断・行動ができるようになります。社内統制という意味でも、ブランディングの果たす役割は大きいのです。また顧客にとっては、社員とのやりとりを通して、価値を実感するのに欠かせない体験の一貫性が生まれます。

さらにブランドイメージの浸透は、就活生や転職希望者にも大きな影響を与えます。認知度の向上に加え、良好な企業イメージを訴求することによって、自社のビジョンに共感し、高い意欲を持った人材を採用することが可能となります。

Webサイトの活用で「ブランディング」×「マーケティング」を実現

効果を最大化するBtoB企業におけるWebサイトの役割

コロナ禍による対面営業の縮小は、はからずも「Webサイトなら24時間いつでも全国に情報を発信できる」ということを気づかせてくれました。ブランディングとマーケティングが密接な関係にあることは冒頭でも述べましたが、ブランディングをしながら効果的なマーケティングを同時に行えるのが、Webサイトです。今や製品や企業のブランド力を高めるツールとして、Webサイトを活用しない手はありません。

顧客のロイヤリティ(好感度)を上げるためのプラットフォームとして、Webサイトはとても効果的です。そのためには、さまざまなマーケティングの施策も重要になってきます。例えば、検索エンジンの検索結果において上位表示されるSEO対策です。どれだけよいWebサイトを作っても、そこにたどり着いてもらえなければ意味がありません。SEO対策をしっかり行うことでブランド力を高めることができるのです。

そうやってWebサイトを継続的に成長させていくことでリード獲得もスムーズになります。いわばWebサイト自体が優秀な「営業」となって、見込み客とのタッチポイントを生み出してくれます。

こうしてみると、Webサイトを組織的・包括的に運営できる企業こそがビジネスで先手を打てるといえそうです。しかし実際はWebサイトを持っていても、企業情報や製品情報を掲載しているにとどまり、活用しきれていない企業も少なくありません。せっかくよい製品やサービスを提供しているのに、認知度が向上できていなければ営業活動につながらないだけでなく、マイナス要素となる可能性もあるのです。

そうした悩みを解決するには、やはりWebサイトを最大限に活用することが不可欠です。
Webサイトの役割とは何か、以下に簡潔にまとめておきましょう。

  • ブランドイメージ、製品・サービスの認知度向上
  • お問い合わせ・申し込み・資料請求などへの導線
  • 優秀な人材を確保する採用活動ツール

最初の「ブランドイメージなどの向上」は、これまで述べてきたとおりです。ブランディングはWebサイトを活用することによって大きな広がりをみせます。
またWebサイトはコンバージョン(最終的な成果)への導線としても大きな役割を担っています。そこで、「お問い合わせ・申し込み・資料請求」につながるような工夫が求められます。Webサイトからのリード獲得、ナーチャリング(育成)へ、という流れを生み出すことが重要なのです。

最後の「採用活動のツール」は、もはや多くを説明するまでもないでしょう。リクルーティングに影響力を持つことはすでに述べましたが、優良なWebサイトはそれ自体に人が集まる機能を果たします。Webサイトを活用したブランディングおよびマーケティングは、優秀な人材を確保するためにも大変有効な手段なのです。

ブランディングとマーケティングを両立させるためのステップ

「ブランディングといわれてもピンとこない」という方のために、考え方のヒントを挙げておきます。
まず、ブランディングでは何よりも優先して「ユーザー視点を大切にする」ということを忘れないでください。ブランディングは、あくまでもユーザーとのコミュニケーションを前提とした作業です。「こんな企業を探していた!」と思わせるような、相手の悩みや課題を解消し、信頼感を与える「価値の提供」が行えるように心がけましょう。

また、「未来志向で考える」ということも大切です。「今後、社会や顧客に対してどんな価値を提供していきたいか」という発想で、定義づけをしていくわけです。さらにアフターコロナにおいては、「オンライン上でのコンテンツ化がしやすいかどうか」といった視点も持っておくとよいでしょう。
では、具体的にブランディングを成功させるための4つのステップを紹介します。Webサイトなどを活用することを前提に、ぜひ参考にしてください。

STEP1理想像の設定 

まずは、会社としてめざしたい理想の姿を設定します。これはすべての事業活動においていえることですが、ブランディングでも同じことです。理想像を描かないまま見切り発車してしまうと、途中で行動がぶれて、迷走してしまうことになります。

STEP2価値の再設定 

自社の製品やサービスの提供価値は何か、あらためて問い直してみることが重要です。それを提供することで顧客にどんなメリットがあるのかを考え、他社との差別化を図ります。価値の再設定こそが、ブランドイメージを形成するベースになります。

STEP3STPの設定 

STPとは、マーケティング戦略のフレームワークです。セグメンテーション(S)によって市場を地域・年齢・価値観などで「細分化」し、ターゲティング(T)で自社のブランドイメージや価値を届ける「ターゲット」を設定します。さらにポジショニング(P)により市場における自社の価値の「立ち位置」を明確にすることで、競合に対する自社の優位性を確保していくことができます。

STEP4情報発信 

Webサイトに加えて、Twitter・Instagram・FacebookなどのSNS、ウェブマガジンやブログなどのオウンドメディアなども駆使し、適切な情報発信をしていきます。また、オフライン営業で活用できるパンフレットやカタログもブランディングに沿ったイメージの統一が必要です。

リード獲得に向けた戦略的なWebサイト活用のポイント

マーケティングの役割を担うプラットフォームの構築

BtoB企業のブランディングおよびマーケティングにおいて、Webサイトが重要な役割を担うことは、十分ご理解いただけたと思います。
近年は、ただホームページをつくるだけでなく、Webサイトを通じて顧客の購買意欲を後押しするようなコミュニケーションプラットフォームの構築が注目されています。そのためには、例え既存のWebサイトを持っていても、それを常に改善していく必要があります。

単なるIT化ではなく、価値提供の方法を抜本的に変えるDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、取り組む企業も増えています。そうすることでビジネスモデルに大きな変革をもたらし、販路拡大・開拓をめざすことがねらいです。

サイトリニューアルに関しては、CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)をスピーディに回していくためのCMS(コンテンツ管理システム)を導入することが必要不可欠になってきます。
あるいは、見せ方、読ませ方を工夫して、顧客のほしい情報を載せた「ホワイトペーパー」を設置し、それをダウンロードする際に氏名や連絡先を入力してもらい、再コンタクトができるようにする。こうした仕組みづくりが、リード獲得に向けて効果を発揮します。

しかし大手企業ならDXに通じた人材を社内リソースとして用意することができても、中小企業ではなかなか思うようにいきません。このようなお悩みの解決には、かかってしまう膨大な時間や手間を考えれば、外部コンサルタントを活用するのが最もスマートなやり方です。業者の選定に際しては、自社のビジネスに深い理解を示し、伴走してくれるところをしっかり見極めてください。

環境の変化、時代の流れに合わせたサイト運用の必要性

Webサイトは、いったんつくればそこで完結するわけではなく、継続的に運用していくことが非常に重要です。そこで気をつけたいのは「運用」=「更新作業」ではないということです。サイト運用とは、もっと広範なマーケティング施策そのものを指しています。

自社製品やサービスの変化はもちろん、顧客の変化にも柔軟に対応する必要があります。BtoBビジネスを取り巻く環境の変化、時代の流れなどに敏感にアンテナを張り巡らし、コンテンツ設計やデザインなども定期的に見直さなければなりません。継続的な改善を積み重ねることで、効果の高いWebサイト運用が可能になるのです。
またWebサイトを活用したマーケティングでは、以下のような施策も細かく行うことになります。

  • 接触者リストを作成してメルマガなどによる継続的な情報発信を行う
  • ウェビナー参加者などからアンケートによる情報収集を行う

それだけにツールの使い方など日々勉強することも多く、新たな業務も増えるため、効率よくルーティン化していかなければなりません。だからこそ信頼できる外部コンサルタントを選び、内製化を視野に入れた社員への教育・研修も含めて、適切なサポートを受けることが肝要なのです。

分析環境の構築によるデータの可視化と効果検証

効果の高いWebサイトの運営には、定期的なチェックが欠かせません。そのためにはKPI(重要業績評価指標)マネジメントを行う必要があります。期間を設けて目標を決め、達成度を検証しながら必要に応じて改善策を施します。

KPIの設定に先立ち、KGI(経営目標達成指標)の設定も必要です。KGIを達成するための手段がKPIであり、行動プロセスの指針となります。そのためには、KPIをはっきりと数値で示すことが肝要です。Webサイトへのアクセス数だけでなく、リード獲得数、受注率などを分析する環境を構築することで、データを可視化することができるようになります。

どこまでできているかという達成度合いや、なぜできなかったのかという課題抽出などのチェックや検証が可能になり、ブランディングの浸透度も測ることができます。このように、KPIマネジメントによってPlan(計画)・Do(行動)・Check(評価)・Action(改善)というサイクルを回していくことで、効率化や最適化が図られ、よりよいWebサイト運営につながっていきます。

これまでの内容を振り返ると、

  • ブランディング=自社の価値とは何かを定義する
  • 価値の認知向上を図るにはWebサイトの活用が有効
  • Webサイトの運用は継続的な改善が必要
  • 分析環境の構築によりデータの可視化と検証が可能

このように要約できます。
BtoBビジネスでは、まだブランディングとマーケティングを両立させて全体最適を実現している企業が少ないため、これらに取り組むことは市場において優位性を得やすく、成果が出やすいといえるでしょう。

導入事例:高い技術力を「提供価値」としてブランド力強化につなげた企業の場合

最後に、ブランディングに目を向け、デジタルマーケティングを導入して課題を解決し、大きく飛躍した創業10年目の製造業の事例を紹介します。この会社では、以下のような課題が事前に挙がっていました。

  • コロナ禍により従来の対面営業や展示会の実施が困難になった。
  • 次の10年に向けたブランディングの再構築や、新たな販売手法を確立したい。

あらためて自社の強みは高い技術力にあることを認識し、「提供価値」とすることを社内で意識共有。ターゲット設計からWebサイト構築、バーチャル展示会の実施などの新たな顧客接点づくり、さらには業務効率化までを、外部コンサルタントのトータルサポートによって実現し、成果を上げました。

1.ブランディングに基づいたWebサイトの構築

Webを活用してブランディングや顧客接点の拡大をめざしたいけれど、対応できる人材がいませんでした。

そこでコンサルタントとともにターゲット設計からSEO対策を行い、集客に強いサイトを構築。新たな顧客接点、ブランディングの基盤を実現したことで、Webサイトのアクセスが約6倍に増加しました。

2.デジタルを活用し、顧客接点の創出・拡大を実現

コロナ禍により展示会が軒並み中止に。従来の営業手法が使えなくなり、代替手法が急務になりました。

そこでウェビナー※1とバーチャル展示会を実施することで、多くの見込み顧客獲得に成功し、1.5倍の案件獲得数を実現しました。

3.営業プロセスの改善による業務効率化を推進

CRM※2ツールは導入しているものの、営業担当の活用が進まず、顧客情報が放置状態になっていました。

そこで営業プロセスの設計および情報のダッシュボード化(データの可視化)を実現。営業の意識改革とあわせた業務の効率化によって売上金額が3倍に拡大しました。

まとめ

ここまでBtoB企業のブランディングと、Webサイトを活用した顧客接点拡大戦略について紹介してきました。どの企業でもWithコロナ時代のニューノーマル(新しい常態)に対応するべく、さまざまなトライ&エラーを繰り返していることでしょう。しかし、社内リソースだけで結果を出すことには限界があります。そこに経験豊かな専門家の知見が入ることで「エラー」の部分が大幅に抑えられ、効率的な営業活動を推進できることがおわかりいただけたのではないかと思います。

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